コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は王の娘
本来王女であるはずの人物
私の祖父は元王、祖父の弟が祖父を暗殺して祖父の弟が王になった、
私の祖父の娘が私の母、祖父が死んで祖父の弟が王になったから私の母も父も王にはなれなかった
その母は王家を抜けてケイラロレムの姓をもつ父と結婚した
ただ私は何故かケイラロレムという上級家系とはいえ王家とはかけ離れたもので王女であるはずの私にすれば庶民同然だった
王家であるはずなのに…
本当は王女になるはずだったのに…
カナタ・フラン・ケイラロレム
カナタ・フラン・ケイラロレム
幼少期から王の娘であるべきひとと言われたものだから私は王と幼い頃勘違いしてた
それに気づいてからも私は王と言い張ることをやめないクソガキだった
カナタ・フラン・ケイラロレム
カナタ・フラン・ケイラロレム
学生
学生
学生
当時小学2、3年生の私は世間知らずで高校生あたりに私が王って言って喧嘩売ったらボコボコにされた
それは大したことなかったけどこの後両親に怒られまくった
本来無断外出は禁止だから黙ってないといけないのに殴られたって両親に言った、私自ら
私はあらゆるものを矯正された
利き手、利き足、口癖、一人称、親の呼び方、立ち振る舞い、考え方、性格、好み、居場所、進学先、将来の職…
持つもの全てを奪われて一文なしにされて無理やり私を曲げられて叱られる
私の持つ個性の全てを壊して親の、家系の思い通りな人に変えていく…
私を壊していく大人が嫌いだった
だから私は人一倍反抗した
私[わたくし]と自分を指しなさいと言われたから私[わたし]と自らを呼ぶようにした
右利きになれと言われたから手足左利きになれるよう努力した
話し言葉は上品で敬語を使えと言われたからタメ語を使い軽く話すようにした
父上、母上と呼べと言われたから父、母と呼ぶようにした
頭を使い常識をわきまえた責任感のある子になれと言われたから自分の好きなことを自由に、好きなようにして生きていくよう決意した
王家の血を引くと、ケイラロレムの血を引くと自負し恥じない行動をしろと言われたから本来の自分のまま生きるようにした
楽観的で無責任な奴にだけはなるなと言われたから楽観的で無責任な奴になってやった
好き嫌いはやめろと言われ続けたものだから好きなものだけを好きなだけして嫌いなものはサボるようにした
自室で勉学に励み祓霊の知識を身につけろと言われたから外に行って遊びまくった
一級進学校に行けと言われたから試験日に寝坊してやった
これだけ反抗し、大小様々だけど争い、社会に適応することを放棄した私ですら逆らえない運命があった
私は祓霊者になると言う事実
嫌ではなかった、祓霊者自体は
ただ私は本当に死に接するのが嫌だった
怖かったし苦しかったし辛かった、でも祓霊者ってそんなものだ
人の死に直面し人の命であったはずの魂の集まり…霊を自ら祓霊する
本当に嫌だった
胸が痛い
人を殺している気分だった
私が17の時、祓霊者をはじめて2年目の年に5つ差の義弟ができた
当時12歳で小学6年のクソガキ、フタバが家に来た
別に当時は特別フタバが嫌いとかはなかった
ただ私が徐々にフタバが嫌いになるのには理由があった
第一に私は制限され壊され潰されているのにフタバは自由だ
これが気に入らなくて仕方ない
他人には「フタバ次期当主変わってくれないかなー」程度に行ってたけど内心穏やかなはずがなかった
楽しそうに外で遊ぶフタバに殺意が湧いた
自由に生きているフタバが憎かった
私はそう妬んでいるうちに16になり祓霊者になった
フタバ・ジュード・ケイラロレム
このクソガキは私のことを「カナタさん」って言っていた
他人行儀もはだはだしい、全ての素行に腹が立つ
カナタ・フラン・ケイラロレム
表面上は平常心を装っていた、フタバが下級の人間であることは知っていたから、
金持ちの余裕を見せつけてやるつもりだった
フタバ・ジュード・ケイラロレム
唐突にマジトーンで言われたから腹が立った
カナタ・フラン・ケイラロレム
ただその苛立ちすら下級の人間に見せる必要はないから平然を装う
思い出せば装ってばかりの人生であることは私以外にも知っている人は多いだろう
両親の理想の反対の人間であることを装い、社会不適合者であることを装い、楽観的であることを装い、無責任を装う…
フタバ・ジュード・ケイラロレム
フタバ・ジュード・ケイラロレム
フタバ・ジュード・ケイラロレム
私が言われて1番ムカつく言葉、
「遥か彼方のカナタさん」
この言葉を生み出したのはフタバだった
カナタ・フラン・ケイラロレム
私の存在を否定されているようだった
その物言いにも腹が立ったが何より私が気に入らなかったのはつまらないシャレ、
遠い意味“彼方”と私の名前の“カナタ”をかけた意味のわからないくだらないシャレ
殺意が湧いた、こいつを殺そうかと思った
つい先に口走ってしまったことが人生で唯一この時ある、
カナタ・フラン・ケイラロレム
カナタ・フラン・ケイラロレム
カナタ・フラン・ケイラロレム
カナタ・フラン・ケイラロレム
カナタ・フラン・ケイラロレム
カナタ・フラン・ケイラロレム
落ち着いている声だと自負しているけどこの時はドスのきいた低い声で落ち着いているように見せかけて怒りを露わにして言った
一番ムカついたのは図星だったから
私は他人と関わってこなかったからだから遥か彼方にいるようで存在は知ってても私を怖い人と思っている人が25になった今でもいる
考えてみたら人生の9割後悔だった
だったじゃない、後悔。
私は今25歳、26過ぎたらそろそろ私は第一線を退くべきだと思ってる
それまでに私にはしないとならないことが多く残ってる、
頼まれたことも多くある
フタバとかいうガキにはそんなの預けたくないから私が現役のうちにしておかないと
頼まれたことを先にしておくべきだった、
無責任を演じるために先延ばしなんて馬鹿らしい、
私の半生で正解の選択をした覚えはない
例えるならテストの正答と全て違うことを書いてきている
祓霊者としての最期くらいは正解を選ぶべきか
それともいっそ割り切って2点より0点の方が潔いのだろうか…
あぁ…これも後悔だ