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花は血で咲いた。

12 - 第十話 「その名を誰が語るか」

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2025年08月04日

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第十話 「その名をだれが語るか」

7つの座が、静かに円を描くように並べられた。

東京・大阪・愛知・北海道・宮城・広島・福岡

久しく開かれていなかった“円卓”が、今ふたたび組まれる。

中央に立つのは――愛知。

愛知

この場は、HYDRANGEA再構築を論ずる場ではありません。

愛知

“第八席をどうするか”――その是非を決める場です。

全員の目が鋭くなる。

東京

なら、“第八”はここに呼ばれてるのか?

愛知

来ているよ。

愛知

けど――まだ、名乗っていない。

東京が口を開く。

東京

私は、“偽の花”を泳がせた。

東京

それは、かつてのHYDRANGEAでは常套手段だったろう?

大阪が笑う。

大阪

ほな聞くで。

大阪

“第八”を誰が粛清したんや?

沈黙。重苦しい空気。

東京は口を閉ざす。

その代わりに福岡が言う。

福岡

全員で票を入れた。

福岡

でもな、引き金を引いたのは……俺だ。

宮城

今さらそれを言う意味、ある?

福岡

ある。

福岡

……“誰が咲かせるのか”より、

福岡

“誰が殺したのか”の方が、今は重い。

北海道が立ち上がる。

北海道

俺は、当時の“第八”を粛清することに、消極的だった。

北海道

……でも、結果的に同意した。

北海道

都市の秩序のため、均衡のため。

北海道

だが、均衡のために真実を殺した時点で、俺たちは同じだ。

北海道

もし今、あの時と同じように“何かを排除する”なら――。

北海道

俺は、反対する。

その時、通信端末が鳴る。

応答したのは広島。

「……緊急報告。

香川・旧遺構にて爆発事件発生。

負傷者17名、死者不明、記録施設が全焼――。」

場内がざわつく。

「送信元の最後の音声が残っています」

再生された音声。

『……HYDRANGEAの席を、取り返す』

『――これは、再建ではなく、“裁き”だ』

東京が、珍しく手元で震えていた。

東京

これは……“誰か”が第八をけしかけている。

東京

私が泳がせたのは“疑似花”――。

東京

けれど、これは本物の意志だ。

東京

“香川”ではない。

東京

いや、香川を利用した誰か……?

福岡が席を立つ。

福岡

俺は、“都市の秩序”のために動いてきた。

福岡

けど……その秩序が、“過去の隠蔽”の上に成り立っとったなら――。

福岡

そんなもんに従う義理、もうない。

福岡

咲かせるなら咲かせろ。

福岡

でも、撃つのは――俺だ。

伏線⑥回収:「壁の花紋」=第八の動向を示すコード (第六話) 愛知は、会場のスクリーンに“壁画”の最新映像を映し出す。 花びらは、8枚目が“赤く染まり”、その周囲に新たな“影”のような線が現れていた。 「この花紋は、HYDRANGEAの中枢だった“観測機構”でもある」 「この“影”は、第八とは別の“もう一つの手”の存在を示してる」 「つまり――偽の第八を焚き付けてる、第三の存在がいる」 「“第九”……?」

円卓=HYDRANGEA復元“裁判”の始まり 香川粛清の真相=全員での投票、引き金は福岡 “花紋”が再び動き出す(影の線=第九) 旧・香川施設が爆破される=第八(or その背後)による犯行 東京、福岡、北海道など、各都市に揺らぎと決意の変化 第九の気配=“偽の花”をけしかけている別の存在の兆候

次回

血で咲いた花の、その根が――暴かれ始める。

第十一話 「影の花、名乗るとき」

帰ってきました。

眠すぎます。

短かったですね。ごめんなさい。

それではまたお会いしましょう。

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