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どこか優しい不良少年の話

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どこか優しい不良少年の話

2 - どこか優しい不良少年の話 2

♥

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2019年08月23日

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赤犬のアジト

煙草を吸う赤犬。

赤犬

よ~し

赤犬

ここで作戦会議するか

華那

結構広いね

赤犬

だろ?

赤犬

ここ廃工場なんだよ

華那

へぇー

華那

華那

あのさ

華那

1つ聞きたいんだけど

赤犬

おう

華那は一呼吸置いてから言った。

華那

何で

華那

見ず知らずの他人を助けようとするの?

赤犬

あ?

華那

だってあんたはさ

華那

まだ私の名前も知らないでしょ

赤犬

そうだな

華那

私が嘘ついてるとか疑わないの?

赤犬

別に

赤犬

赤犬

お前の身体には無数の傷があった

赤犬

だから助けようと思った

赤犬

ただそれだけだ

華那

納得のいかないような表情で 華那は尋ねる。

華那

でも私はあんたとさっき初めて会った

華那

普通、初対面の人を助けようと思える?

赤犬

赤犬

助けちゃいけねぇのか?

華那

違う

華那

そういうことじゃなくて

華那

何で他人のためにそこまで一生懸命になれるの?ってこと

赤犬

急に無言になる赤犬。

華那

…それとも

華那

私を助けるのは

華那

何か別の理由があるの?

赤犬

赤犬

理由なんてねぇよ

赤犬

…ただの暇つぶしだ

なお訝しげな表情の華那。

華那

何か納得行かない

赤犬

赤犬

はぁ…

赤犬

俺が何のためにこんなことをするのか

赤犬

そんなこたぁどうでもいいんだよ

華那は相変わらず 納得のいかない表情だ。

赤犬

ていうか

赤犬

そろそろお前の名前教えろ

華那

うーん

華那

何か謎だけど

華那

まぁいいか

華那

私の名前は華那

赤犬

華那、か

華那

うん

赤犬

よし覚えた

赤犬

改めて

赤犬

華那、よろしくな

そう言って華那に握手を求める赤犬。

華那は怪しげに赤犬を見た後、

華那

うん、よろしく

渋々赤犬の手を握った。

赤犬

華那

華那

なに

赤犬

お前さ、俺のこと疑ってるだろ

華那は一瞬の沈黙の後、 くすっと笑って言った。

華那

バレた?

華那

だって他人を助けるなんて

華那

やっぱり信じられないもん

赤犬

またその話か

赤犬

赤犬

まぁ

赤犬

俺はそういうお人好しなんだと思っておけ

華那

そんなお人好し居ないでしょ

華那

少なくとも

華那

私はそんな人に会ったことない

赤犬

今会ってるじゃねぇか

華那は赤犬を軽く睨んで言った。

華那

あんたは裏がある気がする

赤犬

あ?ねぇよ

赤犬

いつまでこの話続けんだ?

華那

華那

分かった

華那

もういいよ

華那

あんたの言うことは本当だと思っておく

赤犬

おう

赤犬

赤犬

それじゃ

赤犬

作戦会議するぞ

華那は眠そうな目で言った。

華那

まだやる?

華那

もうずっと作戦会議してるよ

赤犬はため息をついて言った。

赤犬

お前そのセリフ何回目だ?

赤犬

計画はちゃんと練らねぇと駄目なんだよ

赤犬

何せ敵は10人だからな

華那

もうさすがに十分でしょ

赤犬

赤犬

まぁ

赤犬

これくらいでいいか

華那

うんうん

赤犬

じゃあ最後に確認な

赤犬

華那が〜

赤犬

〜が〜で…

赤犬

〜ってことでいいな?

華那

うん

華那

私は大丈夫

赤犬

よし

赤犬

じゃあ作戦会議終わり

大きく伸びをする赤犬と華那

華那

やっと終わった〜

赤犬

赤犬

ちょっと待ってろ

そう言って赤犬は アジトの中の別の部屋に行った。

華那

え?

3分後

別の部屋からあるものを2つ持って 華那の元に戻ってきた赤犬。

華那

あ、それ

赤犬

カップラーメンだ

赤犬

お前も腹減ったろ

華那

うん

華那の前に 2つのカップラーメンを並べる赤犬。

赤犬

塩か醤油、どっちがいい?

華那

赤犬

赤犬

じゃあ俺は醤油食べるわ

華那の前から 醤油ラーメンを取る赤犬。

赤犬

もうあっちで作ってきたから

赤犬

食べられる状態だ

華那

作ったって言っても

華那

お湯入れただけでしょ

ふっと笑って赤犬が言う。

赤犬

そこには触れるな

赤犬

食べるぞ

つられて華那も笑う。

華那

まぁいいや

華那

いただきます

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