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日本は泣き疲れ いつのまにかアメリカの腕の中で 寝てしまった
規則正しい、小さな呼吸 涙の後が、まだ頬に残っている
アメリカはそれを見て 一瞬だけ困ったように笑ってから 何も言わずに日本を抱え直す
アメリカ
アメリカ
それが体重のことなのか 背負っているものの話なのか 分からないまま 静かに江戸の家へ向かう
インターホンを鳴らす
ガチャッ
扉を開けた江戸は 何も言わずにただ頷く
アメリカは 日本を丁寧に布団に寝かせ 掛け布団をそっと整える
日本は少しだけ身じろぎをして 眠ったまま、小さく呟く
日本
その声に 江戸とアメリカの空気が 同時に少しだけ揺れる
日本が完全に眠ったのを確認してから アメリカは静かに立ち上がり 江戸の隣に座る
やがて、アメリカが低い声で口を開く
アメリカ
アメリカ
江戸はすぐには答えない ただ、時間を置いて 静かに言う
江戸
江戸
江戸
アメリカ
江戸
江戸の言葉に アメリカは何も言い返せなくなる
そのまま、アメリカは立ち上がり 日本の"兄"の仏壇の前に進む しばらく黙り それから、ゆっくりと手を添える
アメリカ
声は軽く言っているのに対し 目だけは真剣で
アメリカ
アメリカ
一瞬だけ、唇を噛む それからいつもの調子で わざと軽く言う
アメリカ
立ち上がって振り返り いつものチャラい笑顔を江戸に向ける
アメリカ
アメリカ
そう言って、玄関へ向かう 誰も見ていないと思った その瞬間 頬を一筋の小さなものが伝う
すぐに拭って 何事も無かったように扉を開ける 夕日がアメリカを照らした
部屋には 静かに眠る日本と 静かに見送る江戸と 仏壇の前に残る温度が残った