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今日は風が少し強い。
でも、それでも私は屋上へとやってきた
教室にいても誰とも話さないし、
誰かが、話しかけてくれるわけでもない
et
何も考えずに済むから。
手すりにもたれ、遠くの空を見上げる
et
別にそれでいいけど。
でも、扉の開く音がして
その静寂はすぐに破られた
yan
振り返ると、やっぱり後輩の 赤灯くんが立っていた。
et
yan
彼は軽い調子で笑って、屋上の端に立つ
顔を上げて空を見上げるその横顔が 少しだけ気になった
yan
et
いつも同じ質問そして同じ返事。
彼は毎回同じことを飽きずに聞いてくる
yan
et
yan
彼は笑いながら首を横に振る。
yan
et
yan
唐突な言葉に私は思わず彼を見上げた。
et
yan
彼の明るい笑顔は、どこか本物のようで
偽物のようでもある
わたしは返事ができず、
視線を逸らした。
彼女はまた、何も言わずに 遠くのほうをみている。
その背中が、なんだか寂しそうに 見えるのは俺だけなのだろうか。
夕日先輩は、静かで孤独そうに見える
でもそれを口にするのは違う気がする
だから俺は、笑いながら話題を変える
yan
et
yan
et
短く返される言葉の裏には どんな感情が隠れているのだろう
yan
et
彼女の小さな声が風に流されそうで
小さくて華奢な体も風に飛ばされそうで
夕日先輩が消えていってしまいそうで
遠くの方を向くその綺麗な横顔を
俺は見つめることしかできなかった
yan
これ以上踏み込むと嫌われそうで
俺は屋上を去ることにした
夕日先輩に向けて軽く手を振る
et
yan
et
その曖昧な返事が
「また会ってもいい」
という意味に聞こえた
yan
そう言って扉をしめた瞬間 何故か俺は嬉しくなった
夕日先輩の静かなクールな声が
感情のこもってない声が
柔らかく聞こえたからだ
扉の閉まる音がして、 屋上に静けさが戻る
でも、なんだろう。
さっきまでの時間が頭から離れない
et
でも、あの子と話してると..... 少しだけ気が楽だったかも。
冷たい風が頬を撫でた。
だけど胸の奥に感じたのはほんの少しの
暖かさだった