※注意 途中から見た方は、第一話から見ることをおすすめします!(今回は特に第三話を読むことをおすすめします。)
翌日の朝。
にゃぽんは、いつもと同じように日本を見送った。
にゃぽん
日本
にゃぽん
スーツを着て、コーヒー片手に小走りで出ていく背中。
それを見送る自分の手は、昨日とは少し違う気持ちを抱えていた。
扉が閉まる音を聞いたあと、にゃぽんは深く息を吸って携帯を取り出し、短くメッセージを送った。
「今、大丈夫。来て。」
それから間もなく、チャイムの音。
ドアを開けると、そこには台湾とパラオが並んで立っていた。
台湾
パラオ
にゃぽん
三人はリビングに集まり、静かに椅子に腰かけた。
にゃぽんは、そっと例の“顔のない白黒写真”をテーブルに置いた。
にゃぽん
にゃぽんの問いかけに、台湾は眉をひそめながら首を傾げた。
台湾
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽんがため息混じりに言うと、パラオが急に前のめりになって言った。
パラオ
にゃぽん
目を輝かせたにゃぽんは、すぐに紙とクレヨンを持ってきた。
パラオは嬉しそうに受け取り、紙の前に正座する。
台湾もすぐに隣に座り込んで、絵の手伝いを始めた。
パラオ
カリカリとクレヨンの音が響くリビング。
パラオはまず、ナイチの軍服姿を描き始めた。
その動きは、子どもとは思えないほど真剣だった。
台湾
台湾
台湾も静かに語りながら、細かい装飾を描き込んでいく。
にゃぽんは黙って二人を見つめていた。
――そのときだった。
ガチャッ
日本
突然の玄関の音。三人が一斉に凍りつく。
にゃぽん
バタバタと靴を脱ぐ音が近づいてくる。
にゃぽんはとっさに絵とクレヨンをクッションの下に隠した。
日本
日本
日本は満面の笑顔で手を振った。
台湾
台湾
台湾のナチュラルな笑顔と素早い対応に、にゃぽんも内心拍手を送っていた。
日本
にゃぽん
資料をつかんだ日本は、また小走りで出ていった。
日本
日本
日本
にゃぽん
台湾
パラオ
三人は安堵の声を漏らす。
台湾
クッションの下から紙とクレヨンを戻し、絵を再開した。
やがて、丁寧に描かれた一枚の似顔絵が完成する。
台湾とパラオ
にゃぽんは、絵を手に取って見つめた。
にゃぽん
その顔には、どこか見覚えがあった。
凛とした、柔らかくも厳しさを感じさせる目元。
頭には軍帽、胸には日本の旗――だが、ただの“日の丸”ではない。
顔も、自分たちと少し違った。
にゃぽん
台湾
台湾がそっと言う。
台湾
にゃぽんははっと息を飲んだ。
そうだ、写真の裏に書かれていたあの読めない文字。
それは…『大日本帝国』。
にゃぽん
自分の中で、なにかがつながる音がした。
にゃぽん
確証はない。だけど、心の中で長い間濁っていた霧が、少しずつ晴れていくような、そんな感じがした。
にゃぽん
にゃぽんは立ち上がった。心のなかで、ある決断を下した。
にゃぽん
にゃぽん
台湾
パラオ
台湾とパラオは、迷いなく頷いた。
にゃぽんは――家の奥、あの“和室”へと、二人を連れて行くことにしたのだった。
(つづく)
コメント
1件
神すぎる😇✨💕