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どれだけ時間が流れても

どうしようもなくあなたを思ってしまう

蓮、私はあなたを傷つけた

時々思うの

このままでいいのかなって

でも蓮、あなただけは

こんな私を好きだと言ってくれた

だから私もあなたに伝えたい

私も蓮のことが

「  」

始まりはこの屋上から

そら

そらがきれ

そら、きれいだな~

そら

え?

あっごめん

いやでもさ

そらってほんときれいじゃね?

最初は変な人だなと思った

でもなぜか

"そらがきれい"

そう言われたとたんドキドキした

あっ

そら

ビク

そういえば名前!

俺は蓮

君は?

そら

そ、そらです

そらね!

そら

え、呼び捨て

ダメだった?

そら

別に

よかった

じゃあそら!

また明日

そら

ま、また明日´ ▽ `

ドキ

"また明日"

私に明日がくるなんて分からないのにね

そら

でも楽しかったかも(ボソ

そして彼は次の日も

またその次の日も屋上に来て

"そらがきれい"と呟いた

私は謎の病を患っていた

突然のことだった

いつもの病院で…

そら

そら

ど、どういう意味ですか

医者

残念ですが

医者

そのままの意味です

医者

あなたの余命はあと

医者

"5000文字です

そら

文字?

そら

あと5000文字しか話せないということですか

医者

はい

医者

あなたが今

医者

話しているあいだも

医者

寿命が縮んでいます

そら

はっ

そら

コクン

私の寿命はあと5000文字

この日も私は屋上に来た

蓮にあの事を伝えるために

そら~

そら

どうしたの?

そら

実はね

そら

私、あと寿命が5000文字なの

ど、どういう意味

あと5000文字しか話せないってこと

そら

コク

そ、そっか

その日蓮は何も言わずに そばにいてくれた

それからも毎日、毎日屋上に来て

いつの間にかお話するようになって

それでさ~

そら

あはは

楽しい。蓮といる時間が、蓮と話す時間が好き。単純だけど笑っちゃう。どれだけ寿命が縮もうが蓮と笑い合っている時間が私の宝物。

それでも時間は迫る一方で

私の寿命はあと4000文字

そら

あはは

そら

そら?!

大丈夫?

そら

コク

よかった

あぁ

命が恋しくて

時間が愛おしくてたまらない

蓮ともっと話したい

それから言葉を話すことが不安になった

楽しかった1日の終わりに必ず泣いた

蓮といる楽しい時間の後に

楽しかった分だけ…

私の寿命はあと3000文字

そら

ねぇ蓮

何?

そら

私さ

そら

もう何のために生きてるか分からなくて

その日は蓮の前だからか

自分でも訳の分からないことを呟いた

蓮は最初

戸惑っていたけど

なんだ

そら

え?

そんなの俺のためだと思えばいいんだよ

だって俺がこうして笑えるのも

幸せだって思えるのも

全部そらのおかげなんだから

そら

そら

そっか

そら

ありがとう

蓮の一言で心がふわっと軽くなった

それでも

私の寿命はあと2000文字

そら

そら

ガチャ

そら

た、ただいま

お母さん

あら~

お母さん

そら、お帰りなさい

お母さん

ほら、お父さんも

お父さん

お~

お父さん

お帰り

"お帰り"

その言葉を私はあと何回聞けるのだろう

お母さんごめんなさい。 期待に添えないことばかりで… お父さんごめんなさい。 誰よりも遅く産まれたのに、誰よりも早く死ぬかもしれなくなってしまって… ごめんなさい。 今はこの言葉しか言えない…

私の寿命はあと1000文字

そら

あかり

そら~!

そら

ど、どうしたの?

あかり

だって最近、話しかけてくれないじゃーん

そら

ごめんね

あかり

なんであやまるの?

そら

べ、別に

そら

特別な意味は

あかり

そっか!

あかりには余命の事を話していない

理由はただ

悲しませたくないから

そして

死にたくなくならないように

私の余命はあと500文字

この日もいつもと同じように屋上に来た

でもその日は何かが違って…

そら

なぁ、そら

俺さ

そらが好きなんだよな

そら

そ、そら?

あぁ

本当にきれいだ

そら

わ、私も好きだよそら

そっか~

そら

やっぱやーめた!

そら

ビク

そら!

俺は

お前が好きだ

そら

心臓がドキドキする

そら

あぁ、なんで気づかなかったんだろう。

そら

グスッ

え、ちょ!俺なんかした?

そら

ゴシゴシ

そら

私も蓮のことが…

ドク

ドク

ドク

そら

ゥッ

そ…しっか……ろ!

最後の2文字。たった二文字が伝えられぬまま私は死んでしまうのか。そう思うとなんだか悔しくなった。それと同時に胸の奥がズキズキと痛む。それでもと必死に口を動かす。ダメだと思っても必死に…

そら

す…き…

掠れた声。 「好き」その言葉が私が蓮に伝えた最後の言葉となった

この学校にはある伝説がある

屋上に行き、そこで告白し合った者たちは永遠に結ばれるということ

そして今日もまた

愛し合う者たちがうまれる

"そらがきれい"と呟いて

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