注意 途中から見始めた方は、第一話から見ることをおすすめします!
静かな午前の陽射しが、柔らかく差し込む。
にゃぽんは和室の前で一度深呼吸をすると、ふすまに手をかけ、ゆっくりと開いた。
台湾
パラオ
にゃぽんは無言で頷き、和室の押入れに近づいて、静かに扉を開けた。
中には、以前見たままの、ボロボロになった日本刀がしまわれている。
台湾
台湾
台湾が日本刀を見つけ、目を見開いてそっと手に取る。
パラオ
パラオも興味津々に刀身を覗き込む。
台湾
台湾
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽん
台湾
台湾は少し黙った後、にゃぽんの目を見つめて言った。
台湾
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽんの不安だった。
日本に本当の父に関して手がかりを探しているなんてバレたら、何がどうなるか分からない。
台湾
台湾
台湾
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽんも腹をくくった。
バレたらバレたとき。
今はとにかく、真実を知りたい気持ちに純粋に従うことにした。
パラオ
パラオは宝探しでもするような、キラキラした目で押入れに潜り込んでいった。
にゃぽん
パラオ
押入れの中で楽しそうに物を漁っている
台湾
にゃぽん
しばらくして…
台湾
にゃぽん
にゃぽん
台湾
押入れの中からは、江戸の描いた桜の絵や日記など、色々なものが出てきた。
しかし、手がかりになりそうなものは中々出てこない。
パラオ
パラオが埃まみれになりながら運んできたのは、朽ち果てた木箱だった。
箱には達筆な文字で「皇国」と書かれていた。
台湾
台湾
台湾が木箱を開けそうとすると、開かない。
どうも鍵がかかっているらしい。
台湾
台湾
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽんが別の場所から鍵を見つけ出してきた。
台湾
台湾
にゃぽん
台湾
台湾は木箱に鍵を差して、壊れないように慎重に鍵を回していく。
しばらくするとカチリと乾いた音がして、木箱が開いた。
台湾
にゃぽん
パラオ
三人が興味津々になりながら中を覗いた。
にゃぽん
そこには時代を感じさせる日記帳と、真っ赤な血に染まった鉢巻、丁寧に折りたたまれた軍旗が入っていた。
にゃぽん
にゃぽんは日記帳を開いた。
にゃぽん
中の文字は、旧字体の複雑な漢字と、軍人らしい硬い文体だった。
台湾
パラオ
台湾に手伝ってもらいながら読み進めた。パラオも食い入るように見ている。
台湾
にゃぽん
パラオ
台湾
最初は好きな本の話や何気ない出来事など、他愛もないことが書かれていた。
――1926年3月26日、今年も庭の桜が開花した。桜はいつ見ても美しい。
日記の雰囲気が変わり始めるのは1933年辺りから。この頃からの戦争色が段々と強くなってくる。
――1933年3月27日、国際連盟から脱退した。
そして1941年、日記にこう書き残されていた。
――1941年12月8日、真珠湾に攻撃を開始した。米国海軍の太平洋艦隊と軍事基地を攻撃した。
にゃぽん
にゃぽん
台湾
台湾
台湾はこう言って日記をにゃぽんとパラオと一緒に読み進めた。
1942年の夏頃になると、段々と戦争に敗れ始め、戦局が悪くなってきた。
ーー1942年6月7日、米国に対し屈辱的な敗北を味わった。しかし、まだ戦える。
心なしか、当初は達筆だった文字が、僅かに震え始め、歪んでいるように見えた。
ーー1944年3月10日、己が何のために銃を取ったのか、思い出せない時がある。
文字は震え、日記には緊張と苦悩が滲み始める。
ーー1945年8月9日、もう、駄目かもしれない。
…そして1945年8月15日。最後の日記には、震える字で、こう綴られていた。
ーー1945年8月15日、私の運命も、最早ここまでだ。帰る場所なんてないし、話せる相手もいない。ただ、霧の向こうに消えていくだけだ。 たとえこの身体が朽ち果てても、もし、いつか誰かがこれを見つけてくれるなら、私がどう生きたのか、何を想っていたのか、それだけでも知ってくれたら、それでいい。 守れなかったこの未来。私の手じゃ、もう届かなかった。けど、それを我が子に託すことすら、もうできない。 ただ、願うだけだ。誰でもいい。いつか、誰かが、ここにあった想いを拾ってくれることを。
にゃぽん
にゃぽんは黙って日記帳を閉じた。
にゃぽん
台湾
パラオ
台湾も、パラオも言葉を失っていた。
しばらくして、にゃぽんが小さな声で喋り始める。
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽん
その笑いはどこか痛々しくて、すぐに沈黙が戻った。
台湾
台湾
にゃぽん
にゃぽん
台湾
台湾は、押入れの中から取り出した日本刀を見つめながら、静かに言葉を紡いだ。
台湾
にゃぽん
にゃぽんが眉をひそめて聞き入る。パラオもじっと台湾を見つめていた。
台湾
台湾
台湾
台湾
にゃぽん
台湾
台湾の目がまっすぐににゃぽんを見据える。
台湾
台湾
台湾
台湾
台湾
台湾
台湾
台湾
台湾
台湾
台湾は刀を大事そうに見つめた。
台湾
台湾
にゃぽん
にゃぽんは、何も言い返せなかった。
パラオ
パラオ
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽんは立ち上がった。
その時、部屋の隅で何かがカタリと音を立てた。
振り返ると、ふすまの裏に、もうひとつの小さな引き出しがあった。
にゃぽんがそれを開くと、中には封印された黒い手帳があった。
にゃぽん
そして、その手帳の表紙には――
特別機密:帝国再生計画
…の文字が刻まれていた。
台湾とパラオ
三人は思わず顔を見合わせた。
物語は、新たな局面へと進み始める――。
(つづく)
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続き楽しみにしてます!
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