【参加型】七つの罪の花は今

・特大遅刻かましてるハロウィン番外編です ・突貫工事なので、それぞれの仮装は完全に作者の独断と偏見です ・何でもいいよという方だけお楽しみください

※ここはまだ10月31日です

※ここはまだ10月31日です。

エシェが外出から戻ると、扉の後ろからレジアが姿を現した。 「トリック・オア・トリート」と言ってエシェに菓子をねだっている。

その台詞を聞いて、エシェは今日がハロウィンであったということを思い出す。

──そしてどんな偶然か、ポケットをまさぐったエシェは 個包装のチョコレートを見つけた。 それをレジアに差し出すと、レジアはぱあっと顔を輝かせる。

エシェからチョコレートを受け取ると、楽しそうな表情をしたレジアはそれを口に入れた。小さなチョコレートを味わいながら食べているようだった。

笑顔でそう言うレジアを見て、エシェは暴食の悪魔の名は伊達では無いなということを実感した。

子供達の間では、ハロウィンは仮装をしてお菓子を貰いに街を練り歩くイベントだという認識なのだろう。 いや、少なくともエシェの目の前の悪魔は子供ではないのだが。

エシェはじとりとレジアを見つめる。 顔にはツギハギのようなメイクが施されており、いかにもといった様子だ。

レジアがそう言いながらローブを脱ぎ捨てる。 ローブの下の服装は、いつもよりも大分ラフな格好だった。 そして、雰囲気作りからか服の裾などが一部破けていた。

2人が食堂に足を踏み入れると、スポンジケーキが焼きあがった時のような甘い香りが漂う。 それを嗅いで、レジアが目をキラキラとさせる。

キッチンの方から、ひょこりととある人物が顔を出した。

泣が何かを企んでいるような表情を浮かべる。 「仮装をしていないのは自分だけ」という言葉を聞いて、エシェは他3人の顔を思い浮かべた。

エシェは頭につけた獣耳のカチューシャを見つめる。 どうやら、泣達がエシェの仮装に選んだのは狼男のようだった。

そして、エシェはまじまじとローザと泣を見つめる。 2人もそれぞれ仮装をしている。

ローザ達に半ば引っ張られるようにして、手首を掴まれたエシェは3人の元へと案内される。

2人の言っていた通り、3人もそれぞれの服装に身を包んでいた。

吸血鬼、オバケ、そして死神。 まさに三者三様といった様子だった。まぁ、それを考えたのは泣達なのだろうが。

仮装用に渡されたという毛布にくるまっていたレジェン。 一度起き上がり顔を出したが、椅子に座り直すと再び毛布にくるまった。

ガヤガヤとしている仲間達を眺めるエシェ。 ……その視線は、どこか愛おしげなものだった。

──この平和な日常が、いつまでも続きますように。 そんなことを思いながら。