この作品はいかがでしたか?
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コメント
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面白かったです!私もちょっと似てる小説を書きたいのですが……いいですかね?
俺はまたしても、不運な当たりを引いてしまったのだ
それはまだ寒さの厳しい二月のことだった
学校の帰り道、自転車を漕いでいた
じゃぱぱ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
突然激しい動悸に襲われ、呼吸困難に陥った
自転車を降りてうずくまっているところに、
犬の散歩をしていたおばさんが偶然通りかかった
おばさん
おばさんの犬
おばさんに背中をさすられ、犬に吠えられていると、
いつの間にか周りに人がたくさん集まってきた
MOB
MOB
じゃぱぱ
と俺は手でそれらを制し、
なんとか起き上がって自転車を引き、その場を離れる
じゃぱぱ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
近くの公園のベンチでしばらく休むと落ち着いたが、
こんなことは初めての経験だったので
親に報告し、念のため病院に連れて行ってもらった
じゃぱぱ
それは約半年前、
祖母が癌を患い、余命宣告をされた時に俺が両親に告げた言葉だった
両親が祖母に余命について言おうか迷っているときに俺が言い放ったのだ
その時は絶対に言ったほうがいいだろうと思っていた
しかし、後になって“後悔”した
聞かなければよかった
知らない方がよかった
今更後悔しても
あとの祭りだった
じゃぱぱのお母さん
じゃぱぱ
両親はなんの躊躇いもなく俺を検査室に呼び、
菊池先生
菊池先生
じゃぱぱ
最初は意味がわからなかった
“余命一年”
それが俺に向けられた言葉だと気づくのに しばらく時間がかかった
余命一年とはいえ、
一年以上生きられるケースもあれば、
その前にタヒんでしまうケースもあると
担当医の菊池先生から聞いた
つまり、
今の俺はいつタヒんでもおかしくないのだ
じゃぱぱのお母さん
じゃぱぱ
俺の病気を知っているのは
父さんと母さんだけだ
この春から中学生になった
妹には言っていない
ガチャ
じゃぱぱ
じゃぱぱの妹
じゃぱぱ
じゃぱぱ
じゃぱぱの妹
家ではなるべくいつもどおりを装う
両親は俺に気を遣って小遣いを多めにくれたり、
どこか行きたいところはないかと聞いてきたりする
「別にないよ」と俺は素っ気なく答える
普段どおりの生活ができればそれでよかった
妹の勉強を見終わり、
パソコンを開く
『楽にタヒねる方法』
最近はそんなことばかり検索している
そういっても、俺には自らタヒぬ勇気がない
じゃぱぱ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ふいにひとりの少女の顔が頭に思い浮かび、 俺は手を止めた
病院の通路で邂逅した、あの少女だ
彼女も今頃、ひとり寂しく絵を描いているのだろうか
じゃぱぱ
じゃぱぱ
今日も俺はバスに乗って学校へ向かった
次、止まります
バスが止まってから席をお立ちください
じゃぱぱ
シヴァ
るな
じゃぱぱ
るな
休み時間、るなが俺のノートを覗き込んで言った
るな
じゃぱぱ
じゃぱぱ
るな
るな
じゃぱぱ
じゃぱぱ
るな
じゃぱぱ
そうとは言えず、会話は終了した
そんなこんなで、今日も何事もなく平和に過ぎていった
俺に残された時間は、あとどのくらいあるのだろうか
その日が来るまで、ただ時間が流れるのをじっと待つことしかできないのだ
今日は病院に検査をしに行く予定だったので、
俺は学校が終わってすぐに出て、バスに乗った
シヴァ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
看護師さん
じゃぱぱ
いつもと同じような検査を受け、
また待合室の椅子に座って待っていた
のあ
俺の目の前を通りかかった少女にふと目を奪われた
艶やかなピンク色の髪、
顔色は決していいとは言えないが整った顔立ち、
鉛筆のように細い体
薄いピンク色のパジャマを着た少女は、
あの日と同じようにスケッチブックを片手に
俺の目の前を通り過ぎていった
俺は彼女のあとを追った
四階の談話室
そこに彼女はいた
一生懸命絵を描いていた
俺に気づく様子はなく、ひたすら鉛筆を動かしている
このまま帰ろうか、
それとも声をかけてみようか
俺は意を決して彼女に歩み寄り、口を開いた
じゃぱぱ
掠れた声が出た
俺の声に彼女は振り向かない
じゃぱぱ
のあ
彼女は首だけで振り向き、
その大きな目を瞬かせて不思議そうに俺をみる
同じぐらいの年齢かと思っていたが、年下だろうか
上目遣いで俺を見るその表情は、どこか幼さを感じさせた