すっかり日が暮れ、 太陽が山に隠れそうな時刻
朝の高校生達は、帰りは別の道を 通って帰ったらしく、 神社の前の道はとても静かだった
冬である為、一風吹くと 震えるほどの寒さが身を襲う
そんな時、神社の階段を 幼い少年が登っているのが見えた
水は焦って姿を消し 幼い少年の様子を伺った
少年は太陽を吸い込んだかの様な 真っ赤な髪に、真っ赤な瞳だった
唯一気がかりなのは、 寒い季節に似合わない半袖短パンの服装だ
所々傷だらけで、 服からはみ出る肌には痣や包帯が 当たり一面に広がっていた
@ 水
@ 水
手当出来てない所が多々あり おそらく親からの虐待だろう
その小さき少年が背負う傷がとても 辛そうで、思わず目で追ってしまう
@ 赤髪の少年
神社の百近くある階段を登り終えた幼い少年
その容姿に驚き、思わず息を飲む
顔にも、腕にも、足にも 痣や切り傷があり、絆創膏や包帯の数が想像を遥かに上回っていた
切り長の目には、ハイライトは 薄っすらとしか映っていなく、 今にも消えそうな表情をしていた
@ 赤髪の少年
そう言うと少年は、 狐が祀ってある祠に深々く一礼し 鐘を鳴らした
本来ならお賽銭を入れて 鐘を鳴らすのが常識的だが 水はそんな事どうでも良かった
@ 赤髪の少年
願い事を話すと少年は 祠の前にパンを置いて帰っていった
少年の後ろ姿はとても虚しく 子供とはいえ、小さい背中だった
願っていた事を含め、 虐待の疑いが確信に変わった瞬間だ
彼はおそらく長男、 彼の下には少なくとも2人以上の弟 そして虐待をしてくる両親
@ 水
水は、少年が置いていったパンを 一口かじり、味を噛み締めた
素朴で、それでも温もりのある味 おそらく、給食の残りだろう
食べてる瞬間も、少年が虐待を 受けていると思うと、 とても胸が苦しい
@ 水
パンを食べ終え、水は誓う
『あの少年と弟達を助け出す』と
寒い北風が吹き、 思わず身震いをしてしまうが 少年に比べたら安いものだ
パンの残り味が、 少年の辛そうな顔を忘れさせない
@ 水
だからもう少しだけ、 耐えて欲しい
コメント
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えー本日2回目の投稿です! 投稿して1秒後ぐらいにコメント打ってるんですが既にハートを貰ってます、嬉しいの変わり無いんですが君達ハート早押しグランプリでもしてんのか(?) で、あと雑談なんですが、 この作品書きたいことが多すぎて第100話とか有り得そうなんですよねHAHAHA😭