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一番星のキミに恋するほどに切なくて。

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一番星のキミに恋するほどに切なくて。

1 - 一番星のキミに恋するほどに切なくて。

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2022年05月31日

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涼太

「歩けるか?」

亮平

「あ………うん」

亮平

しばらくして、涼太さんが僕の手を
引いて歩きだす。
言葉にできないから、せめて繋がって
いたくて、僕は繋いだ手をギュッと
力を入れる。
すると、まるで返事するかのように、
涼太さんも手を握り返してくれた。
そして僕達は、手を繋ぎながら会話
らしい会話なんてなく、駐車場へと、
向かった。
ーバタン(閉まる音)

涼太

「……これ、羽織ってろ」

亮平

「うん……ありがとう」

亮平

車に乗り込むと、涼太さんの着ていた
ジャケットを僕に手渡す。
あ……暖かい……。
涼太さんの体温を感じると、安心する。

涼太

「行くぞ」

亮平

「あ、あの……涼太さん」

亮平

車を走らせうとする涼太さんに、
僕はたまらず話しかけた。

涼太

「……どうした?」

亮平

「どうして、優しくしてくれるの?」

亮平

ずっと、気になっていた。
僕のために、そこまで必死になって
くれる理由がわからない。
優しくしてくれる理由を知りたい。
僕に、そこまでの価値があるの?

亮平

「何も聞かずにいてくれるのは、
どうして?」

亮平

僕はどんなに優しくされても、なにも
話せないのに。

涼太

「俺は……亮平のことちゃんと見てる
つもりだった」

亮平

涼太さんは前を見つめたまま、話し出す

涼太

「お前は拾ったときから、なにか
あるんだろうってことは想像できた。
けどよ、誰だって、話したくても
話せないことがあんだろ」

亮平

「あ……」

亮平

それは、涼太さんにもあるってこと?
話したくても話せない、抱えている秘密
が。

涼太

「だから、俺はお前に聞かねぇかわり
に、自分で答えを探す。
亮平、お前がなにを抱えてんのか……」

亮平

すると、涼太さん橋線を僕に移し、
そのまま見つめられる。

涼太

「1人になんてしないよ。
だから俺を信じろ」

亮平

そう言って頭をなでてくれる涼太さん
に、僕は泣いてしまった。
僕はもうとっくに、涼太さんを
信じてる。
この人のそばにいる間は、その間だけは
くるしい時間を忘れられたから……。

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