テラーノベル
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病室の静けさに、時折モニターの電子音が響く。
愁斗はベッドの上で目を閉じているが、その体は時折小刻みに震えていた。
幸輝はずっと隣に座り、愁斗の手をそっと握りしめている。
幸輝
愁斗は幸輝の手をそっと握り返した
すると突然、
愁斗の身体が強く震え始めた。
愁斗
幸輝
幸輝
愁斗の体がガクガクと痙攣し、目は虚ろに揺れている。
幸輝
すぐに医師と看護師が駆けつけ、処置が始まる。
医師
医師
幸輝
処置室での必死の治療の間、幸輝の胸は引き裂かれるようだった。
大切な愁斗が、自分の前で苦しんでいる。
数十分後、処置が終わり医師が来る
医師
幸輝
幸輝
病室に戻ると、幸輝は再び愁斗の手を握った。
幸輝
愁斗
幸輝
幸輝
幸輝
愁斗
幸輝
しかし、その命は、いつも不安に揺れていた。
幸輝は心の中で誓う。
俺が守る。
絶対に守るから。
何があっても、しゅーとを一人にしない
ついに治療が始まった
病室の窓から差し込む淡い朝日が、愁斗の顔をそっと照らしていた。
体は弱々しく、髪は少しずつ抜け始めていた。
彼の身体の中では、脳腫瘍と戦う日々が静かに、そして厳しく進んでいた。
幸輝
隣の椅子に座る幸輝は、優しく声をかける。
愁斗は微かにうなずいたが、目には疲労の色が濃く浮かんでいた
治療は辛く、時に過酷だった。
毎日のように続く検査、点滴、放射線治療の影響で吐き気が止まらず、体力は削られていく。
けれども愁斗の心は折れなかった。
愁斗
小さな声で、けれど強い決意がこもっていた。
幸輝は愁斗の手を握り返す。
幸輝
二人の約束が、病室に暖かな光を灯していた。
闘病の日々は孤独との戦いでもあった。
時には気持ちが沈み、涙がこぼれる夜もあった。
愁斗
そう呟きながら、愁斗は天井を見つめた
しかし幸輝はそんな愁斗を包み込み、励まし続けた。
幸輝
時間が過ぎ、愁斗の身体には少しずつ変化が訪れた。
腫瘍の大きさが縮み、検査の数値が改善していく。
医師からも
「良い方向に向かっています」
との言葉が届いた。
だが、完全な寛解まではまだ遠かった。
体力は戻らず、学校に通えない日々が続く
それでも愁斗の心は揺るがなかった。
愁斗
幸輝も変わらず隣にいて、二人の絆は日に日に深まっていった。