武永
さて、番組を始める前に、いくつか俺から話をさせていただこう。

武永
まず、こいつ。

武永
K崎についてだ。

神崎
K崎って……。

武永
そう言ったほうが、パネラーの皆さんには馴染みが深いだろ?

神崎
そ、そんなことを言われても。

そこには、これまで見せたことのない表情を見せるか武永がいた。
正義感が強くて、しかしどこかマイペースで、周囲のことを気にせずに事件に取組む先輩刑事。
武永
こいつは、事故によって大事な記憶をごっそりなくしてしまっている。

武永
だから、俺はこいつに自分のしたことを思い知らせてやろうと考えたんだ。

武永
いくつもの事件を金で隠蔽してきたこと。

武永
そして……娘の事件までをも隠蔽してしまったことを。

九十九
簡単に整理させてもらうぜ。

パネラーと同じ視線で見る景色は、これまで視聴者として観ていた光景とまるで違う。
九十九
そこに座った若い刑事がK崎のモデルになった人物。

九十九
ずっと疑問だったんだよ。

九十九
これまで出題された事件は、どれも未解決になるほど難しいもんじゃない。

九十九
素人の俺ですら真相が分かったんだ。

九十九
エキスパートの刑事が揃いも揃って解決できないなんてことはない。

武永
……その通りだ。この男が裏で手を回して隠蔽してたのさ。

凛
でもさぁ、警察って組織で動いてるでしょう?

凛
たった1人の刑事が隠蔽しようとしても、難しいんじゃない?

武永
そこは、人たらしの神崎だよ。

武永
こいつ、時には鑑識なんかに小遣いを握らせて、重要な証拠なんかをもみ消していやがったらしいんだよ。

長谷川
そ、そんなことが可能なのか?

武永
……まぁ、まずやったことあるやつなんて珍しいだろうからなぁ。

武永
案外、警察って組織なんてものは、裏じゃ薄汚れているのかもしれないな。

武永
反吐が出る。

茜
で、あんたの目的は?

茜
まずは主語をはっきりさせてよ。

茜がやや強めに当たるのは、武永が黒幕だと分かったからだろう。
武永
こいつに事件を思い出させるため。そして、こいつに金を渡して調子に乗らせ、娘の事件を隠蔽させるまでに暴走させた、元犯罪者を裁くためだよ。

武永
かつて、こいつが隠蔽した事件の犯人をパネラーに混ぜて、遊び感覚で犯人を暴かせる。

武永
それを見せることで、少しは何かを思い出すんじゃないかと思ったんだがな――残念ながら、こいつはさも自分が解いたかのような顔をするばかりで、まるで何も思い出しやしない。

神崎
タケさん……それって。

武永
全部本当のことだ!

武永
冗談でもなんでもない!

九十九
あんまり感情的になるなって――。

九十九
とにかく、これだけ大掛かりなことをしたのは、神崎って刑事の記憶を呼び覚ますためだったと。

武永
それだけじゃない。

武永
――娘を殺した犯人が名乗り出ると思ったんだよ。

眠夢
娘を……殺した?

武永
あぁ。

武永
こんな封鎖された空間で、日を追うごとに人が死んでいく。

武永
そんな光景を目の当たりにすれば、娘を殺した犯人を追い詰めることができると思ったんだよ。

九十九
ま、待て。ちょっと待てよ。

九十九
もしかして、この中に、あんたの娘を殺した犯人がいるとでも思ってんのか?

武永
そうだよ。

武永
もう気づいているとは思うが、今生き残っている連中は、過去に同じバスに乗り合わせている。

武永
ある者は運転手として、ある者は乗客として。

武永
そこにいるRYUSEIだって例外じゃない。

武永
あのバスに乗ってたんだよ。

九十九
……やっぱり、あの時亡くなった女のツレ。

九十九
お前だったんだな、RYUSEI。

RYUSEI
そう言うことになります。

RYUSEI
そして私は……黒幕である武永の義理の息子になる予定でした。

RYUSEI
あの事故で婚約者……武永の女を亡くさなければね。

武永
さて、ここまで言えばもうお分かりですね?

武永
娘は何者かによって殺害されました!

凛
殺害って……。

眠夢
あれって、事故じゃないの?

長谷川
交通事故を起こしたって話なら、俺が犯人ってことになるだろうけど、あれは避けようのない事故だったんだ。

武永
うるさい!

武永
娘は殺されたんだよ!

武永
この中にいる何者かの手によってな!

武永
事故だなんて認めない!

武永
それに、事故の処理の担当は神崎だぞ!

武永
ほら、これまでいくつもの事件を隠蔽してきた刑事が関わってるんだ。

武永
娘の事件も隠蔽されたに違いない!

九十九
……くそ、冷静に狂ってやがるな。

九十九
こういう相手ほど面倒な奴はいねぇぞ。

武永
それでは、最終問題と参りましょう!

武永
誰が娘を殺したのでSHOW!

RYUSEI
それでは、再現VTRです!
