テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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YOLO!!

第12話 - キャンプ

201

2025年03月01日

#冬彰

#司類

#田舎

#都会

あかまる🍓🐾໊

山

彰人

ちゃんと荷物全部揃ってますか？

類

フフ、もちろん。

彰人

また要らんもの持ってきたんじゃないでしょうね…

司

安心してくれ。オレが確認して来たけん大丈夫や！

類

昨晩、司くんにほとんど没収されたばい…

彰人

どんだけ持ってこようとしてたんだよ

彰人

まずテントの設営からか。どの辺に張る？

冬弥

この辺りで大丈夫だと思う。拓けてるし、2つくらいなら余裕で張れるだろう。

司

BBQの用意もせにゃいかんな。分担するか。

類

じゃあ、僕と司くんでテント張るけん、2人はBBQん用意お願い。

彰人

分かりました。

彰人

……あ、

冬弥

どうした？

彰人

ヤベぇ…バーナーとか忘れたかも。

彰人

火起こせないとか1番ヤベぇよな…

冬弥

あぁ、火起こしなら大丈夫だと思う。司先輩が出来るから。

彰人

え、センパイって火起こし出来んの？？

冬弥

サバイバルごっこの時は毎回やってくれるんだ。

彰人

嘘だろ…原始人…？

彰人

てかそれ、もうごっこ遊びの域超えてるって…

冬弥

おままごとの延長みたいなものだぞ。

彰人

サバイバルが？？

類

こっちんテントは終わったばい。

司

こっちももう終わるぞ。

類

ふふ、テントなんて久しぶりやなあ。

司

無人島にテントなんか持っていかんもんな。

類

キャンプやったら…そうやなぁ…

類

登山に来た遭難者…ちゅうところかな？

司

今は冬やけん、雪山で遭難でんよかね。

類

ふふ、雪山よかね！

類

凍えてしもうて今にも意識ば失いそうになりながら彷徨い…見付けた、2つん小屋…

司

救助ば待つも、吹雪の酷うて少なくとも4日はかかる絶望的な状況…！

類

食料も水も底ば尽き、とうとういかんかと覚悟したところば…

彰人

あの……さっきから何やってんすか？

司

おぉ、救助が来たったい！

彰人

はぁ？

類

司くん…僕ら生きて帰るるたい…！！

司

あぁ、ほんなこつ良かったなぁ！類！

彰人

いや、あの……マジでなんすか？

冬弥

3月20日、14時54分遭難者発見。

彰人

冬弥？

冬弥

お二人共、よく頑張りましたね。もう大丈夫ですよ。

類

救助隊さん…！

司

来てくれてありがとうございます！

彰人

マジで何やってんすか？？

司

む、ごっこ遊びだが？

類

雪山で遭難する話ばい。

彰人

いきなり茶番始めるからビビりましたよ。

彰人

というか、冬弥の適応力高くね？

冬弥

毎回恒例だからな。

彰人

毎回こんなことしてんのか…

彰人

(本当に仲良いな、この人たち…)

彰人

茶番もいいですけど、そろそろBBQの用意始めますよ。

冬弥

火を付ける道具がないので、司先輩お願いしてもいいですか？

司

おお、火起こしか！任せろ！

類

じゃあ良さげな木とか拾うてくるね。

彰人

あっ！この肉しかない串作ったのってもしかして…

類

僕やなあ

司

こら！贅沢しなすな！

冬弥

彰人、焼けたぞ。食べてくれ。

彰人

おー、サンキュ

司

ほら、類にも焼いてやったったい。

類

ふふ、ありがとう。お肉だけ戴くね。

司

それじゃ意味無かろう！

類

ふふ、美味かねぇ〜

司

全く…また頬に付いとるぞ。しょんなかやつばい。

彰人

(親子…)

冬弥

彰人もついてる。

彰人

えっ、マジで？どこ…

冬弥

ここだ。可愛いな、彰人。

彰人

はっ？！おま、その"可愛い"禁止！

冬弥

善処しよう。

彰人

善処って…それ、しない奴のセリフだろ！

彰人

ったく…お前、この間「可愛い」って言ったこと根に持ってんだろ…

冬弥

ふふ、さぁ？彰人が可愛いのは事実だからな。

彰人

悪かったってば

夜

焚き火

司

炎ん揺らぎとは、やはり心落ち着くもんばい。

類

そうやなあ

冬弥

彰人のテストも無事に250点取れて良かった。

彰人

げ、今テストの話はナシだろ…

冬弥

ふふ、すまない。

冬弥

…こうしてみんなでキャンプが出来て、本当に嬉しい。

類

ふふ、そうやね。

彰人

(にしても、キャンプかぁ…)

彰人

……あ、思い出した。オレら、昔キャンプしようとした事あるよな。

冬弥

！

彰人

小…3辺りだったか？2人で小さいテントだけ持って、山に入ってさ。

彰人

けど、入るなりすぐに迷うし、テントだと思ってた袋の中身がただのレジャーシートで…トラブル続きで、結局何も出来ずに終わったよな。

冬弥

あ、あぁ！覚えてるのか！

彰人

おう、今思い出した。

司

小学生でキャンプか…中々チャレンジャーやったんやな。

彰人

ま、基本はオレがやりたいって言い出して、計画とか立ててくれたのは冬弥だったんですけど。

冬弥

いや…計画と言っても、今思えば穴だらけのものばかりだったな。

類

小学生やもんねぇ

彰人

でも、たしかにチャレンジャーだったかもしれませんね。やりたいことあれば、何でもすぐ冬弥と実行しようとしてましたから。

冬弥

彰人がいつも面白そうなことを見付けてきては、「これやろう！」って誘ってくれていたんです。

司

よか思い出やなぁ。

彰人

センパイ達はそういうの無いですか？

類

そうやねぇ、僕らは…

類

あぁ、1度北極に行こうとした事があったなぁ。

彰人

北極に？！？

司

あぁ、船でな。あったなぁ

冬弥

し、しかも船なんですね…

彰人

何で北極なんすか…？

類

ふふ、サンタさんに会いとうてね。

司

あれは小学2年生くらいんクリスマスやった。プレゼントばくれたサンタさんに、類とお礼ばしぎゃ行こうってなったんや。

彰人

(しかも理由が可愛い…)

類

自力で船作って、防寒対策と食料なんかも用意して、いざ海へ…て思うたんやけど、

司

流石に異変に気付いた母さん達に止められたなぁ。

冬弥

まぁ…危ないですもんね…

彰人

しかし、やろうとするスケールがデカイな…北極か…

類

ふふっ、あん頃は知識も浅かったったい。

司

今思うと、たいぎゃ無茶ばいなぁ。

彰人

センパイ達もチャレンジャーじゃないですか。

類

そうやねぇ。2人なら、何でん出来るて思うとったけんね。

司

そら今もさほど変わらんやろう。

類

ふふ…

パチパチ…

彰人

…そろそろ、火消えそうですね。

冬弥

ああ、そろそろ片付けないとな。

司

後処理はオレたちがやっとくけん、2人は先に寝とってよかぞ。

彰人

えっ、いや手伝いますよ。

類

火は危なかけんね。僕らがやっとくばい。

冬弥

任せきりになってすみません、

司

よかよか！2人とも疲れとろう。ゆたーっと休め。

彰人

すみません、ありがとうございます。

類

夜更かしも程々にね。おやすみ。

冬弥

はい、おやすみなさい。

テント内

彰人

そういえば、冬弥と寝るのって小学生以来か。

冬弥

そうだな。

彰人

昔はよく互いの家泊まりに行ったりしてたもんな。

冬弥

あぁ…懐かしいな。

冬弥

偶に…天気が荒れて、雷が鳴る時があっただろう。

彰人

あー、あったな。冬弥がめちゃくちゃ怖がってたんだっけ。

冬弥

あぁ、音が大きくてとても怖かった。

冬弥

でも、いつも彰人が「オレがいるから大丈夫」って言ってくれた。…彰人も震えていたのに。

彰人

べ、別に雷に震えてたわけじゃねーぞ。多分。

冬弥

ふふ、そうか。

冬弥

本当に…彰人はいつも、カッコよかった。

彰人

過去形？

冬弥

今はどちらかと言うと可愛い。

彰人

あ、また言ったな？

冬弥

ふふっ

彰人

お前こそ…あんなに泣き虫で可愛かったのに、オレよりデカくなりやがって。

冬弥

泣き虫…そんなに泣いてたか？

彰人

泣いてた泣いてた。特に、小学5年生の時…

彰人

…

彰人

(そういや…あの年の冬弥、変だったな。いつも通り遊びに行った時も、部屋に篭もりきりで中々出てこなかったし。)

彰人

(やっと出てきたと思ったら、ずっと泣いてるし…)

冬弥

小学5年生…あぁ、

冬弥

あれは…彰人にすごく迷惑をかけてしまった。申し訳ないと思ってる。

彰人

い、いやいや！迷惑とかは思ってなかったけど。

彰人

まぁ…心配はしたな。お前があんな風に泣くところは初めて見たし。

冬弥

…あの時、彰人が居てくれて本当に良かった。

冬弥

彰人には助けられてばかりだな。

彰人

…

彰人

(オレの方こそ、お前がいてくれて良かった…)

彰人

(とか言えねぇわ！！何でコイツは言えるんだよ！)

冬弥

？

彰人

あ〜〜……そろそろ寝るか。

冬弥

あぁ、おやすみ。

彰人

おやすみ。

テント内

類

…司くん、司くん。

司

なんや？

類

目が冴えて寝れん。

司

羊でん数えたらどうや？

類

そらいかんばい。いつん間にか羊達がごっこ遊び始めてしまうんや。

司

そら…いかんなぁ。

司

しょんなか。暖めてやるけんこっちに来え。

類

ふふっ、ありがとう。

類

…君、ほんなこつ子供体温やなあ。

司

類は相変わらず冷たかね。

類

…ねぇ、僕ら2人なら何でん出来るって、思う？

司

なんや。また無理難題ば思い付いたか？

類

そぎゃんところばい。

司

大丈夫や。いつも2人で何とかしてきたろう。

司

1人じゃ無理でん、2人なら大丈夫や。

類

…そうやね。

翌日

川

彰人

あっ、カニだ。

類

本当や。サワガニやなあ。

司

食ぶるならやっぱり素揚げばい。

彰人

じゃ、昼飯調達しますか。

バシャッ

冬弥

これは…ニジマスだな。

彰人

嘘だろ、マジで手掴みでやった？？

冬弥

このくらいの速さなら大丈夫だ。

彰人

いや、結構速かったけど？

類

イワナもいたばい〜

彰人

デッッカ

司

こっちん方が大物たい！

彰人

え、まさかとは思いますけど、それ素手で…？

司

？もちろん。

彰人

マジすか…

類

彰人くんも魚掴み上手やったねぇ。

彰人

まぁ、やった事ありますし…冬弥も教えてくれたし。

冬弥

彰人は飲み込みが早くて器用だな。

司

これはシンプルに塩焼きでよかか？

類

そうやなあ。串も持ってきとるし。

冬弥

じゃあ俺捌きます。

司

焚き火ん用意もせんばね。

類

じゃあ、僕が石ん囲い作っとくけん、司くんと彰人くんで燃えそうなもん集めてきてくるる？

彰人

分かりました。

司

良さげのが無かねぇ

彰人

こっちの方あんまり落ちてませんね。

司

まちっと向こう行ってみるか。

彰人

そうですね。

彰人

…

彰人

(あの嘘のこと…聞くなら今がチャンスか、)

彰人

(正直…別に、聞かなくてもいいんじゃないかとも思うけど、)

彰人

(でもやっぱモヤモヤすんだよな…センパイが嘘つくなんて、きっと理由があるんだろうし。)

彰人

(でも、オレが関与していい問題なのか…)

司

なんか悩み事か？

彰人

！

司

さっきから静かじゃなかか。

彰人

あー、えっと…

司

遠慮せんちゃよかぞ。相談なら乗るばい。

彰人

……司センパイのことなんですけど、

司

む、オレの？

彰人

その…もしかして、嘘とか、つきました？

司

！

彰人

(これではぐらかされたり、否定されれば、深追いしなきゃいい。)

司

…そうか。やっぱりバレるか。

司

ほんなこつすまんな…彰人。オレは最低なんや。

彰人

てことは…

司

あぁ、すらごつ言うた。

彰人

(すらごつはたしか、「嘘」…)

彰人

その…何でって、聞いていいんですか？

司

…そうやなぁ

司

咲希が…東京に行きたかって言うったい。

彰人

…言ってましたね。

司

咲希は今まで、いっぱい我慢してきた。やけん、咲希んやりたかことは全部叶えてやりたい。応援してやりたいて思うとった。

司

…正直、まだそら漠然としとって、先ん事やて思うとったんや。

司

ばってん、彰人が来て…都会がより身近になった。

司

正直焦った。本当は…咲希には、彰人にも会わせたくなかった。

彰人

…

司

すまん…彰人の事が嫌いとかやなかと。

彰人

大丈夫です、分かってます。

司

…寂しいんや。別れが来っとが。

司

もちろん今生ん別れやなかとは分かいよる。ばってん、簡単には会えんくなってしまう。

司

それが…そん別れが来っとが、えずかばい。

彰人

…

司

やけん、最低なすらごつ言うた。

司

そぎゃんと…一時ん凌ぎでしかなか上に、咲希ば悲しませてしまうだけなんに。

司

ほんなこつ…すまんなぁ…

彰人

(…そうか、だから…)

彰人

…遊園地の帰りに謝ってたのも、咲希さんにですか？

司

！

司

起きとったんか…

彰人

すみません、途中で起きました。

司

…そうや。咲希には最低なすらごつ言うた癖に、自分ばっかりが楽しんでしもうたけん。

司

最低や…ほんなこつ、最低や…

「……彰人は、都会に帰るとやろう？」

彰人

(この人は…やっぱり、離れ離れになるのが嫌なんだな。)

彰人

(そんなの、みんなそうだと思うけど…)

司

…類以外に話したんは初めてや。

彰人

あっ…やっぱり、類センパイには言ってるんですね。

司

あぁ。類は分かってくるるけんな。

司

まぁ、冬弥は何とのう察してくれてそうだが…

彰人

…センパイは東京、行かないんですか？

司

…それも考えた。

司

ばってん…ここから離れがとうてな。中々決断でけんのや。

彰人

(そりゃ…そうか。生まれ育った大事な故郷だもんな。)

司

…でも今は、咲希が遠くに行ってしまうんは嫌やけど…ちゃんと応援しようて思うとる。

司

オレには類がおるけんな。1人じゃなか。

彰人

…そうですか。

彰人

冬弥はどうか知りませんけど、一応まだオレたちもいますからね。

彰人

オレは東京に帰るとか、まだ考えてませんし。

司

…そうばい、彰人たちもおるな！

司

…また、咲希にも謝らにゃな。

彰人

…ですね。

司

お、こん辺りん枝は丁度よかね。

彰人

結構待たせてますし、早いとこ集めて持っていきますか。

司

そうやな。

YOLO!!

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201

2件

やっと司の口から聞けたーーー！！！！そうだもんな、司って家族だったり友達だったり、みんなのこと大好きだもんな……ずっと田舎で暮らしてるから、咲希がいきなり自分の知らない都会に行くなんてより寂しいだろうしそして今回はいつも以上にワンツーが夫婦していてバドドがイチャイチャしていた…………（眼福）

あかまる🍓🐾໊

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