魔王
うぉ〜!!
魔王
ほんとに着いたー!
サヤカ
早いですよ
ジョニー
まだ建物の中じゃないですか
ヴィゲル
テンション上げすぎですよ
魔王
いやだってワープしたんだぞ!?
魔王
こりゃもうテンション上がるだろ!
サヤカ
ウルターニャちゃんはこんな魔法陣書けないの?
魔王
書けなくはないけど面倒でな
ヴィゲル
と、言うと?
魔王
書くだけなら一瞬なんだがこんな感じの移動用のものだった場合は
魔王
何処から何処までかを決めなくてはならない
魔王
例えば今回の場合はアルソンからリーフフルールだよな?
サヤカ
そうね
魔王
これは術者がその場所を知ってる事もしくは訪れたことがある場所なんだよ
ヴィゲル
はい?
魔王
うーん…説明がちょっと難しいな
ジョニー
要するにこういう転移魔法は場所と場所を繋ぐものだ
ジョニー
距離によって魔法陣を変えないといけないのと
ジョニー
書くために必要な魔力
ジョニー
それと繋ぐ場所を知ってるかどうかって事だ
魔王
そうそれ!
ヴィゲル
て事はあの村長さんは
ヴィゲル
こことあの村を繋ぐために魔法陣と大量の魔力を使ったって事ですか?
魔王
だと思う
魔王
理由は分からねぇけどな
魔王
とりあえずこんなとこで話してないで早く外出ようか
ヴィゲル
そうですね
魔王
外に出たが……
サヤカ
すごい人の量ですね〜
ジョニー
この大陸1番の都市だからな
ヴィゲル
そう言えばなんですけど
ヴィゲル
なんでこの街世界樹の下になんかに建てたんでしょうか?
魔王
そんなもん我は知らん
サヤカ
私はそんなの気にしなかったしな〜
ゼル
あんだぁ?
ゼル
この街がなんで世界樹の下にあるのか知らねぇのかよ
魔王
全く知らん
ジョニー
同じく
サヤカ
興味がなかった
ヴィゲル
外に出なかった
ゼル
じゃあ俺がちょっと解説してやるよ
ゼル
ここに世界樹が生えてきた…いや、植えられたのはある1人の少年と老人の出会いから始まるんだよ
ゼル
まず街ができる前はこの辺はただの平原だったんだよ
ゼル
木もそんなに生えてなくて魔物もあまりいなかったから昼寝には最適の場所だったんだ
ゼル
で、ある日少年は1人の老人と出会う
ゼル
その老人は少年に苗木を差し出した
ゼル
少年はそれを引き取る
ゼル
断ることも出来たのだが少年は自然がとても大好きな子で
ゼル
いつか木を育ててみたいという夢があったんだ
ゼル
だが苗木なんて買えるものじゃないし育てる場所もなかった為少年にとってそれは夢物語だった
ゼル
しかしその老人が苗木をタダで渡してくれたから少年は喜んでそれを受け取った
ゼル
受け取ったあと老人は少年にこう告げた
ゼル
【私の夢は木を育てることしかしもうこの歳だ苗木を手に入れたが育つまでワシは生きれない。だから君のような若いものにこれを育ててほしんじゃ】
ゼル
その言葉を聞いた少年は生涯をかけてこの木を育てることにしたんだ
ゼル
少年の家では当然育てられなかった
ゼル
なので別のところで育てようと決めたそこで近くの平原で育てようと決めたのだ
ゼル
当時あそこは比較的安全だったからな
ゼル
そうして少年はその苗木を植えて毎日毎日この場所に来てその木の世話をし続けた
ゼル
月日は流れ少年だったその子は苗木をくれた老人と同じくらいまで歳をとってしまった
ゼル
体も弱くなっているにも関わらずその老人となった少年は木の元に行き育てた
ゼル
数十年経ったことでその木は立派になっていたもう世話が必要じゃなくなるくらいに
ゼル
それでも世話をし続けたしかしやはり歳には勝てない
ゼル
その老人はその日木の元で亡くなった
ゼル
その後近くの村の若者がそれを発見しその老人を埋葬した
ゼル
実はその若者はこの老人を知っていたのだ
ゼル
もちろんこの若者だけでなく近くの町村に住むものはみな知っている
ゼル
彼が亡くなり彼の育てた木は1人になる
ゼル
老人を最初に見つけた若者はその老人の役目を継ごうと村中に提案した
ゼル
村人全員その意見に賛成してその木を育てる事にした
ゼル
その意思が他の村や町に波紋のように広がりいつしか近隣の町村全てがその木を育てる事となっていき
ゼル
気が付くとこの木に関わった町村全てをまとめて人々が街と言うようになった
ゼル
そのおかげなのかどうかは定かではないが通常の木ではこれ以上大きくならないはずだったのだが
ゼル
成長は止まることなくどんどん大きくなりいつしかその木は世界樹と言われるようになる
ゼル
この大陸のシンボルであり人々の生きる希望にとなっていった…
ゼル
…と言うのが今ある中での有力な説ですね
魔王
ZZZ
サヤカ
ZZZ
ジョニー
なるほど…
ヴィゲル
人々の生きる希望っすか…
ゼル
2人ほど寝てるんだが?
ジョニー
まぁいいって
ゼル
この街は少年と老人の2人のおかげで出来た街なんですよ
ゼル
俺はこれ聞いて人間も捨てたもんじゃねぇなと感じましたよォ
ヴィゲル
そうですね〜
ジョニー
結束とは素晴らしいものだな
ジョニー
魔物と人間もいつか結束できる日が来るといいな…
ヴィゲル
そうっすね
魔王
んぉ?
魔王
やべぇ…寝てた
ゼル
知ってる
魔王
まぁなんか良い話があったんだろうな
魔王
そんな歴史があるこの街を壊させはしねぇよ
ジョニー
あれ分かってる風に言ってるけど
ヴィゲル
実際は全然分かってないんですよね
ゼル
だろうなぁ
サヤカ
んぁ〜あ…
サヤカ
おはょ〜
ジョニー
今起きたんだ
魔王
その為にまずは宿をとる!
ゼル
その必要はなさそうだぜ?
魔王
ふぇ?
男性
貴方様方は勇者様で間違いないですか!?
魔王
まぁそうだな
男性
でしたらどうかこの街をお救い下さい!
魔王
何があったんだよ
男性
アクサスと言う魔物が世界樹を…
魔王
やっぱり居たかアクサス
魔王
分かった…私らに任しとけ
魔王
私らがそいつを締めてやるよ
男性
あ、ありがとうございます!
男性
この街の施設はご自由にお使いください
男性
武具店は特別価格にしておきます
魔王
助かる
サヤカ
ほんとに居たとはね〜
ジョニー
アクサスってあの雑魚人魔のことか?
魔王
だと思うんだけどな〜
魔王
とりあえず準備するために宿行くよ
聖騎士っぽい人
おいおい待ちなよ
魔王
ん?
聖騎士っぽい人
あんたらほんとに勇者なんだな?
魔王
そうだけど?
聖騎士っぽい人
それなら……
聖騎士っぽい人
今ここで消えてもらう!
魔王
はぁ!?
聖騎士の攻撃! しかし避けられた!
魔王
あっぶな!?
魔王
お前何考えてんの!?
魔王
街中でそんなもん出すんじゃねぇよ!!
聖騎士っぽい人
善人ぶるとは気色が悪い
魔王
えー…すっごい心外なんですけど
聖騎士っぽい人
貴様には死刑が言い渡されている
魔王
そんなん知らないんだけど
サヤカ
あれじゃね?
ヴィゲル
たぶんあれですね
ゼル
アレだろうなぁ
ジョニー
あれとは?
魔王
もしかして魔物と繋がりを持ってるってことで?
聖騎士っぽい人
そういうことだ
聖騎士っぽい人
君は人類の敵なんだよ…
聖騎士っぽい人
大人しくここで散りなさい
聖騎士っぽい人
大人しくしていれば楽に逝けますよ?
魔王
残念ながら無理な話だ
魔王
そもそも私は魔物と繋がりを持ってたとしてもそんな人類に害ある事を企んでるとかないから
魔王
この説明前にもしたんだけどな〜
聖騎士っぽい人
問答無用です
聖騎士っぽい人
貴女は私たち人類の為に消えてもらいます!
ついて早々面倒なことに 巻き込まれるウルターニャであった