コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
遠い遠い昔の話。
とある村の村人は、お互い助け合いながら自給自足の生活を送っていた。
村人たちの食料の大きな助けとなったのは、近くにある森であった。
野草や動物も多く、人々はそこで狩りをして暮らしていた。
しかしある時から、上半身は女の姿、下半身は蜘蛛の姿である「蜘蛛女」と呼ばれる妖怪が森に現れるようになった。
蜘蛛女の存在を恐れた村人たちは、蜘蛛女を退治するために何人かを森に送ったが、二度と帰ってくることはなかった。
このままでは食べていけない。
痺れを切らした村人は、腕のいい妖怪退治屋──名を吉助という─に頼み、蜘蛛女を退治してもらうことにした。
吉助は蜘蛛女の住処とされる森に足を踏み入れる。
ザッザッザッ
森の静寂に、足音だけが響きわたる。
瞬間、
ズオォッ
体を突き抜ける凄まじい妖気に、吉助は身構える。
顔を上げると、そこには巨大な蜘蛛女の姿があった。
蜘蛛女
蜘蛛女
妖気に威圧されながらも、吉助は蜘蛛女の心臓目がけて矢を放った。
まずは1発。
蜘蛛女
すると蜘蛛女はうめき声をあげてその場に倒れた。
おかしい。
急所とはいえ、矢一本程度では倒れないはずなのに。
驚いたことに、蜘蛛女はみるみる小さくなっていく。
人間位の大きさになったころ、蜘蛛女は掠れるような声で言った。
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
なぜ村人を襲う、と吉助が尋ねると、蜘蛛女は涙ながらに言った。
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
蜘蛛女
座りこんで頭を下げる蜘蛛女を前に、吉助は呆然としていた。
しかし、すぐに吉助は蜘蛛女の前に膝をついて、ゆっくりと話し始めた。
吉助
吉助
吉助
吉助の言葉に、蜘蛛女は体を震わせる。
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
吉助
そう言うと、吉助は蜘蛛女に札を貼った。
すると、蜘蛛女は灰になり、風にのって消えた。
吉助は手を合わせると、元来た道を引き返した。
村に戻るやいなや、吉助は村人に囲まれた。
村人
村人の言葉に、吉助は静かに頷く。
村人たちはわっと歓声をあげる。
皆口々に吉助を褒めたたえた。
村人
村人
村人
吉助は何も言わなかった。