TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

俺の話を聞いてくれた

紫陽は凄く変わった子供だった

俺と同じ年齢にも関わらず

外で遊ぶことはないそうだ

公園で遊ぶことも

海に行くとこも

山に登ることも

他の人と一緒に遊ぶことも

ないそうだ

俺はそんな彼女に色んな所を

連れてってあげることになった

我が儘な彼奴に振り回され

とても疲れたが

何だがとても楽しかった

でも何で外駄目なんだ?

紫陽

私はインドア派だから

と彼女は言ったが

九井 一

そんなインドア派のお前が

九井 一

外で遊びたいと言うとはな

紫陽

いや、あのね!!

紫陽

心代わりって言うのがあるのよ

紫陽

知ってる?

九井 一

そんなことは知ってるさ

紫陽

だったら分かるでしょ?

九井 一

分からんな~

白々しい態度をとったら

紫陽はとても不機嫌になり

紫陽

ねぇわざと私に
喋らせようとしてる?

九井 一

お前がそう思うだけ
じゃないか?

紫陽

ふぅーん?

紫陽

そんなこと言っていいんだ笑

九井 一

なんだよ?

紫陽

私の機嫌を悪くさせた罪で

紫陽

何か美味しい食べ物を
買いなさい!!

九井 一

はぁダルいな

紫陽

何?なんか文句ある?

九井 一

(まぁ金だけはあるからな)

九井 一

はいはい

紫陽

やったー!!

紫陽

わー何此処お洒落~!!

九井 一

そうだろ

九井 一

"彼奴"とのお気に入りの場所
なんだ

紫陽

九井 一

なんだ?

紫陽

また暗いかーお

モニュ

九井 一

何すんだよ

紫陽

アハハ変な顔 笑

九井 一

何だよ

九井 一

お菓子買わないぞ

紫陽

むむごめんな…さい

九井 一

はいはい

九井 一

じゃあ買うぞ~

紫陽

はーい

紫陽

何このクレープ

紫陽

おいしー

九井 一

だろ(ニコッ

紫陽

待ってあのクレープも食べたい

九井 一

はいはい

紫陽はとても白い肌をしている

夏の暑さに溶けそうなほど

だが今日は一段と白い

というか青白い

これじゃまるで死人のようだ!!

紫陽

ねぇ次彼処の所行きたい

九井 一

そうだな…

九井 一

あぁ暑いからアイスクリーム屋

九井 一

とかどうだ?

紫陽

いいね!!

紫陽

私アイスクリーム食べ

一瞬の出来事だった

紫陽は力なく倒れた

咄嗟に掴んだが

その姿は

とても痛々しかった

九井 一

紫陽どうしたんだ

九井 一

(焦るな焦るな)

九井 一

(冷静に判断しろ)

九井 一

あぁ焦るなよ

九井 一

俺…

何とか無事に病院に 搬送されたが

容態は良くないらしい

?¿

こんにちは

九井 一

あっはい

九井 一

こんにちは

?¿

貴方が九井一くんかしら?

九井 一

はいそうです

九井 一

(誰だこの人は?)

?¿

私さ紫陽の母です

紫陽の母

娘がいつもお世話になっています

九井 一

は、はぁ

紫陽の母

娘の事を話したく貴方に
声を掛けたのです

九井 一

し、紫陽はどうしたんですか?

紫陽の母

やはり何も聞いてないんですね

九井 一

はい

紫陽の母

紫陽は生まれつき身体が
弱かったんです

九井 一

(なんだその話)

九井 一

(聞いたことねぇぞ)

紫陽の母

何度も入院して

紫陽の母

でも紫陽の身体は
良くなりませんでした

紫陽の母

紫陽は余命宣告を受けました

九井 一

は?

紫陽の母

もう一ヶ月の命だったんです

九井 一

そん…な

病院の先生

紫陽の治療が完了しました

紫陽の母

はい

病院の先生

ただ今日が山場でしょう

紫陽の母

はい

九井 一

何で何でだよ!!

病院の先生

紫陽さんの病室はこちらです

紫陽の母

九井さんが行ってください

九井 一

母親の貴方の方が

九井 一

紫陽は喜ぶのでは?

紫陽の母

私なんかより貴方の方がきっと

九井 一

紫陽…

紫陽

あっ君か

九井 一

ポロポロ

紫陽

男なのに泣くとかダサいよ

九井 一

男とか関係ねぇよ!!

九井 一

何で話してくれなかった

紫陽

泣いたって話たって

紫陽

何も変わらないよ

九井 一

思い出は作ることはできる

紫陽

私は貴女と出会えてとても幸せよ

紫陽

もうこれで十分何も望まない

九井 一

紫陽…

紫陽

私との出会いなんて
ひと夏の思い出にして

紫陽

そのまま忘れればいい

九井 一

そんなことできねぇよ

紫陽

いい?九井一

紫陽

人生は出会いと別れの連続なの

紫陽

そんな中で別れる
私なんて簡単に忘れるのよ

九井 一

死別はちげぇよ

九井 一

死んだらもう会えないんだぜ?

九井 一

どんなに願っても

九井 一

どんなに後悔しても

紫陽

そうね君はそういった人間だったね

九井 一

紫陽

紫陽

最後に君に出会えて

紫陽

幸せだった

九井 一

最後って

九井 一

まだ、まだ俺はお前と

紫陽

九井一君は

紫陽

幸せに生きて…

ピー

九井 一

紫陽、

九井 一

紫陽なぁ目を覚ませよ

九井 一

まだ連れていきたい
場所沢山あるんだ

九井 一

まだ死なないでくれ

九井 一

紫陽!!

葬式は速やかに執り行われた

俺は涙を流すことは出来なかった

いや枯らしてしまったんだ

お前が死んだあの時に

なぁ紫陽

俺も御前と出会えて

とても幸せだった

紫陽の言葉は

夏の暑さと共に溶けて

俺の中には染み込んだ

永遠に忘れることなんて

しねぇよ

ひと夏の思い出何かにするものか

loading

この作品はいかがでしたか?

0

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚