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日本と江戸の話の後 岬へ向かう足音があった
日本は一人 膝を抱え込んでいた
頭の中がいっぱいで
何を考えれば良いのかも分からなくて
ただ、呼吸だけが苦しい
そこへー
場違いなほど軽快な足音が聞こえる
??
??
??
いつものチャラい声
いつもの軽い調子
振り向くと
案の定、アメリカが立っていた
日本
日本がそう聞くと
アメリカは一瞬言葉に詰まった
だが、すぐにぶっきらぼうに言う
アメリカ
アメリカ
その瞬間、日本の胸が
ぎゅっと締め付けられる
日本
それだけで充分だった
アメリカは迷いなく日本の前にきて
目線を合わせて、はっきり言った
アメリカ
日本
アメリカ
アメリカ
アメリカ
一人でやるな
あまりにもストレートな言葉に
日本は一瞬、言葉を失う
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカは目線を逸らして続ける
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
その言葉で
日本の中で張り詰めていたものが
ふっと緩んだ
日本
日本がそういうと
アメリカは真剣に答えた
アメリカ
アメリカ
日本はしばらく必死に耐えていた
目を伏せたまま、唇を噛んで
「大丈夫」という顔をしようとしたが
ほんの一瞬
アメリカの真っ直ぐな視線とぶつかり
張り詰めていたものが
ぷつん
と切れてしまった
日本
声にならない息が漏れ
次の瞬間
ぽろっ
と涙が落ちる
止めようとしても止められない
声が小さく震え
静かに
でも泣いてしまう
アメリカは何も言わない
励ましも
無理に前を向かせようともしない
ただ、ゆっくりと一歩だけ近づき
そっと日本の背中に手を置く
何も言わず
ただ静かに背中をさする
日本
言葉ないのに
一定のリズムで
"ここにいる"ということだけ
はっきりと伝わる
日本はその温もりに
涙をこぼしながら
小さく呟く
日本
日本
それに答えるように
少しだけ手の力が強まり
変わらないリズムで背中をさする
ーそれだけで充分だった
泣いてもいい場所がある
何も言わなくていい時間がある
隣で黙ってくれる誰がいる
それだけで