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昔々あるところに
三匹の子豚が住んでいました
三匹は自立のために家を出て
長男は藁 次男は木 三男はレンガの家を造りました
ところが,狼がやってきて
藁の家を吹き飛ばし 木の家を燃やし
長男と次男をペロリ 食べてしまいました
ところが レンガの家だけは壊せません
そこで屋根から登って 侵入しようとしたところ
熱い鍋の中に落ちて 大火傷をして逃げて行きました
その続きのお話です
◯月×日
今日はいいことがありました
息子が日記を買ってくれたのです
誕生日プレゼント,とのことです
私はこれまで趣味で文章を書く ということをしたことがなかったので
これを機に始めてみたいと思います
◯月××日
私は前から豚の母親が嫌いでした
私達肉食動物とは関わるなと 子供に教育を施していたのです
また,子供達三人を 自立のためと無責任に外へ放ってしまいました
そしてあろうことか
うちは押しかけ 「子供二人を殺したのはお前か」 と
私の息子に尋問を始めたのです
しかも,息子は 首を縦に振ったのです
一体どういうことでしょうか
驚きで声も出ませんでした
私もあの女を追い出しました
あの女の息子
食いしん坊で ブクブク太った長男と
寝てばっかりで何もしない 次男が行方不明になったとは知っていました
しかし,家から追い出しておいて
同じ教育者としてあり得ません
二度と来ないでくれといいました
そうです
息子は尋問されたのではなく
厚をかけて誘導尋問したのです
成長途中の息子にいからぬ衝撃を与えてしまって…
非常な腹が立ちました
今日は息子に迷惑をかけたので
大好きなビーフシチューを 作ってあげたいと思います
◯月×△日
今日は不思議なことがありました
あの子が帰ってくるなり 手も洗わず部屋に閉じこもってしまいました
きっと,この間の無責任女の襲来で心を疲れさせてしまったのでしょう
ひとまずそっとしておこうと思います
それに,晩ご飯も扉の前に置いておいたらきちんと食べてくれました
相変わらず米粒ひとつも残さず 作りがいを感じます
◯月×□日
あの子が閉じこもって早くも1週間が経ちます
あの子はトイレ以外部屋から出てきません
風呂にも入っていないようです
少し困りました
別に一日中家にいても悪いというわけではありませんが
運動をしないと身体にもよくないですし
心配です
私は母子家庭であの子は唯一の宝物
息子を精神的に追い詰めたあいつがとても憎いです
◯月♢日
今日も部屋から出てくる気配はありません
同じ家に住んでいるのに もう何日も彼を見ていません
どうして?
まさか,本当に殺してしまって…
まさか…
いや,違います
私の息子は人殺しでもなければ 引きこもり,ニートでもない
今は自身の心のケアをしているのです
私はそっと見守るしかありません
△月◯日
今日息子が眠った隙にお風呂に入れようと浴室へ連れて行きました
バレないように食事に睡眠薬を入れてしまったのですが…
大きくなった息子は とても重く, 「生きている」 というのを心から感じました
ここから事件が起きました
服を脱がせたときです
背中に焼けただれた皮膚が見えたのです
私はショックで言葉を失いました
そのあと息子が起きたあと
話を聞きました
今日はもう無理です
◯月×△日
あの日息子から聞いた話を書きたいと思います
息子は最初は黙っていましたが ポツリポツリと話し始めました
二人の子豚を食べたこと
三匹目を食べようと屋根から入ったら 熱い鍋の中に落ちて大火傷をしたこと
そして,その時 「人殺し」 と言われてようやく 罪に気づいたこと
ようやく全て分かりました
あの子が人殺しを否定したのは 私に責任を感じさせないため
そして火傷を隠したのは 治療費を私に払わせないため
なにより今話したのは
これ以上私を苦しめないため
なんと優しい子なんでしょう
そうなると許せないのは あの豚共です
殺してやりたい…
この子を守れるのは私だけだ
□月◯日
とうとう季節も変わってしまいました
私は大きな爆弾を作りました
今日はあの豚共の四十九日
三男は実家にやってきます
それを私の手で あの世に
葬ってやるのです
地獄に落ちろ
そう思いスイッチを押しました
私はあの家が見えるところにいたのですが爆発する様子はありません
ふと大きな音がした後ろを見ると
私の家が燃えていました
子供達を殺された
あの忌まわしい狼に
三男は狼が殺したというので
実際確認しに行くと 本当のようでした
そのあとあの狼は 三男を殺そうとしたようですが失敗
大火傷を負ったのです
しかしそれでは満足いきません
私は狼の母が日記をつけていることを知っていたので
狼に毎日日記を確認して
何かあれば私に教えてくれ,と言いました
そうすれば全て許してやるし 私は二度とお前の所へこない,と
あいつは馬鹿だったので すぐにのっかり
あいつを誘い込みました
そこにあいつに催眠をかけ
洗脳して行きました
するとその数ヶ月後
あの馬鹿母が 私たちを殺そうとしたと聞きました
だから私は 狼に家にいるよう言い聞かせ
爆弾を解除し
狼の家に設置しました
ねぇ…狼の母親さん
これが私達の復讐です
息子さんは今頃地獄にいますよ
だからあなたも… 彼の元は向かってはいかがですか?
その数日後 狼の母親は自殺しました