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桜汰
海生
言葉の続きを待つ海生が、じっとこちらを見る。
けれど。
桜汰
『俺さ、実は一度36歳で死んだんだけど、なぜか高校生に戻って』
『今、人生2周目なんだ』
桜汰
桜汰
海生
桜汰
いざ口に出そうとすると、あまりに荒唐無稽すぎて。
桜汰
桜汰
桜汰
海生
桜汰
海生
海生
桜汰
海生の言葉は、いつだって真っすぐで。
海生
海生
俺の言葉も、ちゃんと受け止めてくれる。
桜汰
桜汰
すう、と小さく息を吸って、吐く。
桜汰
桜汰
海生
海生は、静かに俺の話を聞いてくれた。
36歳で死んだこと。
気づいたら高校1年生の入学式に戻っていたこと。
桜汰
桜汰
海生
桜汰
桜汰
桜汰
桜汰
病気のことや、海生パパの事故のことはわざと言わなかった。
今の海生にそんなことを言う必要がない。
海生
さすがにこんな話をされるとは思ってなかったのだろう。
海生はぽかんとしたまま、固まってしまった。
海生
海生
桜汰
桜汰
桜汰
桜汰
そう、思っていたから。
海生
海生
桜汰
今度は俺がぽかんとする番だった。
海生
海生
そう言った海生の目は、大好きな海の話をする時のようにキラキラしている。
桜汰
桜汰
海生
海生
海生
海生
桜汰
桜汰
海生
海生
海生
桜汰
桜汰
わからない。
だから、惹かれる。
俺だったら足がすくんだり、迷って立ち止まってしまうところで、
ためらいなく一歩踏み出せる。
桜汰
桜汰
桜汰
そして今度は、聞かれる前に口を塞がれた。
帰り道。
買い物のついでだと言って、海生が途中まで送ってくれることになった。
海生
桜汰
海生
海生
桜汰
桜汰
桜汰
海生
桜汰
海生
桜汰
他愛もない話をしていると、
桜汰
いつの間にか家の前についてしまっていた。
桜汰
海生
桜汰
恋人になった海生が、こんなに甘いなんて反則だ。
――ふと、いつか見た都合のいい夢を思い出す。
海生の甘い声で、『桜汰』と呼ばれたこと。
桜汰
桜汰
桜汰
海生
桜汰
ちょっとした悪戯心だ。
海生があまりに優しいから、お願いすればなんでも聞いてもらえる気がして。
海生
桜汰
たちまち頬が熱くなる。
海生
海生
桜汰
浮かれに浮かれていた俺は、この時、なにも考えていなかった。
この小さくて、幸福な変化が、
マッキー
雄介
海生
桜汰
雄介
マッキー
雄介
桜汰
今後の俺たちにどう影響するか、なんて。