ばかだよなぁ、俺。
彼女がいるからって泣いてる大事な友達を見て見ぬふりして。
あそこで声かけてたらどう変わっただろう。
前みたいにまた陽気に話しかけてくれたかな。
飯いこ、って誘ってくれたかな。
あの笑顔でふざけて、笑いかけてくれたかな。
ふっかが何で泣いてるかなんて知らない。
だけど、友達の俺はあそこで話しかけて慰めるべきだった。
彼女がいるから、とか気にせずに。
照
ため息なんてもうつきすぎて出てこない。
ソファーに寝っ転がってただ静かな部屋に俺の呼吸が響き渡る。
明日、どう接すればいいんだろ。
頭の中がふっかでいっぱいだった時、俺の手に握られたスマホがブーッ、と震えた。
彼女からのメッセージだった。
〇〇
〇〇
〇〇
照
メッセージからして焦った様子の彼女。
文字を打つ気力もないけど、彼女にはこのことは関係ないから体を起こして文字を打つ。
〇〇
照
〇〇
照
照
〇〇
〇〇
照
〇〇
照
心臓のバクバクが止まらない。
息も上がって、手が震えてる。
頼む、ふっか。
俺が悪かったから、どこにも行かないで...。
せめて、公園にいて...?
俺は俺を落ち着かせて車を走らせた。
俺がまず車を停めたのは公園。
ふっかが泣いてた場所。
急いで車を降りて、ふっかが座ってたベンチに向かって走る。
ぽつん、と立つ街灯の下に...。
照
雨が降ったのか地面が濡れて走りにくい。
きっと、ふっかも濡れてるだろう。
照
思った通り、スーツ姿でびしょ濡れのふっか。
照
照
辰哉
冷たいふっかを毛布で包んで持ち上げる。
こいつ、こんな軽かったっけ?
まぁいい、今はふっかが見つかって良かった...。
帰って、風呂に入らせよう。
照
辰哉
俺はふっかを風呂場に連れて行ってからリビングに戻ってきた。
あんな、ふっかが元気なかったこと今までになかった。
10何年も一緒にいるけど初めて見た、あんなに弱ってるふっかを。
もしかすると俺が原因かも。
なんでかは分からないけど避けられて飯も断られた。
俺が何かしちゃったのかも。
また照に迷惑かけた。
もしかしたら彼女さんにも。
俺ってただのおじゃま虫だよな。
人のカップルの間に入って迷惑かけて。
ごめんな、照。
俺もう1人だってわかったのに。
迷惑かけない、って決めたのに。
辰哉
でもね、照?
俺、本当に...。
コメント
3件
「こんなに軽かったっけ?」のとこまじ好きです!
心配して必死に探すひーくんがかっこよかったですε-(´∀`*)ホッあと見やすくて続きが楽しみです。(*^^*)応援してます。