「お母さん」
何度叫んだかわからない。
それでもあの人は俺を無視して家を出た。
表では、なにか肌触りのいい言葉を吐き出していたんだと思う。
「頑張ってるお母さんに失礼」
何か言うたびに、アホどもはそんなことを言って、俺に「親の心を知らないバカ息子」の役を押し付けてきた
もういやだ――……
遊ぶだけのヤツに振り回されるのはもう嫌だ。
…
……
………
全身を電気が走るのが分かる。
鋭く俺の痛覚を刺激した。
俺は、痛みの中で安堵した。
律
……
律
……
律
……!
律
(ここは、どこだ?)
律
(果てしなく青い空だ……)
律
……
律
(きれいだ)
律
(でも、おかしおぞ)
律
(俺は確かに死んだはずなのに)
律
(ここは……『あの世』……ってヤツか?)
律
(でも、俺の身体に幽霊っぽさはない)
律
(多分、血の通った肉体だ)
律
……
律
……
律
……ハハッ
律
……
律
ざまぁみろ。クソババァ







