kitの話を聞いてから、俺は不安で仕方なかった。
不安を少しでも和らげようと、俺はYouTubeで音楽を聴くことにした。
ホームを開くと、ある曲が目に入った。
サムネは少し角が黄ばんだ紙のような背景に、「あの夏が飽和する。」とだけ書かれている。
なかなか落ち着きを取り戻せなかった俺は、気づいたらその曲を再生していた。
「昨日人を殺したんだ」
唐突な告白から始まる曲。
梅雨時ずぶ濡れのまんま_______
今聴くのにぴったりじゃないか。
俺はすぐにその曲に聴き入った。
パートが一つ終わった後に間奏が流れる。
間奏は打楽器が多く、さっきまでの歌詞とは裏腹に、軽い音で演奏されている。
この曲は、主人公の恋人がいじめられていて、事故でいじめっ子を殺してしまい、主人公のところに「もうここには居られないから、どこか遠いところで死んでくる。」と別れを伝えに来る。
すると、主人公は否定も肯定もせず、「自分も一緒に行く。」と告げ、2人で逃避行に出る。というストーリーの曲らしい。
逃避行。
そうだ。俺たちも逃避行に出ればいい。
そうすればまだ、kitは死ななくていいかもしれない。
今日は6月17日。
天気予報を見ると、梅雨明けは近いようだ。
でも、まだ雨は降っている。
まだ、止まないでくれよ。
どうして死ぬことまでkmmに伝えたんだろう 。
自分でもよくわからなかった。
kmmに伝えれば、止めようとしてくるのはきっと目に見えていたはずだ。
.....まだ、生きていたいって思っているのか?
でも今の苦しい状況は、kmmに止められて生きたからって、そこからどうにかできるわけでもない。
結局俺は何がしたいんだよ。
自分で聞いたにしても愚問だな。
そんなこと聞いたって、結局どんどん悪い方向へ考えがいってしまう。
悪い選択肢ばかりが浮かんできて、不幸な未来しか見えない。
また、頭がぐるぐるする。
なんだよ.....
kit
kit
俺は苛立ち、手当たり次第に物を壁に投げつけた。
だけど、
スマホを手に持った時に正気に戻った。
スマホだけは、投げられなかったんだ。
kmmがこれで、また話しかけてくれないかと期待してしまったから。
そんな自分にまた苛立ち、今度は泣いて布団をかぶった。
今日は土曜日。
雨は小雨だが、まだ降り続いている。
俺はすぐにスマホを手に取り、kitにLINEをした。
ブブッ
机の上に置いてあるスマホが振動した。
あの後、布団をかぶったものの結局寝付くことができずに起きていた。
寝ていないのに寝起きのような曖昧な意識で机のスマホを見た。
...なんでだよ。
昨日のことがあって普通こんなことにはならないだろ。
だけど、どこかkmmに会いたがっている俺がいて、どこ行くの?と返信した。
結局、雨が降っているためショッピングモールで遊ぶことになった。
kmm
kit
kmm
kit
本当になんなんだ。
昨日のことを忘れてるみたいだ。
kmmの態度に違和感を覚えながらかもめの後を追った。
kit
急にkitが声を上げる。
今まで見たことのないような反応だ。
kmm
kitの近くに行き、kitの目線の先を見た。
kmm
kit
恥ずかしかったのか、kitは顔を赤らめた。
俺も同じ状況なら恥ずかしくなってしまうだろう。
だって、kitはちいかわのコーナーを見ていたのだから。
kmm
俺はそのコーナーを隅から隅まで眺める。
kit
kitはまだ顔が真っ赤なままだ。
kmm
kit
kit
kitはちいかわを手で指した。
kmm
kmm
kit
うん。お茶目なkitが見れたな。
それに、着いたときは暗かったけど、ちいかわを見て元気になったみたいだ。
俺たちはそのあともいろいろな店を周り、あっという間に昼になった。
昼は何が食べたい?とkitに聞くと、うどんが食べたいと言ったので、ショッピングモールを出て、近くのうどん屋に行った。
kmm
kit
kitはきつねうどんを指さし、kmmは?と聞いてきた。
kmm
そして、店員さんを呼んで注文した。
数分待っていると、2人のうどんが運ばれてきた。
いい匂いもして美味しそうだ。
kmm
kit
kit
少し冷ましてから食べるのかと思ったらかなり冷ますので、kitについ聞いてしまった。
kmm
kit
kmm
kit
kit
少し汁を飲むと、kitはまだ熱いといって冷まし始める。
kmm
kit
kmm
kit
俺はkitの汁を少しもらう。
kmm
kit
kmm
kit
なんだかんだ言いながら、2時間かけてやっと食べ終えた。
そして、もう一度俺が買いたいものがあってショッピングモールに戻ってきた。
kmm
kit
kit
kmm
kmm
kit
俺はkitを待たせて店へ向かった。
通路にある長椅子に座っていると、寝ていないせいで眠くなってきてしまった。
そして俺は、気づけば夢の中にいた。
コンコン
kit
..........
kit
買うものを買ってかいとのいる場所に戻ってくると、kitは長椅子でゆっくりした表情で眠っていた。
昨日寝れなかったのかな。
もう少し寝かせてあげようと思い、俺はkitの隣に座った。
kmm
kit
大丈夫かな...
まあ、大丈夫ではない...よな....
部屋から出てこないんじゃ気分転換とかもできないですし......
kmm
kit
kit
kit
kmm
kit
kmm
kit
kmm
変な夢だったな......
あれはどこだったんだろう。
一緒にいたのはkmmと誰だった?
まあ夢だ。深く考える必要もないか。
そういえば、気づいたら雨が止んでいる。
もうすぐ........か。
雨が止んでいる。
梅雨明けが近いのは知っていたが、まさか今日止むとは思っていなかった。
今だ。
今言わなければ、kitはいなくなる。
俺は少し怖かったが、勇気を出してkitに話しかけた。
kmm
kit
kmm
kit
kmm
kmm
kmm
kit
kmm
kmm
kmm
kit
kitはハッとした表情で俺を見つめてくる。
そんなkitに、俺はあと一言後押しをする。
kmm
kit
kit
kit
最初は弱々しかったが、だんだんと自信のある声に変わっていった。
kmm
俺はそう言うと、kitの手を引いた。
kmm
kmm
kit
俺はkitの手を引き、走って家に戻った。
俺はkitにまた後でと告げると、家の中に駆け込んだ。
kmm
kmm母
kmm
俺は母さんの目を見てそう言うと、母さんは何かを悟ったように返事をして、ソファーに座った。
kmm母
kmm
覚悟を決めた俺は、もう言うことに抵抗なんてなかった。
母さんに事情とkitの現状、kitの思い、俺の思いを全部話した。
kmm母
それだけ言うと、母さんは自分の部屋に行ってしまった。
どうだろう。
緊張しながら待ってみると、母さんは大金を持って俺の前に置いた。
kmm
kmm母
kmm母
kmm
kmm母
kmm母
kmm母
kmm母
kmm母
kmm母
kmm母
kmm母
一気に話をすると、母さんは自分の隣に俺を呼んだ。
そして、母さんの隣に座ると、
母さんは俺を抱きしめた。
kmm母
kmm
kmm母
kmm母
kmm
俺は母さんに促されて、部屋へ行って準備を始めた。
コメント
6件
素敵なお話ですね(^-^)
いい展開ですね! フォローしつれいします!