メル
はぁぁあ!!
カルマ
いい太刀筋だ
カルマ
速攻で倒すという言葉には偽りはないようで結構と言ったところ
カルマ
しかし私にその刃が届かねば事は始まらない
メル
まだだぁぁ!
カルマ
!
カルマ
(追撃するには不利な体勢からでも無理やりに追撃するつもりか!?)
メル
っらぁぁぁ!!
カルマ
カルマ
くっ!
メル
ようやく剣で私の攻撃を防いだわね
カルマ
さすがにその一撃は避けられないですし
カルマ
『闇ガ遍ク手』では防ぎきれないのは明白でしたから
カルマ
とは言え私に剣を抜かせたんです
カルマ
死ぬ覚悟はよろしいですか?
メル
くたばるのは私じゃなくてアンタだ
メル
『剣技 フォームチェンジ【蒼炎】』
カルマ
(刀身に纏う炎が蒼に変わった?)
メル
ギアを少し上げる
カルマ
カルマ
!
カルマ
(目の前から消えた!?)
メル
どこ見てるの?
カルマ
後ろか!
間一髪の所でメルの刃を躱し距離を置くために蹴りを一撃食らわせるも防がれる
メル
いい反応速度
メル
私も久しぶりにゾクゾクしてきた
メル
まだあなたで遊べそう
カルマ
全く……
カルマ
あなた本当に人なんですか?
カルマ
恐ろしいほどの加速に魔物を圧倒する力
カルマ
人とはここまで可能性の塊だとは…
メル
魔物がみな人に優位に立つことができると思ったら大間違いね
カルマ
このままでは確かに有言実行されそうなので
カルマ
私もここからは守りの体制ではなく
カルマ
攻めの体制に切り替えさせてもらいます
メル
見せてよ?
メル
あんたのその攻めの体制ってやつ
カルマ
ではご期待に応えましょう
カルマ
闇の魔力を多く吸った私の愛剣『冥府ノ刃』
鞘から抜きでたその剣は突如黒いオーラを放ち威圧感が生まれた
メル
(あの剣……)
メル
(闇の魔力を吸っただけの剣なの?)
メル
(妙に感じるこの威圧感は魔力量ではなく)
メル
(人を憎む時に生まれるあの鋭い眼光のような……)
カルマ
お気づきになられましたか?
カルマ
この『冥府ノ刃』は闇の魔力を吸ったとお話しましたが
カルマ
それは表向きの話
カルマ
本当は闇の魔力ではなく憎しみを吸い尽くした呪われた剣の一つです
カルマ
相手を憎めば憎むほどこの剣の威力は上がっていきますよ?
カルマ
それこそあなたが持つその大剣を凌駕するほどにね
メル
なら、威力が上がる前にお前を……
カルマ
カルマ
常に回答が一つなのはやはり戦闘狂の性なんですかね?
メル
(み、見えなかった…)
メル
(たった一度の瞬きの瞬間に距離を詰められて首に刃を当てられるなんて)
カルマ
まだカンが鈍ってるようで
カルマ
コレならば私が全力を出さなくともいけそうですね
メル
くっ!
メル
まだここで決着はつけさせない
メル
メル
『光雷虫』
カルマ
な!?
大剣で隠した左手から突如放たれた小さな虫が破裂し眩い光を放つ
カルマ
目眩しか!
カルマ
小癪な手を使いますね…
徐々に視界が良好になって辺りを確認するがメルは見えなくなっていた
カルマ
彼女は一体どこへ……
哲人
哲人
助かったメルさん!
メル
感謝は後で沢山聞いてあげる
メル
アンタは後ろに下がって雑魚処理頼むわ
哲人
あぁ!
哲人
今の俺じゃあいつに勝てそうにないからな
哲人
代わりにボコボコにしてやってくれよ?
メル
もちろんそのつもり
メル
だから安心してウル達の援護に行きな
カルマ
カルマ
(なるほど…)
カルマ
(目眩しは逃げるために使ったと言うよりは)
カルマ
(彼を解放するために使ったということか)
メル
これで後ろを気にする必要はなくなった
カルマ
そのようですね
メル
ここまですれば私もギアを少しずつ上げれそう
カルマ
やはりまだ上があるな
メル
最後までやり合うなら結構上げないと何も出来ないけど
メル
どうせあんた最後までやり合う気はないんでしょ?
カルマ
ほぉ?
カルマ
その理由は?
メル
なんとなくだね
カルマ
ま、ここでは正解は伏せておこう
カルマ
その真相を知りたいのならしっかりやり合ってもらわないと
カルマ
憶測で物を言うのは良くないからね
メル
そうね
メル
じゃあ意地でも答えてもらうから
カルマ
冥府ノ刃に勝てるか?
メル
勝つに決まってるでしょ
カルマ
ではまずはコレを受けきれるかだな
素早い太刀筋によって生み出された真空刃は束になってメルを襲う
メル
そんなものじゃ私の剣を止めれない!
横薙ぎの真空刃を縦振りで相殺させ、その勢いのまま刺突の構えをとる
メル
その体にどデカい風穴ぶち上げてあげる
カルマ
やはり真空刃程度では止まりませんか
カルマ
しかしまぁ…
カルマ
刺突の構えは悪手かもしれませんね
カルマ
カルマ
憎しみに飢えた蛇に呑まれるといい
真空刃を飛ばす時と同じように素早く剣を振るうが先程と違い
真空刃は飛ばさず黒いドロっとした何かが生まれメルに襲いかかる
カルマ
刺突の構えを解くといい
メル
無駄よ!
メル
燃えろ!私の大剣!!
その掛け声とともに刀身が青白い炎で包まれていき襲い来る黒蛇を蒸発させる
メル
さぁ!その鎧を貫き通す!
カルマ
カルマ
準備は整った
メル
くたばれぇぇぇ!
カルマ
『次元障壁』
メル
なっ!?
カルマ
残念ながらその刃は私に届かないね
メル
空間を削って私の刃を避けた……
カルマ
戦乙女の名はその程度か
メル
まだ、まだ私の力はこんなもんじゃ……
カルマ
ひとつ言い忘れてましたけどこの次元障壁…
カルマ
受けた衝撃を跳ね返せることも可能でして
メル
!
カルマ
吹き飛ぶのはあなただ
亀裂から先程カルマに与えるはずだった蒼炎が溢れ出てメルを飲み飲んでいく
メル
きゃぁぁぁぁぁ!!?
カルマ
自身の炎に包まれてくたばるといい