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うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! そらるさんが生徒会長に買ったぁ! そらるさんお兄ちゃんだったんですね。 最後、そらるさんが愛華凛さんを 優しく抱きしめたところ…… めちゃくちゃかっこよかった…😭
〜カナタ side〜
なりふり構わず、声を荒げた愛華凛
カナタ
愛華凛
赤石萌々花
すぐ傍にいた赤石さんも、 ステージ下で見ていた生徒も、 唖然として愛華凛の方を見ていた
カナタ
カナタ
愛華凛
カナタ
カナタ
カナタ
愛華凛
本当は、愛華凛もオレと同じで、 自分を隠しているんだ
カナタ
カナタ
カナタ
愛華凛
愛華凛
カナタ
愛華凛
カナタ
カナタ
愛華凛
愛華凛
怒りなのか、悔しさなのか、 目に涙を溜めてそう言った愛華凛
オレたちは、双子で似た者同士だ
……だからこそ、 お互いがお互いに思うことがある
愛華凛
カナタ
オレも、愛華凛がいなければ 生きることを許されなかったはずだ
カナタ
カナタ
そしてそのおかげで、
“自分”を取り戻せた
カナタ
愛華凛
カナタ
カナタ
愛華凛
愛華凛と話をしている間にも、 ずっと血は流れ続けてる
机には、小さな血の池ができていた
冬真
カナタ
冬真
横から冬真にそう言われて、 仕方なく腕を出す
すると、ポケットから出した ハンカチで、傷口を縛ってくれた
冬真
カナタ
冬真にお礼を言ってから、 愛華凛に向き直る
カナタ
愛華凛
赤石萌々花
じゃあオレは、さらに12枚分 レイズしたことになるのか
愛華凛
急に弱気になったな
冬真
冬真
愛華凛
愛華凛の声が震えている
それに加えて、顔面蒼白だ
ここまでで、総賭け額は 110億3000万円
まあ、そうなるのは無理もないけど
冬真
カナタ
冬真
もう無理か……それなら、 そろそろこの勝負に決着をつけよう
カナタ
愛華凛
途端に、愛華凛の表情が生き返った
カナタ
赤石萌々花
愛華凛
赤石さんの声を遮って、 焦った様に言った愛華凛
赤石萌々花
愛華凛
カナタ
愛華凛
カナタ
愛華凛
愛華凛
カナタ
カナタ
愛華凛
カナタ
カナタ
自分の手札を、池の上に落とす
愛華凛
カナタ
カナタ
愛華凛
愛華凛
カナタ
愛華凛
カナタ
愛華凛
カナタ
カナタ
カナタ
そこまで言って、声をあげて 泣きながら、その場に崩れた愛華凛
そんな彼女の言葉を、全て否定する
愛華凛は、空喰の人間であっても、 空喰の人ではない
空喰に喰い尽くされ、呑まれた人だ
本当は、彼女の兄として、 可哀想だと思わなきゃいけない
カナタ
せめて、と思って、 泣き崩れた愛華凛に近づく
カナタ
それからしゃがんで、 そっと抱きしめた
愛華凛
カナタ
愛華凛
カナタ
愛華凛
カナタ
愛華凛
愛華凛
カナタ
カナタ
ゆっくりと愛華凛から離れて、 机に“ポチ”の名札を置いてから、 この場を去る
きっともう、オレ達は会わない
そんな気がした
……涙は、出なかった
〜冬真 side〜
カナタ
冬真
カナタ
講堂を出て少し歩いたところで、 そんなことを聞かれた
冬真
冬真
カナタ
冬真
……そうか
この人は、愛を知らない
親にも愛されず、 それとは無縁な人生を歩んできたから
それでも最後、 あの行動をしたのは……
冬真
冬真
カナタ
先輩の後ろを歩いているから、 表情は見えない
けど、少し声が柔らかくなった
『彼方』
冬真
『彼方』
『彼方』
『彼方』
冬真
そう言ってこちらを振り返ったのは、 カナタ先輩じゃない
きっと、『一ノ瀬先輩』だ
冬真
『彼方』
そう言って、また背中を向けて 歩き出した先輩
『彼方』
『彼方』
冬真
『彼方』
ボクが呼びかけて、 またこちらを振り向いた
冬真
『彼方』
カナタ
少し間を置いてから、 いつもの無表情に戻ったカナタ先輩
ああは言っていたものの、結局彼も、 『自分』を捨て切れていない
カナタ
不意に、カナタ先輩がボソリと呟いた
けど、声が小さくて聞こえない
冬真
カナタ
カナタ
冬真
翔太
瑞樹
……っと、噂をすれば
瑞樹
カナタ
翔太
さっきのことには一切触れず、 明るい雰囲気でそう言ってきた2人
冬真
瑞樹
カナタ
翔太
どこに行こうかと話している3人の、 少し後ろを歩く
さっきの公式戦、規模は大きいけど、 ボクは、ただの兄妹喧嘩に見えた
冬真
兄妹を恨み続けながら生きていく なんて、あまりにも辛すぎると思う
冬真
冬真
きっとこれは、ボクらが教えるもの じゃなくて、ボクらが与えて、 知ってもらうものだと思う
だから、先輩には少し意地悪に 見えるかもしれないけど、 自分で気づいてもらいたい
カナタ
冬真
翔太
って、何のことかと思ったら、 打ち上げの話だったのか
翔太
カナタ
まだ少しぎこちない笑顔で、 カナタ先輩が返事をする
冬真
それからボクらはカラオケに行って
沢山歌って、料理も食べて
家に帰るとカナタ先輩は、 疲れ果てたのか寝てしまった
思えばこの数日間で、 沢山のことがあった
カナタ先輩が自我を見つけて、
やりたいことを見つけて、
その為に、みんなで協力したりして
無事に、目標は達成させられた
けど、この数日間でカナタ先輩に 残ったものは、沢山あると思う
空喰への恨み
妹への恨み
でも、その全部を恨んでいる わけじゃなくて
きっと、愛がほしかっただけ
それ故の、哀だったんだろう
愛されたくない人なんて、 きっとどこを探してもいないから
次のカナタ先輩の目標は、 「愛に気づくこと」
その為にボクは、後輩として、 友達として、従者として
そして、家族として
愛を与えていかないといけない
ボクは、両親にもお祖父様にも、 沢山愛されて生きてきた
だから
次はボクが、 これを分けてあげる番だ
冬真
冬真
朝、中々居間に来ないカナタさんを 起こしにいくと、まだ部屋で ぐっすりと寝ていた
そっと近づいて、布団の側まで来る
冬真
その寝顔は、嬉しそうに笑っていた
何か、いい夢でもみているんだろうか
冬真
少し申し訳ないけど、時間もないし、 起きてくださいと声をかける
カナタ
カナタ
冬真
冬真
カナタ
冬真
カナタ
カナタ
冬真
冬真
ボクが急かすと、着替えてからいくと 言うので、ボクは先に行くことにした
夢の内容、後で聞いてみてもいいかな
カナタさんがあんなに笑ってたんだ、 きっと幸せな夢だったんだろう
そんなことを考えながら、 朝ごはんの待っている居間へ向かった