テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

どこか優しい不良少年の話

一覧ページ

「どこか優しい不良少年の話」のメインビジュアル

どこか優しい不良少年の話

1 - どこか優しい不良少年の話 1

♥

91

2019年08月22日

シェアするシェアする
報告する

殺風景な街。

そこに1人の青年が歩いていた。

その青年は不良グループのリーダー。

彼が敵と戦う時、

狂犬のように敵に噛み付き

辺りを血で真っ赤に染めることから

その名は「赤犬」と呼ばれている。

顔はいわゆる“イケメン”と いうやつだろう。

赤犬

赤犬

ん…?

赤犬

誰か倒れてんのか…?

赤犬の目の前には、女が倒れていた。

彼女の名前は華那。

赤犬

おーい

赤犬

大丈夫か〜?

華那

華那

んぅ…

華那

華那

へ?

赤犬

お前、大丈夫か?

華那

え?

華那は眠そうな目で赤犬を見つめる。

華那

大丈夫も何も…

華那

何で私、こんなところに…?

そう言いながら ゆっくり起き上がろうとする華那。

華那

ん〜

華那

痛った

赤犬

あ、傷

華那の身体には、 カッターで切ったような傷が 何個も付いていた。

華那

え…

華那

なにこれ

赤犬

身体ボロボロじゃねぇか

華那

だね

赤犬

だね、じゃなくてよ

華那

え〜?

華那

こんな傷、いつ付い…

華那

華那

大きく目を見開く華那。

華那

思い出した

華那

…ああ〜

華那

またやっちゃった

赤犬

何があったんだよ

華那

華那

言う必要ある?

赤犬

別に

赤犬

言いたくなきゃいいんだけどよ

華那

あんた何か見た目怖いもん

赤犬

は?

赤犬

だから言いたくないってか?

華那

うん

華那

怖いじゃん

赤犬

はぁ…

赤犬

心配した俺が馬鹿だった

そう言って赤犬は その場を去ろうとした。

華那

華那

待って

赤犬

あ?

華那

あんたさ、

華那

喧嘩強かったりする?

華那

赤犬が煙草にライターの火を点けて 地面に座り込む。

華那

華那

私さ

華那

とあるグループに脅されてるんだよね

煙草を咥えながら赤犬が訊く。

赤犬

脅されてる?

華那

うん

華那

私そのグループのリーダーと昔付き合っててさ

華那

付き合ってた頃は良い人だったの

華那

でも、何かだんだんお互い会わなくなって

華那

自然消滅した

煙草の煙を吐きながら赤犬が言う。

赤犬

そいつのグループに脅されてるってことか…

華那

そう

華那

言うこと聞かないと付き合ってた頃の写真ばら撒くぞって

赤犬

付き合ってた頃の写真っていうと

赤犬

やっぱり見られたくない写真もあるわなぁ…

華那

うん

華那

裸の写真だって

赤犬

そういうことはいちいち声に出すな

赤犬

分かってるから

赤犬

お前だって言いたくねぇだろ

華那が下を向いて 照れくさそうに言う。

華那

…あんた、意外と優しいんだね

赤犬

は?

赤犬

優しくねぇよ

赤犬

これが普通だ

華那

そう?‪

赤犬

赤犬

んで、お前は俺にどうして欲しいんだよ

赤犬

そいつらを倒せってか?

華那

…うん

華那

できる?

赤犬

相手が何人か、どれくらいのレベルか分かるか?

華那

相手は10人

華那

レベル、っていうと強さだよね

赤犬

ああ

華那

言葉で表すのは難しいんだけど

華那

あの赤犬じゃないと倒せないくらい

赤犬

赤犬

お前、赤犬のこと知ってるのか

ふっと笑って華那が言う。

華那

だって、元彼が不良だよ?

華那

そういうところには詳しいから

同じように赤犬も笑って言う。

赤犬

どこが詳しいんだか

赤犬

赤犬の顔も分かんねぇくせに

華那

はあ?

華那

分かるし

華那

会ったら絶対分かる自信ある

赤犬

嘘つけ

赤犬

分かってねぇんだよお前は

華那

は?

赤犬

はぁ…

赤犬

赤犬

俺が

赤犬

赤犬だ

華那

華那

へ?

華那

…いやいやさすがにそれはないでしょ‪

赤犬

俺の顔を見ろ

そう言って赤犬はサングラスを外す。

華那

華那

本当だ…

赤犬

だから言ったろ

赤犬

それくらいのレベルなら

赤犬

俺1人でも倒せるんだな?

華那

うん

華那

倒せると思う

赤犬

赤犬

じゃあ最後に確認だ

赤犬

お前は

赤犬

そいつらにこの怪我を負わせられたんだよな?

華那

そうだよ

華那

言うこと聞かないと写真ばら撒くって言われて

華那

何回も呼び出されて

華那

そいつらのストレス発散として

華那

殴られ蹴られる

地面に座り込んでいた赤犬が 立ち上がる。

赤犬

よし分かった

指で煙草の火を消すと、 鋭い目付きになって言った。

赤犬

そいつらぶっ潰してやる

どこか優しい不良少年の話

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

91

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚