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月島

大丈夫か。

食後の片付けもほどほどに、睡魔に勝てずに机に突っ伏していると、声をかけられた。

◯◯

月島先輩っ…!!

髪を整え、火照った顔を両手で冷ます。

月島

驚かせて悪い、具合が悪いんじゃないかと思って。

◯◯

いえ、ただの寝不足です。
日差しが、気持ちよかったんでつい。

月島

確かにこの陽気、眠気をさそうな。

先輩はあくびを噛み殺して、ランチを食べはじめる。

月島

残業につきあってもらって悪いな。でもそれも今日で終わりだ。

◯◯

いえ。先輩の隣で仕事させてもらってとてもいい勉強になりました。
午後のプレゼン、うまくいくといいですね。

月島

そうだな。◯◯がいるからうまくいくさ。

◯◯

が、がんばります。

月島

そう気を張らなくてもいい。いつも通りの◯◯でいけ、何かあったらフォローするから。

◯◯

分かりました。

月島先輩は、初めはちょっと怖いイメージがあったけど、プロジェクトを進めていくうちにそうじゃないってことが分かった。

上からも下からも信頼の厚い人。 そして、時折みせるギャップに思わずキュンとしてしまう。

月島

◯◯。◯…。

◯◯

はい…!?

月島

まだ眠いのか…??

◯◯

いえ、あのまぁ、眠いですけど大丈夫です!!
どうかしましまたか…??

月島

今日の夜空いてるか。

◯◯

はい。空いてます。

月島

飯、行かないか。

◯◯

いいですね!!ぱーっとお疲れさま会しましょう!!
先輩から誘ってくれるなんて嬉しいです。

月島

決まりだな。

先輩は最後の一口を食べ終えた。

月島

行くか。

優しい顔で言う。めったに表情を変えない先輩の、この顔が私は好きだ。

◯◯

はい。

笑顔で返事を返すと、先輩は照れくさそうに目を反らす。

◯◯

(そういえば、先輩からみたいつも通りの私ってどんなだろう…。今日の夜聞いてみよ。)

地球と月の距離のように遠かった先輩との距離が、ゼロ距離になるまであと少し。

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