部活終わりで疲れ切っていた
暑くも寒くもない温度で丁度良かった
歩道を歩いていると目の前に猫がいた
真っ白でまるで雪に包まれているような猫
近づこうとするとすぐ俺の傍を離れていった
別にどうでもいいけど
その時声が聞こえた
おじさん
国見 英
そこにはさっきの猫と女がいる
確か同じクラスの”七咲 百花”
トラックを目の前に轢かれそうになっている
面倒臭い事を避ける俺が何故か咄嗟に
助けるという行動をとった
国見 英
国見 英
近くで初めて見た
彼女の瞳は綺麗でくっきりした茶色
整った顔は言葉が出ない程に美しかった
七咲 百花
怖がらせたか
そう思っていると彼女が口を開いた
七咲 百花
七咲 百花
七咲 百花
礼儀正しい言葉や 申し訳なさそうにする時の表情が
理性にぶっ刺さる
国見 英
国見 英
周りが見えない程な事があったのだろうか
気になる言葉を飲み込み
国見 英
別れの言葉を言う
その時
彼女の声が聞こえた
七咲 百花
吃驚した
教室でもこんな元気に話す 七咲の姿は見たことない
国見 英
何か気になる点でもあったか
そう考えていると衝撃な言葉が
七咲 百花
国見 英
なんでこんな奴が俺の事?
こんな短時間で好きになる 馬鹿が何処にいる
一瞬で俺の甘い時間は過ぎ去った
七咲 百花
七咲 百花
面倒臭さ
友達とかなってもなんもする事ないだろ
国見 英
国見 英
国見 英
七咲 百花
国見 英
国見 英
七咲 百花
女でも関係ない
面倒臭い事は面倒臭いって言っとかないと
きつい口調ではあったが俺は全然気にしていない
別に気にする理由もないから
翌日
朝の会が終わりゆっくり寝ていた
歩きたくもないくらいのんびりしたい
大きな欠伸をした俺は背筋を伸ばした。
その時彼奴が視界に入った
七咲 百花
何か悩んでるような表情をしていた
眉間に皺を寄せ首を傾げたり
それがまた”可愛い”と感じてしまった
国見 英
何彼奴の事を考えてんだ俺
別に俺には関係ないし
でも、そう思っていても
一日中彼奴の事で頭がいっぱいだった
時間は過ぎ放課後になった
数学プリントを家に忘れて居残りをさせられている
国見 英
黙々と問いているとドアが開いた
ハゲ野郎(数学先生)かと思ったが 全然違った
一気に俺の鼓動が激しくなった
国見 英
やばいくらい心臓が五月蝿い
ドアを開けたのは七咲百花だった
その時七咲が口を開いた
七咲 百花
何故か顔が赤い
夕日で赤くなって見えるのか
国見 英
次の瞬間彼女は言った
七咲 百花
七咲 百花
国見 英
”好き”
そんなの別にどうでもいい
色んな女子からそんなこと言われても きもいとしか思わない
でも
国見 英
そんな感情が出てこなかった
七咲 百花
七咲 百花
俺は無意識に口に出していた
国見 英
国見 英
国見 英
なんっだこのきもいセリフ
自分に引いている
でもそんな事思ってないと 言うように彼女は言った
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
国見 英
国見 英
思ってもないことを口に出してしまう
でも、なんて言うか
此奴といると落ち着く
七咲 百花
七咲 百花
国見 英
国見 英
七咲 百花
こんな事俺が言うはずないのに
いつもなら関わって来んなって言うのに
壊れたわ俺
それから色んな事があった
体育大会でも、普通の日でも 色んなあいつを知ることができた
俺も色んな感情が溢れ出てきて 自分でも分からない感情を持ってしまった
やっぱ彼奴といると安心する
楽しいと思えるようになってきた
七咲 百花
トコトコと走ってくる七咲
犬みたい
国見 英
七咲 百花
国見 英
2択
でも俺は迷いもなくすぐ言葉が出た
国見 英
七咲 百花
七咲 百花
入ったらどうしようと言う迷いはなかった
逆に入って欲しいとも少し思っていた
七咲 百花
結果は入らなかった
七咲 百花
国見 英
国見 英
国見 英
七咲 百花
七咲 百花
七咲 百花
国見 英
そのチャンスがいつまで続くか
終わるなという俺の感情が 言葉に出てしまいそうになった
それから数週間が経った今
百花は俺にあまり話し掛けて来なくなった
別にどうでもいい
どうでもいいはずなのに体が勝手に動いていた
色んな所を探し回ってやっと見つけた
国見 英
国見 英
百花の顔を久しぶりに見た
元気がない顔をしている
七咲 百花
久しぶりに聞いた声
嬉しい半分複雑な気持ちだ
何があったんだよ
そう聞く勇気が俺にはないと思っていた
でも俺はいつの間にか口に出ていた
国見 英
七咲 百花
余計な事を言ってしまったか
でも、それでも
此奴がこんなに元気がないのは
心底嫌だ
七咲 百花
国見 英
国見 英
昨日が部活休みだったのにタイミング悪
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
七咲 百花
こいつまじで可笑しくなったのか
誘ってんの
俺男なんだけど
でも、俺はこいつの 言うことを拒否なんて出来なかった
国見 英
部活が終わり猛ダッシュで 百花の家に行った
百花はまだ制服のままだった
まじで何があったんだ
俺が言葉を言う前に百花が口を開く
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
七咲 百花
こんなのいつも 聞き慣れているはずなのに
こいつの言葉が胸に詰まる
国見 英
七咲 百花
その時百花は俺を押し倒した
何だこの展開
やばい、理性がぶっ飛ぶ
そう、思っていると百花が言った
七咲 百花
七咲 百花
その彼女の表情は初めて見た
沈痛した顔をしている
それと同時に綺麗な雫が目から零れ落ちている
国見 英
国見 英
七咲 百花
この時そう思った
国見 英
国見 英
国見 英
国見 英
国見 英
安心させたい
こいつを笑顔にさせたい
七咲 百花
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
七咲 百花
七咲 百花
七咲 百花
国見 英
国見 英
七咲 百花
七咲 百花
国見 英
やっぱ俺の彼女が世界一可愛い
誰にも渡さない
七咲 百花
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
国見 英
七咲 百花
七咲 百花
かわいい
このまま時間がとまればいいのに
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