奏太を利用して葵と喋りながら帰った翌日、 学校へ行くと
奏太
翔!どういうことだよ
奏太
なんで昨日お前が葵と帰っているんだよ。
翔
なんでって、悩み相談だよ。
奏太
嘘つけ、昨日お前らを見た友達が言ってたんだよ。時々葵が泣いてたって
奏太
悩み相談だけで泣くことあるか
翔
本当に悩み相談だって
俺はなんとかごまかそうと思った。
でもそれは叶わなかった。
奏太
どうせこの前俺が葵に告ったことを相談されたんだろ。
葵
それ以上争わないで
教室の影で見守っていた葵が声を荒げた。
葵
昨日帰ってから散々考えたけど
言うね。
言うね。
奏太
何を?
葵
返事を!
葵
ごめんなさい。
奏太
そうか
奏太はそのまま俯いて教室を出て行った。 その日の午後練は来なかった。
翔
あれで良かったのか葵?
葵
うん
葵
心配してくれてありがとう。
葵は悩みがなくなったせいかその声は明るかった。
葵
さ、練習始めよ。
翔
おう
葵
今度大会もあるしね。
翔
それまでに奏太立ち直るかな?
葵
大丈夫だよ
葵
奏太はそんなのでへこたれないよ。
葵
そうでしょ?
翔
だな
俺と同じ人を好きである奏太は俺からしてみれば敵でしか無かった。
だがそんな奏太のことを心の片隅でで心配している自分がいた。