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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

影山

…お前にバレーを教えろと?

日向

……う、うん。

影山

別に、バレー部に行けばいいだけだろ?

影山

なんで俺に頼るんだよ?

日向

……君の、影山のバレーを1回見たことあるから。

影山

……は?

日向

あ、中学の話。

影山

(こんな奴、一目見たら覚えてるはずだ。)

影山

(一方的に知ってる、だと?)

日向

えっと、1回大会に観戦した事があって…

日向

その……上手だな、って思ってた。

影山

………そうかよ//

なんとなく、嬉しい。 褒められるなんて滅多にないからか?

大体が妬みとか、嫉妬ばっかだったし。

影山

…しゃあねぇな、教えてやるよ!!

日向

本当! ありがとう。

影山

じゃ、付いてこい。

影山

じゃ、まず希望のポジションはあんのか?

日向

えっと……MBってやつ。

影山

……は?

日向

えっと……変だった?

影山

あ、いや、何でもねぇ。

いや、その身長で? 確かに、 背が低い人でもMBをすることはある。

とはいえ、憧れてるだけじゃないか? コイツにそんな才能、あるか?

…まぁいい、確かめたらいいだろ。 1回ボールを上げてみよう。 それで判断したらいい。

影山

なら、アタックは出来るんだよな?

日向

上手いか、分からないけど……出来る。

影山

じゃ、俺がボール、あげてやるよ。

影山

ん……丁度よくネットが準備されてるな。

影山

じゃ、お前はネットの近くに立っとけ。

日向

うん。

多分、憧れた初心者なんだろう。 まぁ、俺のボールだし、多少はいけるだろ!

影山

じゃ、投げるぞ。

ボールを上げた時、間違いを犯した。 そう瞬時に感覚でわかった。

…やらかした。 いつものボールの上げ方だ。 これじゃ、アタック出来ない。

影山

……あっ、

瞬時にアイツの方を見る。 流石に謝るか… なんて考えてたけど。 裏切られた。

影山

…はっ!?

なんだその跳躍力、その瞬発力。 その瞬間の力強さ。

嘘だろ、見るからに飛べなさそうなのに。 なんでそんな跳ぶ!?

日向

えっと……どう?

そして、殆どの人が打てなかった、 あのボールを打った。

しかも、コントロールもできている。

……たまたまだろ! 確認の為、もう1回するか。

影山

悪い、もう1回できるか?

日向

えっ……うん。 わかった。

日向

っと、今回のはどう?

影山

……ハッキリ言って、即戦力だと思う。

何度打っても、安定してる。

ただ、一点だけ引っかかる。 なんでそんなに辛そうな顔で跳ぶ?

影山

流石にキツいか?

日向

あっ……そうかも。

影山

そろそろ休憩にすんぞ。

日向

うん。

影山

お前、バレーやってたんじゃねぇ?

日向

いや、本当に授業でやっただけ。

影山

そうか……なぁ、

影山

…バレー部の体験入部に来てくんねぇか!?

日向

……うん。 わかった、何時ならいい?

影山

明日の放課後ならならいけるはずだ。

日向

そっか、じゃあ明日の放課後、ここ?

影山

おう、多分…?

日向

わかった、ありがと。

影山

じゃ、俺はもう行くな。

日向

また明日。

ダメだ、全然ダメだ。 月島のように出来ない。

アイツの動き、今でも覚えてる。 凄く背が高い癖に、高く飛んで…

それで……どんな風にしてたっけ。 ……あぁ、ダメだ。

どんどんアイツが風化してく。 俺から月島蛍が消えてゆく。

いっそ、全て消えてほしいのに、 死だけは色濃く残ってる。

日向

……バレー、楽しめるかな?

君が好きだった物が俺の命になった。

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