スイ
……大変です、皆さん。
マドカ
どうしたんですか?
ザイン
ただ事じゃなさそうだね。どうしたの?
スイ
この学校に地下室があるらしいんです。
それも今調査している研究所と関係のある。
それも今調査している研究所と関係のある。
スイ
……先生。単刀直入に聞きます。
スイ
先生はこのことを知っていますか?
クリアトーレ
はて? 何のことでしょうか……?
クリアトーレ
そんな噂、一切聞いたことはありませんね……。
クリアトーレはぽかんとしながら首を傾げて答える。 クリアトーレの反応的に、彼の言っていることは本当の様だった。
マドカ
先生でも知らないということは……
ザイン
そんなものは元々無いか、
それとも秘密にされているのか……。
それとも秘密にされているのか……。
ザイン
十分内密にしないと先生すら知らないなんてこと有り得ないとは思うけど。
スイ
そうですよね……。
クリアトーレ
スイさんはその地下室に入りたいのですか?
私に出来ることならしますよ。
私に出来ることならしますよ。
スイ
まぁ……出来れば入ってきてほしいと言われたので。
クリアトーレ
分かりました。1日だけ時間をください。
その地下室について調べてみます。
その地下室について調べてみます。
クリアトーレ
その地下室の場所についてはまた明日話し合いましょう。
クリアトーレ
スイさんはその情報を教えてくださった方から何か他に情報が無いか聞いていただけると助かります。
クリアトーレ
マドカさんとザインさんは……
引き続き調査をお願いします。
引き続き調査をお願いします。
スイ
分かりました。ありがとうございます。
クリアトーレ
いえいえ。大切な生徒からの頼みですので。
クリアトーレ
おっと……そろそろ時間ですね。
ではまた放課後にお会いしましょう。
ではまた放課後にお会いしましょう。
コツコツ……
ザイン
ふぅ……やっぱり先生が味方にいると助かるね。
僕達じゃ調べようのないところも調べられる。
僕達じゃ調べようのないところも調べられる。
ザイン
職員室とかは僕達じゃ長居できないから先生が居ると助かるしね。
スイ
大人が居るという安心感が凄いですよね……。
マドカ
でも……どうして先生はあたし達の活動を止めなかったんですかね?
マドカ
まだ子供の遊びだって思って本気にしていない可能性も有り得るんじゃ?
スイ
それもそうだけど……今は先生が何か地下室について調べてくれるのを待つだけだよ。
スイ
先輩も言った通り、地下室についての重要な情報がありそうな職員室は私達じゃ調べられそうにないから。
マドカ
……先輩が言うならそうですよね!
先生のことを信じて待ちましょう!
先生のことを信じて待ちましょう!
ザイン
えっと……?
突如豹変したマドカを見たザインは少し困惑している。 そりゃあ当然だろう。
スイ
あ……。
あまり気にしないであげてください。
あまり気にしないであげてください。
ザイン
う、うん。
よく分からないけど分かったよ。
よく分からないけど分かったよ。
ザイン
とりあえず、明日まで僕に出来ることはあまり無さそうだね。
ザイン
スイちゃんの言った通り、先生が何かいい情報を入手してくれているのを待つだけみたいだ。
マドカ
……それじゃあ、暇なら先輩も放課後聞き込みに行きませんか?
スイ
え、マドカちゃん、それは私がやるから───
ザイン
……いいねそれ。悪くない。
ザイン
ということで、僕もお邪魔してもいいかな?
スイ
え、えっと……。
ザイン
あぁ、何か不都合があるならいいよ。
スイ
あ、いえ! 不都合なことは無いんですが……。
マドカ
あの2人に先輩の紹介も出来るじゃないですか。あたしはいいと思ってますよ。
スイ
それはマドカちゃんが提案したからじゃないかな……?
スイ
分かりました。
放課後、知り合いのやってる診療所まで案内しますね。
放課後、知り合いのやってる診療所まで案内しますね。
ザイン
うん、ありがとう。
霽月
へぇー。
霽月
スイが彼氏でも紹介しに来たのかと思ったよ。
スイ
そんな訳ないじゃないですか!?
マドカ
え? 何考えてるんですか?
どうしたらそんな考えに行き着くんですか?
どうしたらそんな考えに行き着くんですか?
スイ
ちょっと言い方が強いけどスイちゃんの言う通りですよ!
マドカ
だって先輩に下心を持って近付く輩はあたしが潰してるんですからそんなことある訳ないでしょう!
霽月
???
スイ
???
ザイン
???
霽月
あんた……
崇拝型&他者排除型のヤンデレだったなんて。
崇拝型&他者排除型のヤンデレだったなんて。
霽月
今のヤンデレって凄いんだね。
ザイン
ぼ、僕、スイちゃんに下心を持って近付いてると勘違いされかねないってこと?
マドカ
そういうのが1mmでもあったら私は気付きますからね?
ザイン
こっ、後輩から脅されてるぅ〜……。
霽月
でも、そこの……ザインだっけ?
霽月
あんたがスイに下心を持って近付いているようには見えないけど。
霽月
マドカは……
霽月
……。
霽月
……ちょっとあたしには分からないや。
霽月は少し溜めた後、目を逸らしながらそう言った。
ザイン
そうだよ!
ザイン
先輩たるもの、後輩に手を出す様なことはしないから安心して。
マドカ
もしもあたしの先輩に手を出すようなことがあったら?
ザイン
そしたらぶん殴ってくれて構わないよ。
霽月
んねぇ……
霽月
イザヤ呼んできた方がいい?
スイ
お願いします……。
ザイン
……イザヤ?
ザイン
それってあのイザヤさんかい?
霽月
何言ってるか分かんないけど……
イザヤはイザヤ。
イザヤはイザヤ。
ザイン
よく見たらここは彼の診療所……!?
マドカ
先輩イザヤさんと何かあったんですか?
ザイン
イザヤさん……彼は僕の憧れなんだ。
ザイン
昔、彼に憧れて医学を勉強し始めたんだ。
彼には遠く及ばなかったけどね。
彼には遠く及ばなかったけどね。
ザイン
今でも勿論僕の憧れさ!
少し興奮気味に語るザイン。 憧れの人物と会えるという事実への興奮が隠しきれていない様だった。
イザヤ
おい霽月、部屋くらい片付け───
霽月
……あ、イザヤ。
いいところに来たね。
いいところに来たね。
ザイン
本当にイザヤさんじゃないか!
サイン貰ってもいいですか!?
サイン貰ってもいいですか!?
イザヤ
は?
ザイン
いやぁ、ずっと密かに会いたいと思っていたんだ!
ザイン
君達には感謝してもしきれないよ。
霽月
……うん。ヨカッタネ。
イザヤ
誰かと思えば……あの時の子供か。
久しぶりだな。
久しぶりだな。
イザヤ
にしても成長したんだな。
ザイン
貴方に会うためにここまで成長してきたと言っても過言ではありません!
霽月
(何言ってんの???)
スイ
……???
イザヤ
それで、今日はどうしてザインを連れて来たんだ?
イザヤ
会う予定なんて無かったよな?
スイ
あ、暇だったからです。
スイ
暇ならイザヤさん達と知り合いに会ってみないか、っていうマドカちゃんの提案で。
スイ
そしたらこうなりました。
イザヤ
……うん、何となくなら分かった。
イザヤ
とりあえず、夕食でも食べていくか?
霽月
あ、いいの?
イザヤ
お前はいつも食べてるだろ。
ザイン
いいんですか!?
イザヤ
お前が嫌じゃなければいいんだが。
ザイン
いいえ是非!!!
ザイン
というか食べさせてください!!!
霽月
(なんか……)
霽月
(今のザインからはどことなくマドカと同じ空気を感じるなぁ……。)
霽月
(なんか似てるなぁ。)
次回:2025年4月8日