度々様子を見に来ていたかぐ耶の使用人がその夜、眠っているかぐ耶を連れて帰った。
月日は流れ半年が過ぎた────
柚瑠の学校
柚瑠
おはよー
和馬
おはよ
和馬
あ、今日の放課後さ空いてない?
柚瑠
なんかあるの?
和馬
それが、友達が家の近くの女子校の子達と遊びに行こうって誘ったらしくてさ
和馬
イケメン探してこいって頼まれてんだよー
柚瑠
そこで何で俺になるわけ?(笑)
和馬
だってお前正統派イケメンじゃん~。黒髪だし、背高いし、何気優しいしなー…
柚瑠
何気は余計だろ…って…
和馬
ん?
柚瑠
いや、前にも同じこと言ってきた奴がいてさ…
和馬
ふーん…女の子?
柚瑠
は?!何でそうなるんだよ!そんなこと言ってると、予定今から入れるぞ!
和馬
あー!それは困る!
和馬
頼む!参加してくれっ
柚瑠
分かったよ(笑)イケメンかどうかは知らねえけど、参加はする
和馬
サンキュ!じゃあ放課後校門前で
柚瑠
うん
あれから1度もかぐ耶に会ってない。約束したのに、神社の近くまで行っては何度も引き返した。
そうしてるうちにいつの間にか2年生になり、ついには女の子達と遊ぶ約束までしている。
柚瑠
俺ってなんて奴だろ…
放課後
柚瑠は自己嫌悪でおかしくなりそうな気持ちを抑えて、友人達と隣街のカフェへ向かった。
和馬
ここ。なんかクリーム系のスイーツが食べたいって言ってる子がいるらしくてさ
和馬
俺ら男子校だから、そういう女子感に憧れあるよな〜
健
お前はマンガの読みすぎなんだよ(笑)
健
あ、あの子達だよ
和馬
あの制服可愛いなー…な、柚瑠
柚瑠
え…あーそうだね…って
柚瑠は信じられない思いに駆られた。何度も何度も会いたかった彼女が、あの竹林の外に今、
柚瑠
逢えた…
和馬
え?
柚瑠
俺の探してた人
健
柚瑠くん…大丈夫?
柚瑠
ううん、ごめん大丈夫じゃないかも
3人の知らない制服を着た女の子達の中から、唯一知ってる彼女が走ってくる。
かぐ耶
柚瑠!!!!
かぐ耶
柚瑠っ!!!
柚瑠
うわっ
彼女は前に見た時よりもずっと輝いていて、短かった綺麗な黒髪は背中まで伸びて、大きな黒目が柚瑠を映していた。
和馬
えーっと…知り合い?
柚瑠
ごめん和馬、俺抜けるわ
和馬
は、?!え、どゆこと??
他の女の子も和馬の友達も皆唖然としている
柚瑠
俺、凄く大事な用があるんだ!
柚瑠
…行こうかぐ耶!
かぐ耶
うん!