お父さんへ。

お父さんへ

いつも自分勝手な貴方が昔から嫌いでした。

差別もするし、口悪いし、お酒をちょっと呑むくらいの母のことを非難するし。

私のお友達や、家族以外には顔良くしてて。むかつくんだよほんと。

一人娘なのに、私のことは放置。遊ぼって言ってもろくに目も合わせてくれなかったわね。

抱っこもハグも、髪の毛を乾かしてくれたりも、お話することもなく。

まるで他人かのように扱って、欲しい物だって買ってくれたことなかった。

ほんと大嫌い。 母にも私にも冷たい貴方が大嫌いよ。

大嫌いだけどさ、

私が学校で先生のせいで怪我をした時。 怒ってくれたね、うちの大事な娘の顔が傷ついたらどうするんだって。

お母さんから聞いたよ。 私が勉強で寝落ちしたら、いつも部屋の窓や片付け、毛布を掛けていてくれていたのは貴方だった。

友達から聞いたよ。 私のこと、自慢の娘だって。 優しいんだよって、だから仲良くしてやってって。 お菓子をお友達に餌付けして｢また遊びにおいで｣なんて言ってたの？ ナンパしてんじゃないわよ。

思い出したよ。 ちっちゃい頃に書いた｢パパ大好き｣って手紙。 泣きながら読んでくれてたね。

すっかり忘れちゃってたや。 大きくなると、些細なことは忘れていって、不満ばかりが大きくなって

要らない知識ばかりついていくね

貴方は、お父さんは、パパは、

周りの大人と違って、少し子供なだけだったね。

誤魔化すことを知らなくて、愛し方を知らなくて。 ｢ぱぱ｣って言いながら純粋に甘えてくる子供をどうしたら良いか分からなかったんだよね。

ツンデレみたいに‪w 隠れてじゃないと娘1人すら愛すことしか出来なくて。

嫌いなはずだったのにさ、｢ありがとな｣って目も合わさずに言われた今日のこと、一生忘れられなくなっちゃったよ。

大嫌いよ。

そう言う度に無反応だったのは傷ついていたの？

ごめんね。 だからどうかこれからも生きていて。 不器用なままの貴方でいて。

…あと。

優しさに触れたいが為に、寝落ちのフリをしていたのは許してください‪w

世界一貴方を愛している娘より。