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怪盗 時雨桜

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怪盗 時雨桜

32 - 信頼

♥

52

2022年02月17日

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〜真夏 side〜

ウィズ

そうと決まれば早く行こう!

ユキ

うん!

真冬と友弥君が走っていく姿を、 後ろから眺める

真夏

(……私は、『藤咲彩莉』じゃなくて、相川真夏。)

真夏

(真冬はいとこじゃなくて、双子の弟……)

急なことでまだ慣れないけど、 たしかに私の中に、昔みんなと 里で過ごした記憶が蘇っていた

ソラ

真夏

真夏

真夏

……って、わっ!?

ソラ

ここにいると危ない。しばらく俺らについてきて

名前を呼ばれたと思ったら、 突然彼方お兄ちゃんに 片腕を引っ張られた

真夏

う、うん

 やっぱり、今まで会長と後輩として 関わってきたから、少し慣れない

真夏

(けど、会長だった時より、少し口調が柔らかくなってる?)

それに雰囲気も表情も、前より 穏やかになってるような気がする

ここまでずっと気を張ってたけど、 少し落ち着けた……とか?

真夏

(……ううん、違う。きっと彼方お兄ちゃんは……)

ユキ

……あ、そうだ。

真冬

兄さん、姉さん

彼方

何?

真夏

どうしたの?

不意に真冬が私達を呼んだ

真冬

二人ともおかえり。

真冬

それが言いたかっただけ!

昔のような、無邪気な笑顔で そう言った真冬

彼方

……うん、ただいま

真夏

ただいま!

それに応えるように、 私達も笑顔で答えた

〜渉 side〜

佐野

佐野さん!

さっきいた場所から、会場に入って すぐのところに、彼女はいた

凪沙

……あれ、探偵さんじゃん。何、あたしのこと捕まえにきたの?

凪沙

それとも、みんなが使い物にならないから、二人だけで来ちゃった?

違う。

俺らは全部気づいてる。近くに人の気配もないから、仲間に聞かれる心配もない。

だから、もう嘘をつくな

凪沙

…………

坂田の言う通りだと俺は思ってる

俺にも、彼女が嘘をついている ように見えたから

凪沙

…………。

凪沙

……はぁ……。

凪沙

よかったぁ、気づいてくれてて……

やっぱり、さっきのは全部……

凪沙

うん。

凪沙

みんなを羨ましがってたのも、あの事件を面白いって言ったのも、全部嘘。

凪沙

このテロ計画を立てたのがあたしなことは、変わりないけどね

でも、何か裏があるんだろ?

凪沙

もちろん。

凪沙

……全ては、ファントムのやつらに復讐する為。

凪沙

あたしの行動原理は、みんなと全く同じだよ。

凪沙

……ところで、みんなは?

一旦置いてきた。俺らが気づいたことは全部話したが、信じるかどうかは、あいつらの意思次第

俺は来ると思うけどなぁ……

俺も、あいつらは来ると思う

俺達は探偵と怪盗。 敵のことなんて信用しないのが普通

だけど、今は同じ目的を持った 協力関係で、一時的ではあるけど仲間

それ以前に、一ノ瀬と真冬は 俺らの友達だ

(……今ぐらいは、俺もあいつらを信じていいんだよな)

凪沙

そうですか。

凪沙

……なんか、ごめんなさい。二人のことを利用しちゃって

気にせんでええよ!

坂田が気付けたし、お前の作戦なんだろ?

凪沙

はい。このあとみんなが来てくれたら、作戦を説明するつもりです

あぁ、頼んだ

さっきの爆発諸々で、騒ぎが起こって 場が混乱しているといえど、開会式の 終わりは着実に近づいている

あとは、時雨桜とブラッドムーン……

(お前らだけだ……!)

〜ユキ side〜

5人で走って、探偵組が 去っていったであろう方へ向かう

ウィズ

多分、こっちに行ってたような気がするんだけど……

ある程度どこに行ったのか分かる、 と名乗り出たウィズの後ろに ついて行っていた

リーフ

はぁ……流石天才って言うべき? あんな状況の時でも記憶力が衰えないなんて

ウィズ

しょうがないじゃん、昔からの癖なんだし。ほら、10年前の事件も俺が一番覚えてるでしょ?

リーフ

ボクは一番小さかったから、その頃の記憶なんてほぼないよ。

リーフ

それに真夏姉と凪沙さんのことも、事件以来関わらなかったから、そんな人いたなー程度にしか覚えてなかったし

真夏

でも、思い出してくれたんだ

リーフ

無理やり記憶の底から引っ張り出したよ。……いや、浮き上がってきたって方が正解かな

ユキ

そういえば、香月が姉さんを狙ってたのはなんでだったの?

リーフ

さあ

…………えっ?

リーフ

おじいちゃんがしたいことなんて、ボクもとも兄も知らないよ。そう命令されたから、仕方なく

ユキ

はぁ……?

ソラ

お前ら……

ユキ

もし姉さんにも怪盗させたいなんて言い出したら、ボクあの里と縁切るよ?

ソラ

その為にも怪盗やってるんだからな

ウィズ

分かってるって。俺もあの人の目的が分からない限り、リーフと真夏ちゃんを近づけさせないつもりだったよ。

ウィズ

2人が怪盗やってる理由も知ってたからさ

ウィズがリーフと敵対してたのは、 本当に姉さんを守る為だったんだ

ユキ

(ただの愉快犯とか、疑ってたのが申し訳ないな……)

ウィズ

それに、ユキがそんな格好してまでやってるんだし、気持ちを無駄にしない為に……と……

ユキ

……なんか文句でも?

せっかく見直してたのに、 最後の余計な一言で全部壊れた

ウィズ

ご、ごめんって! でも、こっちだってこのコスチュームはちょっと恥ずかしいんだよ!?

ユキ

女装よりマシじゃん! ボクそっちの方が良かった!

ウィズ

えぇ!?

リーフ

だったらボクだって、高校生なのに中学生用のセーラー服なんだけど?

ソラ

おい、今喧嘩してる場合じゃ……

ユキ

そう言うソラが一番マシじゃん!?

ソラ

は?

ウィズ

ほんとだよ、一番シンプル! っていうかコスチュームって言うのかも怪しい!

ソラ

いや……

リーフ

そういえばさぁ、念の為にソラもユキみたいなコスもらってたよね?

ソラ

ちょっ、それは今……

真夏

真冬みたいな……?

ソラの声が、ボクらに どんどんかき消される

ソラ

っああもう、お前らいい加減にしろっ! 今の状況分かってんのかよ!?

ユキ

っ!?

急にソラが怒鳴り出して、 4人みんなびっくりしてしまった

ウィズ

わ、分かってる……!

ソラ

じゃあ早く案内!

ウィズ

はいっ!

兄さんがこんなに怒ってるのは、 ボクも初めて見た……

ユキ

(でもたしかに、ソラの言う通り……)

明らかに、こんなくだらない 言い合いをしてる場合じゃない

ユキ

(花火のタイミングで、ファントムは仕掛けるんだよね)

その時間も、もう迫ってきてる

ウィズ

えーっと……こっち!

ウィズ

……って、わっ!?

ヒュンッ

ユキ

ウィズ?

道を進もうとした直後、 何故か慌てて後ろに身を引いたウィズ

その直前には、何かが 空を切る音が聞こえた

ウィズ

まずい、厄介なことになったかも……

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