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お姫様は執事がお好きで。

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お姫様は執事がお好きで。

1 - お姫様は執事がお好きで。

♥

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2020年06月24日

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星來(姫)

ちょっと執事〜!!早くきてよ〜!

山里理仁 (執事)

お待ちください 姫さま!!

星來(姫)

も〜!遅い遅い!!!速く〜!

山里理仁 (執事)

ハァッハァッ

山里理仁 (執事)

姫さま、はしゃぎすぎです!

山里理仁 (執事)

もう少し落ち着いて…

星來(姫)

…ねぇ、執事!

山里理仁 (執事)

なんですか?

星來(姫)

私と執事ってさ、2歳しか離れてないよね?

山里理仁 (執事)

えぇ…そうですね。

星來(姫)

同じ家に住んでるんだからさ、

星來(姫)

私のこと「星來」って呼んでよ〜

山里理仁 (執事)

……!

山里理仁 (執事)

そんな!めっそうもないです…!

山里理仁 (執事)

私はあくまでも、執事なんですよ?

星來(姫)

えぇ〜ケチだなぁ。

山里理仁 (執事)

全く…なんでそんなに可愛いんだ…((ボソッ…

星來(姫)

ん?なんか言った?

山里理仁 (執事)

…いえいえ!なんでもありませんよ。

山里理仁 (執事)

ほら、城の中に入ってください!

山里理仁 (執事)

もうすぐダンスレッスンが始まりますよ。

星來(姫)

はぁ〜めんどくさいなぁ〜

星來(姫)

執事〜お腹空いた〜!

山里理仁 (執事)

はいはい、今出来ますから

山里理仁 (執事)

もう少しお待ちください。

星來(姫)

……

星來(姫)

ねぇ執事。

山里理仁 (執事)

なんですか?

星來(姫)

私のこと嫌い?

山里理仁 (執事)

……!

山里理仁 (執事)

な…何故ですか?

星來(姫)

だってさ…

星來(姫)

なんか避けられてるような気がする…から。

山里理仁 (執事)

……

山里理仁 (執事)

姫さま、私はあくまでも執事の分際です。

山里理仁 (執事)

姫さまに対して、私的な感情は持っていませんよ。

星來(姫)

……

星來(姫)

それって…どういうこと?

山里理仁 (執事)

…つまり、

山里理仁 (執事)

私は姫さまを嫌いでも好きでも…ありません…。

星來(姫)

……

星來(姫)

そっか!良かった〜!!!笑

星來(姫)

嫌われてるのかと思ったよ〜笑

山里理仁 (執事)

……笑

山里理仁 (執事)

ほんとのことなんて言えるかよ…((ボソッ…

星來(姫)

ん?

山里理仁 (執事)

なんでもないですよ。

星來(姫)

お父様。星來です。

お父様

…入りなさい。

星來(姫)

はい。

星來(姫)

…で、お父様。お話ってなんですか?

お父様

…実はな、お前に……

縁談がきている

星來(姫)

縁談…?

お父様

あぁ。悪い話ではないが…

お父様

お前はまだ大学生だ。せめて大学を卒業してからがいいと思ってな。

お父様

一応、断っておいた。

星來(姫)

そう…ですか…

お父様

それに…

お父様

お前は…

想い人が居るだろう?

星來(姫)

……!

星來(姫)

な…なぜ…

お父様

お前の顔を見ていれば分かるぞ笑

お父様

私はお前の恋を応援したいと思っている。

お父様

だがな…

お父様

この世には「身分」というものが存在しているんだよ。

星來(姫)

……

星來(姫)

分かっています…

お父様

だからな、いい考えがあるんだ。

星來(姫)

……?

翌日

山里理仁 (執事)

旦那様、私です。

山里理仁 (執事)

(旦那様からのお話ってなんだ…?)

お父様

あぁ、理仁か…入りなさい。

山里理仁 (執事)

はい…

山里理仁 (執事)

それで、旦那様。お話とは…?

お父様

あぁ。実はな…

執事の仕事を辞めてもらいたい。

山里理仁 (執事)

……!

山里理仁 (執事)

辞める…?クビ…ということですか?

お父様

……あぁ。

山里理仁 (執事)

なっ…なぜ…ですか?

山里理仁 (執事)

おれっ…私にっ…なにか問題がございましたかっ!

お父様

いや、違うんだ。

お父様

君は優秀な執事だ。

お父様

小さい頃から娘の世話をしてくれて、
本当に感謝しているよ。

山里理仁 (執事)

……

山里理仁 (執事)

ありがとう……ございます…

お父様

だがな、

お父様

娘はもうすぐ大学を卒業する。

お父様

そして、彼女には縁談が来ているんだ

山里理仁 (執事)

……!

山里理仁 (執事)

縁談…ですか…

お父様

あぁ。

お父様

だが、彼女には想い人が居てな…

山里理仁 (執事)

想い人…?

お父様

親としては、どうしても叶えてやりたいんだ。

山里理仁 (執事)

……

お父様

さらに…、娘は、

お父様

フランスに留学したいらしい。

山里理仁 (執事)

フランスですか…?

お父様

あぁ。

お父様

そこでだ。

お父様

君には、

娘と一緒に留学して欲しい

山里理仁 (執事)

……

山里理仁 (執事)

……えぇ!?

お父様

……笑

山里理仁 (執事)

え、あ、あの…え、え…

お父様

……すまない、動揺させすぎたようだな笑

山里理仁 (執事)

……はい…笑

山里理仁 (執事)

あの…クビ…というのは…

お父様

あぁ。

お父様

留学について行って欲しいからだ。

お父様

君はもう執事ではなく…

山里理仁くん だよ。

山里理仁 (執事)

……

山里理仁 (執事)

あっ…ありがとう…ございます…グスッ

お父様

……今までありがとうな。

お父様

これからも…

娘を頼んだぞ。

山里理仁 (執事)

はい…!

大学卒業後

星來(姫)

ねぇ理仁!早くして〜!

星來(姫)

飛行機乗り遅れちゃうよっ!!!

山里理仁 (執事)

あっ…お待ちください!

星來(姫)

って…

星來(姫)

ちょっと待ったァ!

山里理仁 (執事)

……?

星來(姫)

理仁!あのさ、

星來(姫)

私は理仁って呼んでるんだよ?

山里理仁 (執事)

はい…

星來(姫)

はい…じゃなくて!

星來(姫)

もう理仁は執事じゃないの!

星來(姫)

だから私に敬語なんて使わないで!

山里理仁 (執事)

そう言われましても…

星來(姫)

もーーーっ!

星來(姫)

ほら、「星來」って呼んでよ!

山里理仁 (執事)

……

山里理仁 (執事)

星來……さま…

星來(姫)

……

星來(姫)

理仁…

星來(姫)

やり直しぃ!!!!

山里理仁 (執事)

えぇ…!

山里理仁 (執事)

わ…分かりましたよ…

山里理仁 (執事)

「星來」

星來(姫)

……!

星來(姫)

いい!めっちゃいい!

星來(姫)

もう1回言って!!

山里理仁 (執事)

もう…無理です…

星來(姫)

えぇーーーー!

星來(姫)

もー!

山里理仁 (執事)

笑笑

星來(姫)

……

星來(姫)

ねぇ理仁。

星來(姫)

あのね…

星來(姫)

私、ずっと言いたかったことがあるんだけど…

星來(姫)

わたし…

山里理仁 (執事)

星來。待って。

星來(姫)

……?

山里理仁 (執事)

俺からも言いたい事があるんだ。

星來(姫)

……

星來、好きだ。

星來(姫)

……っ!

山里理仁 (執事)

ずっと前から好きだった。

星來(姫)

そう…… なの…?

山里理仁 (執事)

でも…お前には想い人が居るんだもんな…

星來(姫)

……へ?

山里理仁 (執事)

ごめんな、悩ませるようなことして。

星來(姫)

え、いやいや、違う!

星來(姫)

私は…

理仁が好きなんだ!

星來(姫)

ずっと…ずっと…理仁が好き。

山里理仁 (執事)

……っ!

星來(姫)

ねぇ…

星來(姫)

キスしていい?

山里理仁 (執事)

お前…

山里理仁 (執事)

積極的だな…笑

星來(姫)

ダメ?

山里理仁 (執事)

いいよ。

チュッ

山里理仁 (執事)

もう…

離さないから。

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