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アランを見た拓が、 目を細めながら頭を悩ませ始める

……あ、あれやない? つっきーの誕生日会。そん時2人ともおったやろ

アラン

……あぁ、あの時のか。久しぶりだな

先に思い出したアランが、 握手のつもりか、拓に向かって 右手を差し伸べた

あぁ、はいはい。あれか、オルコットの人らにずっとくっついてた奴ね

一方の拓はその手を取ることなく、 少し馬鹿にした口調でそう言い放った

アラン

……は?

百瀬

(あれ、なんか急に雲行きが怪しくなってきた……??)

アラン

側近として側に控えるのは当たり前だろう。君はそんなことも分からないのか?

差し伸べている手はそのままに、怒りを 抑えたような声色でアランが言い返す

はっ、言うじゃねぇか。だったらさぞかしお強いんだろうな?

百瀬

ちょ、2人とも……

アラン

……生憎、今君と言い合いをしている時間はない。そろそろ行かせてもらうよ

とうとう手を引っ込めて、 拓の横を通って歩き始めたアラン

待て、こいつらに護衛を任されたのは俺だ。2番手がしゃしゃり出てくんなよ

アラン

それならこちらはノア様直々の命令で動いているんだ。悪かったな、行くぞ、2人共

百瀬

あ〜……お、おう……

えーと……せっかくだし、拓も来る……?

アラン

は??

はっ、嫌だね。んなのこっちから願い下げ……

アラン

こんな奴がいても足手まといで迷惑なだけだろう

拓が何か言い終える前に、 アランが口を挟んだ

はぁ!? もう一回言ってみろ、俺が何だって??

アラン

品性の欠ける雑魚

んなことは言ってなかったろテメェ!!

百瀬

ちょっ、アラン……??

あ、あっはは〜……まぁ、人は多い方がええし……?

かなり苦しそうな笑いを浮かべながら、 どうにか折衷案を出そうとする96猫さん

百瀬

(この2人、まさかこんなに相性が悪かったとは……)

いや、これはもう一周回って “良い”とも言える気がするけど

えぇと……よしなるせちゃん、“感情操作(コントロール)”やっ!

百瀬

格上相手には効かないんですって! この2人魔法界最強と上位使いだし……!

百瀬

……って、だから俺はポ○モンじゃねぇっ!!

 

 

 

──馬渡島 塩谷ノ浦

影山総代、BoE代表……たしかにそうだな。アタシは今、この家と組織のトップの人間だ。

……だが、お前も知ってはいると思うが、これは元々アタシのもんじゃなかった。

今のアタシの立場は、元は全部現(あり)姉さんが継ぐはずだったもの。

ここに立つのは、本来アタシであるべきじゃなかったんだよ

……つまり、その“亡き姉さん”の意思を継いで、こうして計画を続けてるって言いたいの?

──馬っ鹿みたい。末さん、それ本気で言ってる?

っ……!?

そんなの、ただのあなたの妄執でしかない。

“姉さんが継ぐはずだった”? “本来アタシであるべきじゃない”?

末さん、さっき“姉さんの何が分かる”って言ったけど……分かってないのはそっちだよ。

そのセリフ、そっくりそのまま返してあげる

っだから、テメェに何が──

知ってるんだよ、私は。

……だって全部、本人に聞いたんだから

 

今から3年前……ちょうど現さんとその旦那さんの事故があった年の夏頃。

あの時現さんは、旦那さんと子ども2人を連れて、うちに遊びに来てくれたの。

私が島から出られないことを知っていて、少しでも気晴らしになるようにって……子ども思いな優しい人だった。

ただ、当時現さんは総代の座を継ぐ前。立場上の問題もあって、あの日は私に会う最後のチャンスだったんだと思う。

それで、その時聞いたの

──家を継いだら、影山家のこれまでを、全てを手放そうと思うの。

──過去だってもちろん大事。でも、何百年も執着した願いを今叶えたとして、それを叶えた人は嬉しいと思う?

──時代の流れと共に、人は変わるの。魔法界も、もちろん私達だって変わる。

──今更復讐を叶えたとして、その私達は、復讐を望んだ日を歩んだ人じゃない。

──だから、私は一度全て手放す。

──明日人、明日那、末……それにこれから生まれてくる子達の未来を、私一人の判断で縛るわけにはいかない。

──人にはそれぞれ、人生を自由に歩む権利があるんだもの。

──夢ちゃんも、 “自由”は好きでしょう?

……!!

現さんは、こうなる未来を望んでいない。

だってあの人は、人の自由と未来を、誰よりも大切に想う人だから

…………

末さんがお姉さんを想ってるっていうなら、作戦を取りやめて。

それがあなたを想う現さんの願いだってこと、今なら分かるでしょ?

……っ……

末さん、今からでもまだ間に合う

……今になって、んなこと言われたって……

こんな子どもみたいな我儘、もうやめにしよう?

…………アタシは……

……今更……はは、そうだよ、全部今更なんだよ……

末さん……?

お前がアタシを止めるのも、姉さんのその言葉を知るのも……全部……!!

何故もっと早く伝えに来なかった? 何故お前は事が起こってから来たんだ?

夢、お前なら……その言葉を知ってるお前なら、もっと早く止められたはずだろう!?

……それは……

お前がその眼でどんなアタシの未来を視てるかは知らないが、アタシの“結末”なんて、今は心底どうでもいい!

例えそれが胸糞モンでも、なんだって受け入れてやるさ!

だけどこの計画だけは止まらない。いや、もう誰にも止められない!

それならいっそ、何が何でも絶対にやり遂げる。

──それは、アタシの“自由”だろ?

っ……!!

……止められない、か。

それが末さんの願いなら、分かったよ。……じゃあそれは止めにしよう

何だ、随分諦めがいいな?

……諦めることには慣れてるから。

でも、これだけは絶対否定させて。

“結末”なんてどうでもいい。さっき末さんはそう言ったよね。

別に、どんな終わりを選ぶかは末さんの“自由”だよ。

……今、それが他人の不自由に繋がってることは、自覚して欲しいけど。

でも、“どうでもいい”だけは違う。それは、自由じゃなくてただの放棄だから。

“結末”と“自由”……これは、末さんが何よりも大事にしなきゃいけないものなの。

それにあなたの名前は、その地位と同じように現さんから受け取ったもの。あの兄弟の存在も同じ。

末さんが現さんから受け取ったものは、あなた達姉妹を繋いでくれる、数少ない“光”なの。

それだけは忘れないで、手放さないで──そして、諦めないで

 

……さて、用事も終わりました。そろそろ行きましょう、真瀬

真瀬

……! ……はい、総代様

待て、最後に聞きたいことがある

……何でしょう

今更になって、アタシの前に現れた理由。

……理由がないとは言わせないぞ

きっかけは、とある未来視です。昨晩のことでした

……お前が、未来視をしたと?

ええ、私も驚きましたよ。何たって初めて、この目で視た人以外の未来が視えたものですから

内容は何だ

……そう遠くない未来で、貴方は後悔することになる。

これは予言であり、貴方への警告でもあります

 

あの2人の兄弟──アストとアスナが、貴方の前から消えてしまうでしょう

 

 

 

 

──魔法界

〜真冬 side〜

引き続きそらるさんと一緒に 2人を探し回って、気がつけば 合流地点まで着いていた

地面付近まで高度を下げてから “氷翼(アイスウィング)”を解除して、 地上に降り立つ

真冬

こっち側にはいなかったですね……

彼方

ってなると、他チームの方に現れたか……

……あっ、まふ! そらるさん!

真冬

さかたん!

2人で話していると、僕らとは反対方向 から、うらさか月のチームがやって来る

彼方

そっちは……いや、ここに来たってことはいなかったのか

そうっすね。その調子ならそっちもか……

ベル

…………

真冬

後はなるせくん達の方だけ……。

真冬

……あれ? もしかして今、天ちゃんじゃない……?

やけに静かな天ちゃんの眼を見ると、 今は赤ではなく、黄色に染まっていた

ベル

あ、うん。ちょっと色々あって

彼方

お前、さっきあんな大騒ぎしてたのにそんなしれっと出てくんなよ

ベル

……ごめん、心配かけた

彼方

別に怒ってるわけじゃねーよ、無事で何より

ベル

うん

……? なぁ、あの集団……

中心部がある方の道を見たうらたさん

真冬

え、何あれ……??

つられて僕も見ると、やけに騒がしい 4人くらいの集団が、こちらに向かって 走って来ているのが見えた

なるせ君達のチームにしては 1人多いけど、でもあのピンク髪と 金髪は間違いなく……

アラン

だからっ、お前はもう俺が合流した時点で用済みだと言っただろう!

うるせぇ! だったらお前の方が用済みなんだよ!!

アラン

はぁ!?

百瀬

ちょっ、お願いだから走りながら喧嘩すんのやめてくれ……!!

あ、おーい! みんなーっ!! 助けてくれぇ〜!!

こちらに気づいた96ちゃんが、両手で 大きく手を振りながら助けを求めてくる

彼方

あいつら何してんだよ……

ん? なんかしれっと拓までおらん??

つかあんな調子で探せたのか……??

先に辿り着いていた5人全員で 怪訝な顔を浮かべながら、騒がしい 4人がこちらまで辿り着くのを見届ける

百瀬

ぜぇ、ぜぇ……そ、そっちどうすか……見つかった……??

真冬

いや、こっちは全然……っていうか、そっちはそっちで何があったの……?

ぜぇ……まぁ、色々……げほっ、い、色々あってだな、まふちゃん……

息を上げて満身創痍のなるせ君と 96ちゃんに、一旦落ち着くよう伝える

 

百瀬

……ってわけで、拓も来たっていう……

2人の息が整ったところで、 改めて事の次第をなるせ君に 説明してもらった

はぁ……ったく、これでちょっとは恩返せただろ。

俺はもう行くぞ、こいつとはもう金輪際関わりたくねぇ

アラン

こっちからも願い下げだ

アランが体ごと顔を背けると、 拓はフンと鼻を鳴らして あっという間に去って行ってしまった

あいつ、わしらに借りがあること気にしとったんや……

百瀬

意外と義理堅いヤツなんすかね……?

にしても、アランでもあんな態度取るんやな?

アラン

あいつといるとどうも調子が狂う……

苦虫を噛み潰したような顔で 深くため息を吐くアラン

何にしろ、全員が合流したという ことは、どのチームもあの2人を 見つけられなかったことになる

アストとアスナは一体どこに…… いや、ここまで来たらいない可能性も 追った方がいいんじゃ……?

ベル

……ねぇ、みんな

あれこれ考えていると、これまで 静かだったベルが、不意に口を開いた

真冬

ベル、どうかした?

ベル

見つけた、あの2人。今ちょうど、遠くに強い闇の気配が現れた。

ベル

これは……

 

ベル

……城壁の、上?

この作品はいかがでしたか?

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コメント

8

ユーザー

見るの遅れました💦投稿ありがとうございます! アランと拓は相性悪めなのか?けど"喧嘩するほど仲がいい"という言葉があるように逆に相性良いんじゃないか?…なるせちゃんもいってたし← しかも走りながら喧嘩とか…仲良いですやん(( え、頼さんどういう事ですか!? "アストとアスナが消える"って… それに城壁の上に闇の気配? 最後の方に気になる事が沢山!! 続き楽しみにしています!

ユーザー

投稿ありがとうございます!!! たまたま昨日読み返してたので すぐ読めましたw アランと拓…w相性悪め…?私には 逆に『喧嘩するほど仲がいい』って 言葉があるようにいい関係に見えるけど? 走りながら喧嘩w器用だね(?)96ちゃん なるセちゃんお疲れ様w そして、瀬さんのあの言葉…『後悔する』 『アストとアスナが消える』って…?? 城壁の上に闇の気配…?なんか不穏だ… 続き楽しみに待ってます!

ユーザー

投稿ありがとうございます!! 拓が合流!けどアランと相性悪め……?「喧嘩するほど仲がいい」という言葉もあるから、なるせちゃんの言う通り意外と相性良かったりするのかな…w そして瀬さんの最後の言葉…アストとアスナが消えるってどういうことだ!?更に最後に現れた城壁の上の闇の気配とは…?すごく気になる事だらけです…! 時間がたっぷりとあるので、魔法唱読み直してきます…w🏃‍♀️‍➡️

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