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眠れる森の美女

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眠れる森の美女

1 - 眠れる森の美女

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2018年09月25日

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王子は茨を剣で薙ぎ払いながら、道を進んでいた。

この森の奥深くには、立派なお城があり、そこには百年の眠りの呪いをかけられた、美しい姫が眠っているというのだ。

王子は婚期を焦っていた。

いい年になり、頭髪も薄くなり、おまけに不摂生の所為か、体も豚のように太っていた。

隣国の姫とも、お見合いをしてみても、やんわり断られる始末。

その上、この王子と来たら、極端な面食いである。

町の娘に恋をして、告白するも、見事に玉砕ばかり。

一度は王室の財産目当ての女と結婚するも、その女は王子との営みを拒み、世継ぎを残すことなく離婚。

王子は、この森の奥深くで眠る美しい姫の噂を聞きつけ、こうしてはるばるやってきたのだ。

何でも、今年が百年の呪いから覚める年であるということで、各地から王子がこの森じ集まっていた。

その1人がこの王子だ。

まだ誰1人姫を見つけた者は、いないという。姫は、噂によると、百年の呪いを解くべく、キスをした王子と結ばれるというのだ。

こんなチャンスを逃してはならない。

王子は、鍛冶屋に特別に鍛えさせた、よく切れる特製の剣を携えて森へと進んだ。

王子

待ってろ、姫。姫の唇を奪うのはこの僕だ。

そして、ついに王子は見つけた。

王子

やったぞ!見つけた!これが眠れる森の美女のすんでいるお城だ。

茨の絡んだ重い鉄の扉を切り付けると火花がちり、茨はとけ、簡単に開いた。

広い城の最上階に姫は眠っていた。

王子は鼻の穴を膨らませた。

王子

なんて美しい姫なんだ。

王子は、姫に近づくと、その小さな花のような唇にキスをした。

そのとたん、姫は目を覚ました。

王子

よし、やったぞ!これで姫は僕のもの。

姫はさらにカッと目を見開くと、王子の唇を自分の唇の中に吸い込んだ。

王子

えっ?何?

それが王子の最後の記憶だった。

ずるずると王子は姫の中に取り込まれていく。

最後に王子の足がスポンと姫の口に収まると、ごくりと喉を鳴らした。

げふっ。

大袈裟にゲップをすると、姫はペロリと舌舐めずりをすると再び眠りに落ちた。

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