松崎陸
松崎陸
陸の言葉にイルは少し困惑していた
時計を確認すると
時刻はまだ2時を過ぎたところ
今は五時間目の授業が終わり六時間目の授業が始まる頃だった
浜松イル
浜松イル
松崎陸
浜松イル
松崎陸
授業が終わるのは午後3時
ホームルームと掃除を終え部活が始まるのは3時40分頃
穂波は受験に失敗したことで気分的に少し荒れていて
中学の頃に熱中していたバレーボールも辞めてしまい
放課後はいつも雄大と隆を巻き込んで遊び歩いていた
今日はイルが途中で逃げ出したため
学校に長居する理由もないはず
部活の時間を狙えば誰にも見つかることなく取り返せる
陸はそう考えていた
浜松イル
松崎陸
松崎陸
浜松イル
制服の違う陸は目立ちそうだが
それでも陸の存在は
イルにとっては何よりの救いだった
陸にとってもそれは同じ
なんとしてもイルの力になりたいと思っていた
まだ知り合って間もないイルのことを
心の底から信頼できると感じていた
浜松イル
そんなイルの言葉も嬉しかった
今までずっと
かっこいいと言う理由で声をかけてくる女子は何人もいた
いつもしつこい麻衣子も
陸にとっては厄介な存在でしかない
麻衣子の気持ちにも気づいてはいるが
自己中心的なあの性格をどうしても受け入れることができず
突き放しても追いかけてくる麻衣子から逃げていた
こんな風に女子と真剣に向き合い
話をしたのはイルが初めてだった
陸のことをちゃんと見てくれたのも
優しい言葉をかけてくれたのも
イルだけだった
松崎陸
浜松イル
ゆっくりと立ち上がり歩き出す二人
イルの心に不安と緊張が溢れてくる
浜松イル
浜松イル
松崎陸
浜松イル
松崎陸
松崎陸
松崎陸
陸が何気なくイルの手を握る
浜松イル
握り締めた手から伝わる温もりが
心の不安を少しずつ消していく
イルはそんな気がしていた
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