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恵利華

少しの間、さようなら

あいつはそういい

桜の花びらとともに散っていった

あいつと出会ったのは桜の木の下

その日は観光客で賑わっていたけど

ただ1人

笑顔が素敵な女性だけが

俺の目にはっきりと映りこんだ

ふと現実に戻ると

何故だかその女性は手を振りながら

俺のもとへ駆け寄って来た

恵利華

ねぇ、きみ

奏太

な、なんですか?

恵利華

私のこと、見てとでしょ

奏太

別に

恵利華

嘘つけ~

見ていた

確かに俺はこの女性を見つめていた

しかしそこまで見つめていた 訳でもないし…

奏太

何もないなら

奏太

もう行きますよ?

恵利華

ちょ、ま、まって!

奏太

なんですか、さっきから

恵利華

じ、実はさ

恵利華

私、今

恵利華

親と喧嘩しちゃってさ~

奏太

まて、まて

恵利華

お、おぉ

恵利華

どうした?

奏太

イヤな予感がする

恵利華

そんなことないよ~

恵利華

まぁ、そういうことだからさ~

恵利華

帰る家がな…

奏太

まて、まて

奏太

やっぱりイヤな予感がする

恵利華

あ~、もう

恵利華

とにかく最後まで聞いて!

奏太

はぁ

恵利華

一言

恵利華

泊め…

奏太

いやです

恵利華

いやまだなん…

奏太

とにかくいやです

奏太

では

恵利華

あっ、ちょっ

恵利華

も~

恵利華

そうだ!

スタスタ

スタスタ

何故か後ろから足音が聞こえるんだが

まさか!

奏太

クル

奏太

着いてこないでください

恵利華

ばれちゃった?

恵利華

お願いだから

恵利華

泊めてよ~

奏太

いやです

恵利華

そこまで言うなら…

恵利華

誰か泊め…(クソデカボイス

奏太

わかった、わかったから!

奏太

泊めればいいんだろ

奏太

泊めれば

恵利華

そう言うこと~

恵利華

ほら、いくぞ~!

奏太

なんであなたが

奏太

というか家はこっち

恵利華

え?!

恵利華

じゃあ次こそいくぞ~!

奏太

はい、はい

奏太

つきましたよ

恵利華

お~

恵利華

マンション!

恵利華

ちなみに中は…

奏太

あっ、勝手に開けないで…って

奏太

遅かったか

恵利華

普通

奏太

普通ですみませんね

恵利華

ガサ

恵利華

これ何?

恵利華

大量にあるけど

恵利華

薬?

恵利華

奏太

関係ないです

この日から恵利華という女性が 泊まることになった

なんやかんやあって一週間後

恵利華

このハンバーグ美味しい!

奏太

奏太

いつまで居る気ですか?

恵利華

恵利華

そうだな~

恵利華

一生?

奏太

はぁ?

恵利華

冗談だって~

恵利華

まぁまぁ

恵利華

はい

恵利華

ハンバーグ!

グイ

奏太

パク

恵利華

美味しいでしょう?

奏太

ま、まぁ///

そしてまた一週間後

奏太

まだ帰らないんですか?

恵利華

へ?そうだけど?

奏太

そうだけどって

奏太

そろそら帰ってください

恵利華

恵利華

分かってるって~

そのまた一週間後

奏太

恵利華

恵利華

あ、あの~

恵利華

なんか話してくれないと怖いよ~

奏太

出ていってください

恵利華

え?

奏太

出てけって言ってるんです!

恵利華

ビクッ

奏太

いつまで居る気ですか?

奏太

親も心配してるでしょ?

恵利華

恵利華

そ、そうだよね

恵利華

わかった

恵利華

帰るよ

奏太

そうですか

恵利華

でもこれだけは聞いて!

恵利華

私はもっとここに居たい

奏太

こちらとしては迷惑です

恵利華

それは!

恵利華

あなたのことが好きだから!

奏太

え?

恵利華

でも、もういかないとね

恵利華

じゃあね

奏太

ちょっ

バタン

奏太

奏太

チッ

ガチャ

バタン

ハァハァハァハァ

あぁ

なんで今さら気づいたんだろう

仕事で上手くいかなかった時

いつも笑顔で慰めてくれたのは あいつだった

退屈でつまらなかった世界を

鮮やかな色で溢れさせてくれたのも あいつだ

好きだ

俺もあいつのことが好きだ

いや

誰よりも愛している

恵利華

奏太

恵利華!

恵利華

か、奏太?

恵利華

ご、ごめんね

恵利華

すぐいくよ

奏太

まて!

奏太

俺も

奏太

俺も

恵利華

やめて!

恵利華

もうこれ以上

恵利華

もう、いやだ…

恵利華

裏切られるのは、もう

恵利華

私は

恵利華

友達にも

恵利華

家族にも裏切られた

恵利華

限界だった

恵利華

だから私はあの日

恵利華

"自殺した"

奏太

ど、どういう意味だよ

恵利華

奏太

恵利華

ありがとう

恵利華

でも、もう充分よ

恵利華

奏太

恵利華

少しの間、さようなら

サァー

"少しの間"

あいつは俺にそう告げた

知っていたんだなあいつは

俺の命があとわずかなことを

でも、もういいんだ

あと、もう少しであいつに会えるから

恵利華

少しの間、待っていてくれ

そして俺達は

"少しの間"の約束をした

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