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8月28日

今日は私の友達が遊びに来ている

仁子

あ、夏帆

夏帆

どうしたの?

仁子

動画サイト見てもいい?

夏帆

良いけど、勝手に登録とかしないでね?

仁子

分かった〜

仁子は私のタブレットの画面をスワイプして

お目当ての動画を見ているようだった

夏帆

(おやつでも出してこようかな……)

夏帆

……あれ、切らしてたのか…

夏帆

仁子〜

夏帆

私ちょっとおやつ買いに行ってくるね!

仁子

はーい

そうして私が買い物から帰ってきた時

異変に気づいた

夏帆

ただいま

夏帆

……って

夏帆

何この音……

リビングから、奇妙な音が聞こえてきた

まるで、何かを押し潰しているかのような音が……

夏帆

……

私は恐る恐る部屋に近づいていった

夏帆

仁子……?

仁子

あ!

仁子

おかえりー!

夏帆

……仁子、それ

先程の音は、仁子の手元のタブレットから聞こえているようだった

仁子

あ、これ?

仁子

私のおすすめの動画なんだ〜

仁子

夏帆もちょっと見ない?

夏帆

まぁ……一応……

夏帆

ヒッッ

画面に映っていたのは

赤黒い顔をしたゾンビが

一般人を食らっている動画だった

夏帆

ウェ……ッ

夏帆

何見てるの……本当に

映画だとは思うが、内容がリアルすぎて、私は吐き気さえ覚えた

仁子

面白いでしょ、これ

仁子

ほら、こォんなに血がでてる

夏帆

っ……

夏帆

(……これが…サイコパスってやつなの……?)

仁子

あ、倒れちゃった〜

夏帆

仁子…サイコパス……だね

仁子

そう、それ!

「来た!」と思わせるくらいに目を見開いた

仁子

よく言われるんだけどさァ、それ〜

仁子

そんなにかな?

仁子

普通に笑えるじゃん?

夏帆

……

好みは、人それぞれ

私はそう丸く収め

この日を終えた

翌日

学校 5限目 体育

痛っ!

えっ、大丈夫?

ここ石あるじゃん……取り除かなきゃ

てか、血が出てるじゃん……

酷く擦りむいたね

夏帆

あの子……大丈夫かな…

仁子

……

夏帆

仁子?

仁子

血、ってさ

夏帆

仁子

綺麗だよね〜

夏帆

……

夏帆

え?

仁子

思わない?

仁子

透き通った赤

仁子

神秘的……!

夏帆

……はぁ…?

夏帆

何言ってるの……

夏帆

あ、先生呼んでくるね

夏帆

結構酷い怪我みたいだし

ごめんね……ありがとう!

仁子

あれ、夏帆、先生呼びに行くの?

夏帆

うん

仁子

えぇ〜

仁子

もっと見ていたかったんだけど、しょうがないかァ

夏帆

……

あの子

仁子ちゃんってさ……

うん……

サイコパスだよね

わかる…いくらなんでも怪我人にそれは……

仁子

どうしたの〜?

いや……

……

仁子

サイコパスね〜

仁子

よく言われるんだけど、どういうことなの?

仁子

綺麗だと思うんだけどなぁ

夏帆

冷たい何かが、背中を走った気がした

仁子ちゃんって変わってるよね〜

わかる、サイコパスってやつ?

仁子

えぇ〜またそれ〜?

仁子

普通だと思うんだけどなぁ

仁子

あ、そういえばこの前強盗で人が亡くなったんだって

仁子

カワイソー

夏帆

……

仁子

感情ってやつがよくわかんないんだよね〜

仁子

悲しいとか、怖いとか、嬉しいとかさ〜

夏帆

そ、そうなんだ……

だんだん不気味に覚えてきて

屈託のない笑顔に狂気を感じて

だんだん、仲は離れていった

そうして

事件は起こった

夏帆

部活で暗くなっちゃった……

仁子

だね〜

夏帆

……?

夏帆

(足……音?)

仁子

どうしたの〜?

仁子

……

仁子

なにこれ

夏帆

………

夏帆

仁子、人気のあるところに行こう

夏帆

あれ

夏帆

仁子?

隣には誰もいない

仁子

ヤダっ!!

夏帆

?!

後ろを振り返ると

大きな包丁を持った何かに囚われている仁子が居た

大人しくしろっ!!

お前も、それ以上近づいてみろ

コイツがどうなるか知らないぜ??!!

夏帆

仁子……!

仁子

た……

仁子

助けてっ!

仁子

夏帆!

仁子

誰か!!

うるせえ野郎だ

夏帆

あ……ぁぁ……

夏帆

(け、携帯で……)

ドカッ

夏帆

!!!

手に持っていた携帯は

石を投げられ、液晶が割れていた

夏帆

ぅ……

夏帆

うぅ…

仁子

助けてっ

仁子

タスケテェッ

その瞬間に分かったのだ

人は

いざという時に簡単に動けないことを

ほら、行くぞ

仁子

ひっ

仁子

ヒィッ!

仁子

ねえつ

仁子

夏帆ォ

仁子

夏帆オオォッ

仁子

助け…

悲鳴は急に途切れ

ズル

ズル

ズル

という音と共に

人影と仁子は

闇に溶け込んでいった

私は

時間になっても帰ってこないと心配した母に

迎えにしてもらうまで

その場に立ち尽くしていた

その後の仁子の行方は知らない

感情が分からないと言った仁子が

他人の心配より自分を優先する仁子が

目を見開き

口が裂けるくらいに叫び

私に助けを求めていた

なんだ、やっぱり普通の人じゃない

その後、ぐちゃぐちゃにされた遺体が

ゴミ捨て場から見つかったとか

見つかってないとか

この作品はいかがでしたか?

130

コメント

4

ユーザー

ひやあああ……💦 サイコパス怖い……。けど、いざと言う時はやっぱり助けを求めてしまうよね…… ゾクゾクってした……😱😱

ユーザー

お久しぶりですね、皆さん。

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