どれだけ時間が流れても
どうしようもなくあなたを思ってしまう
蓮、私はあなたを傷つけた
時々思うの
このままでいいのかなって
でも蓮、あなただけは
こんな私を好きだと言ってくれた
だから私もあなたに伝えたい
私も蓮のことが
「 」
始まりはこの屋上から
そら
蓮
そら
蓮
蓮
蓮
最初は変な人だなと思った
でもなぜか
"そらがきれい"
そう言われたとたんドキドキした
蓮
そら
蓮
蓮
蓮
そら
蓮
そら
蓮
そら
蓮
蓮
蓮
そら
蓮
"また明日"
私に明日がくるなんて分からないのにね
そら
そして彼は次の日も
またその次の日も屋上に来て
"そらがきれい"と呟いた
私は謎の病を患っていた
突然のことだった
いつもの病院で…
そら
そら
医者
医者
医者
医者
そら
そら
医者
医者
医者
医者
そら
そら
私の寿命はあと5000文字
この日も私は屋上に来た
蓮にあの事を伝えるために
蓮
そら
蓮
そら
そら
蓮
蓮
そら
蓮
その日蓮は何も言わずに そばにいてくれた
それからも毎日、毎日屋上に来て
いつの間にかお話するようになって
蓮
そら
楽しい。蓮といる時間が、蓮と話す時間が好き。単純だけど笑っちゃう。どれだけ寿命が縮もうが蓮と笑い合っている時間が私の宝物。
それでも時間は迫る一方で
私の寿命はあと4000文字
そら
そら
蓮
蓮
そら
蓮
あぁ
命が恋しくて
時間が愛おしくてたまらない
蓮ともっと話したい
それから言葉を話すことが不安になった
楽しかった1日の終わりに必ず泣いた
蓮といる楽しい時間の後に
楽しかった分だけ…
私の寿命はあと3000文字
そら
蓮
そら
そら
その日は蓮の前だからか
自分でも訳の分からないことを呟いた
蓮
蓮は最初
戸惑っていたけど
蓮
そら
蓮
蓮
蓮
蓮
そら
そら
そら
蓮の一言で心がふわっと軽くなった
それでも
私の寿命はあと2000文字
そら
そら
そら
お母さん
お母さん
お母さん
お父さん
お父さん
"お帰り"
その言葉を私はあと何回聞けるのだろう
お母さんごめんなさい。 期待に添えないことばかりで… お父さんごめんなさい。 誰よりも遅く産まれたのに、誰よりも早く死ぬかもしれなくなってしまって… ごめんなさい。 今はこの言葉しか言えない…
私の寿命はあと1000文字
そら
あかり
そら
あかり
そら
あかり
そら
そら
あかり
あかりには余命の事を話していない
理由はただ
悲しませたくないから
そして
死にたくなくならないように
私の余命はあと500文字
この日もいつもと同じように屋上に来た
でもその日は何かが違って…
そら
蓮
蓮
蓮
そら
蓮
蓮
そら
蓮
蓮
そら
蓮
そら
蓮
蓮
蓮
そら
心臓がドキドキする
そら
あぁ、なんで気づかなかったんだろう。
そら
蓮
そら
そら
ドク
ドク
ドク
そら
蓮
蓮
最後の2文字。たった二文字が伝えられぬまま私は死んでしまうのか。そう思うとなんだか悔しくなった。それと同時に胸の奥がズキズキと痛む。それでもと必死に口を動かす。ダメだと思っても必死に…
そら
掠れた声。 「好き」その言葉が私が蓮に伝えた最後の言葉となった
この学校にはある伝説がある
屋上に行き、そこで告白し合った者たちは永遠に結ばれるということ
そして今日もまた
愛し合う者たちがうまれる
"そらがきれい"と呟いて
コメント
3件
すごいいいです!! フォロー失礼しますっ!