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この雨が明けたら

第5話 - 決断

600

2023年07月24日

#不良

#いじめ

#虐待

#mrpk

#nmmn注意

セカイ破っP

kit

なんで.....血が......？

流石にこれはおかしい。

それに、最近殴られるのも妙に痛いと感じていた。

これを機に、一度病院に行くことにした。

ただ、病院には明日行くから、今日は原因のわからない痛みを伴った状態でクソジジイに殴られなければならない。

まあ、原因がわかったからって痛みがなくなるわけでもないか。

ｻﾞｰｰｰｰｰｰｰｰ

雨が降ってる。

梅雨だもんな。

父

意識失ったら離してやるからそれまで顔歪めて苦しめよなぁ！！

この雨が明けたら死のう。

この雨が、というよりも梅雨が明けたら、か。

kmm

おはよーって、あれ？

kitが来てない。

昨日は家まで送ったけど、あの後なんかあったか？

いや、今日はたまたま遅いだけかもしれないし。

そうだよな。俺の考えすぎだ。

そう言って自分を丸め込むと、席について準備を始めた。

俺は学校に行くふりをして、朝から病院に行った。

学校には来る途中で休みの電話を入れておいた。

あ、kmmにも連絡するべきだったかな。

医者

昨日夕飯を吐いちゃった時に血が一緒に出たんだっけ？

kit

はい。

医者

そもそも、どうして夕飯吐いちゃったの？気持ち悪かった？

kit

まあ、そうですね。

医者

じゃあ、この手はなに？

kit

......？

あ、吐きだこか。

医者

自分で吐き出してるでしょ。

やっぱり医者ってすごいな。

判断が早い。

医者

ちゃんと栄養のあるもの食べないから体が細くなっちゃうんだよ？

kit

はい......

ここまで見透かされると本当に返す言葉がない。

確かに夕飯も朝食も吐き出して、コンビニやスーパーの弁当ばかり食べていたら栄養も偏る。

医者

多分そのせいもあるんだろうな.......

医者

........君の.....身体の中さ、

医者

臓器が、傷ついちゃってるんだよね。

医者

この辺りは中で擦れて傷ついてるし、こっちも強い衝撃を受けて圧迫された形跡がある。

医者

不良とかヤクザでこれが少しなってるのは見たことがあるけど、君のはあまりに傷が多すぎる。

そういうことか。

腹を殴られすぎたからなんだろうな。

医者

隠すのも失礼だと思うからそのまま言うね。

医者

君はこの身体では、

長くても10年しか生きられないよ。

医者

君の傷は、中の傷にしては深くなってる。

医者

これだと回復も見込めないんだ。

医者

普段生活しているだけで、わずかながらも傷は悪化し続けてしまうから。

kit

そうなんですね。

医者

やけに聞き分けがいいね。

医者

普通の高校生なら泣き出しちゃうと思ったんだけどな。

医者

10年は長いと思ってる？

kit

いえ、かなり短いと思ってます。

kit

それに、長くても10年。

kit

それより前に死ぬ可能性だってある。

医者

理解が早いんだね。

医者

生きられる方法がないわけではないよ。

医者

君が死ぬ前にドナーが見つかれば、移植して助けることができる。

医者

だけど、もし君がそれを望まないのなら、こちらは強要することはできない。

ドナー、ね。

別に生きたくもない。

それどころか死ぬ予定だってあるんだ。

探す手間を増やさせるのは申し訳ない。

kit

だったら大丈夫です。

医者

え、

医者

どうして？

医者

さっき、自分でも言ってたでしょ？

医者

このままじゃ、10年以内に死ぬんだよ？

医者

君は今16歳。26までしか生きられないことになる。

医者

それでも？

kit

はい。僕には必要ないです。

医者

................

医者が話さなくなったタイミングを見計らって、俺は声をかけて診察室を出ようとする。

kit

話は終わりですよね。失礼します。

医者

......自分をもっと、大事にしてよ。

kit

え？

医者

今はこの決断に至ったけど、きっと選択肢はまだあるよ。

kit

.........？

医者はよくわからないことを言い出したが、俺は意味を考えながらも質問はせずに診察室を出た。

やっぱりよくわからない。

待合室でもずっと考えていたが、あの医者が言っていたことの意味がわからない。

学校には休むと連絡を入れたから、今日は学校には行かないが、家では普通に学校に行ったことになってるから、適当にいろんなところに行って時間をつぶした。

今日はkitが休みらしい。

ホームルームで先生が言っていた。

休みの理由は通院と言っていたけど、だとしたらなんで病院に？

傷が悪化した？

骨でも折れてた？

心配だな.....

あまりに心配だったので、俺は家に帰ってから電話をすることにした。

kmmに、伝えるべきか？

家に帰ってきてから、俺の身体について言うかどうかを考えていた。

いや、でもそれで変に心配かけたら...

kmm、心配性だからな。

でも、ただ病院に行ったなんて余計に心配するかな。

いろいろ考えたが、結局助けてもらったりしたし、言うのが筋かなということで、kmmには伝えることにした。

普通なら電話をかけるだろうが、俺は不思議とkmmの顔が見たくてkmmの家に向かった。

どこにいるかわからないから、大体家に帰っているであろう時間に電話をかけることにした。

スマホでLINEを開き、kmmのプロフィール画面から電話をかけようとすると、下でチャイムが鳴った。

どうせ母の客だろう。

そう思い、もう一度スマホに目線を戻すと、今度は下から母の声がした。

kmmー？お友達が来たよー

友達？

kitかな。

俺はスマホを片手に階段を降りた。

kmmの母

kmmのお友達が来るなんて小学生以来よ。

kit

え、そうなんですか？

kmmの母

ほら、あの子中学の頃からヤンチャしてたからねぇ？

kmmの母

kmmから聞いてないかしら。

kit

聞きました。異名がつくくらいの不良だったってこの前......

kmmの母

ええ。まぁ、いじめられていたから、少し踏み外してしまうのは仕方ないと考えてるわ。

kit

え？いじめられてた？

kmmの母

あっ、そっちの話は聞いてないのね。

kmmの母

まあ、kmmに聞いてみたらいいんじゃない？

kmmの母

ねっ、kmm。

kmm

母さん、余計なこと教えないでよ。

kmm

ほらkit行こ。俺の部屋。

kit

あ、うん。

俺は部屋に案内された。

自分の話を忘れて、俺はkmmに聞いた。

kit

ねぇ、kmmって、いじめられてたの...？

kmm

...............

kmm

そうだよ。

kmm

俺、中一のときいじめられてたんだよね。

kmm

しかも、kitのされてたいじめは目に見えることだったけど、俺のは陰湿なやつでさ。

kmm

学校行ったら昇降口で待ってて睨んできて、そっち気にしながら靴箱開けて靴取ろうとしたら、靴の中に画鋲と剃刀の刃が入ってて指切っちゃったり、

kmm

机に悪口書かれたり、ノート破かれたり、

kmm

あと、給食にゴミ入れられたりね。

kit

っ.........

俺のいじめだって苦しいものだけど、kmmのは誰がやったかが明確じゃないから、助けてほしくても学校は動いてくれなかったんだ。

俺は自分で言わないだけだからな。

kmm

で、いい加減我慢の限界が来て、いじめっ子たちにやり返したんだ。

kmm

そしたら、いじめっ子伝いで不良に絡まれて、喧嘩してみたら案外強くて。

kmm

そっから不良になったって感じ。

kit

そう、だったんだ。

かもめが不良になった経緯にそんなことがあったなんて、

kmm

それからは、みんな俺を怖がって友達なんてできなかったけどね。

kmm

高校に入ってからも、たまに絡んでくれるやつが1人いるだけだったから、ちゃんとした、って言えるかはわかんないけど、友達はkitが初めてだったんだ。

kit

俺が、初めて......

kmm

さっ、俺は語ったぞ。

kit

え......？

kmm

今度はkitの番だろ？

kit

そういう、ことね。

kmmに言われて、やっと自分のことを思い出した。

kmmが腹を割って話してくれたんだ。

俺も話さないとな。

kit

俺、今日病院行ってきたんだけどさ、

kmm

うん。

kit

まあ言っちゃうと、俺、あと10年くらいしか生きられないらしい。

kmm

......は？

kit

俺、家でも父親に暴力振るわれててさ、

kit

あと、中学の頃からいじめてくる不良にもまだ絡まれてて。

kit

毎日暴力が絶えなかったんだよね。

kmm

それ.......って、

kmmは察したようだ。

俺は不良なんかじゃないって。

ただ暴力を受けているだけだって。

kit

だけど、傷を心配してくれる人はいたんだ。

kit

だけど大事にしたくなくて、喧嘩したって嘘をつくようになった。

kit

そしたらそれが広まって、誰も心配してこなくなったし、それどころか近づいてくる人もいなくなったよ。

kit

あ、話が逸れたね。

kit

まあそれで、腹殴られたり蹴られたりしすぎて、臓器が傷ついてんだってさ。

kmm

臓器が、傷ついてる？

kit

うん。中で擦れたり、圧迫されて働きが低下したり。

kit

それで、こういう傷にしては深くて、もう回復の見込みもないって。

kit

それどころか、日常生活だけでもだんだん悪化していくらしい。

kmm

っ.............、

kitは、もう長くない。

それに、家庭内暴力じゃ俺は干渉したってきっと無駄だ。

でも、このままじゃ日常生活だけでも悪化し続けるのに、また傷を増やされたらきっとどんどん寿命も減っていく。

どうしたら......

きっともう、kitが10年以上生きられる未来はない。

それでもあと10年、kitが幸せに過ごせる方法はないのか？

それにもし、もしも、kitの中に自殺って選択肢があるんだとするなら、もう一年もきっとない。

kit

だからさ、俺、梅雨が明けたら、

死のうと思う。

kmm

！！

でもそれが、kitにとって1番楽なら、俺にできることは、kitを1人にしないこと。

kmm

そっ......か.....、

俺は数秒の時差がありながらも返事する。

kit

じゃあ、俺も話したし、そろそろ帰るよ。

kit

聞いてくれてありがとう。

kit

じゃあね。

ﾊﾞﾀﾝ

kmm

kit......

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予想外の展開?!続き楽しみすぎる!!!!!ムリしない程度に頑張ってください

セカイ破っP

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