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コンコン、とドアを叩く音がした

絵名

「彰人〜?入っていい?」

姉の声が、ドアの向こうから聞こえる

彰人

…ん

絵名

入るよ

絵名

いきなり帰ってきて、何事?

彰人

…お前まだ家出てなかったのか

絵名

余計なお世話!

絵名

今は絵で仕事もらえてるし!!

彰人

へいへい

絵名

もう一回聞くけど、なんで帰ってきたの、こんな急に

彰人

…失恋って言ったら、笑うか?

絵名

…そ、笑わないわよ

絵名

相手は誰?ユニットの子?

彰人

…こはね

絵名

へぇ、こはねちゃんにねぇ

彰人

冬弥と…付き合ったんだよ、こはね

絵名

冬弥くんとか…まぁ、お似合いじゃない?

彰人

振られた弟を前に言うかよ、それ

彰人

っ?

ふわりと微笑んで、絵名は俺を抱きしめた

絵名

…頑張ったわね、彰人

彰人

……あぁ

絵名

…まぁ、後悔だけはしないようにね

彰人

…ん

絵名

じゃ、夕飯の用意できたらまた呼ぶから

彰人

…さんきゅ

絵名

はいはい

そう言って、絵名はオレの部屋を出た

彰人

…後悔のないように、か

彰人

こはねに…言いたいこと全部いわないとだな

絵名

「彰人〜?」

絵名

「買い物行ってくるけど、欲しいものある〜?」

下の階から、絵名の声が聞こえた

彰人

ない!!

絵名に聞こえるよう、大きな声で叫んだ

絵名

「わかった〜!じゃあいってきま〜す」

ピンポーン

家のチャイムが鳴り、聞き慣れた声が耳に飛び込んだ

こはね

「絵名さん、東雲くんいますか?」

彰人

っ!こはね?!

絵名

「あぁ、彰人なら部屋に…そこの階段行って右の部屋ね」

こはね

「ありがとうございます」

絵名

「じゃあ、私は買い物行ってくるからね」

コンコン、とドアを叩く音がした

こはね

「東雲くん、入っていい?」

彰人

あ、あぁ…

こはね

おじゃまします…

……

3、4秒ほどの沈黙が流れ、オレは口を開いた

彰人

…何しに来たんだよ

こはね

…ごめんね、私がわがままで

こはね

私…やっぱりビビバスのみんなで暮らしたい

こはね

みんな一緒がいいの

こはね

だから…帰ってきて欲しいなっ、て…

彰人

何…言ってんだよ

彰人

自分が何言ってんのかわかってんのか?

こはね

…ごめんね、私が自分勝手なこと言ってるのはわかってる

こはね

それでも私…東雲くんも一緒がいいの…!杏ちゃんも、青柳くんも、みんな揃ってて欲しくて…!

彰人

オレは…お前が好きなんだぞ

彰人

しかも振られて、その好きなやつの本命と一緒に暮らす?バカじゃねえの

彰人

よりにもよって相棒だぞ…

彰人

誰が選ばれても恨みっこなし、そう…決めたんだけどな

彰人

やっぱ無理だったわ笑

こはね

どうしても…だめ、かな

悲しそうな顔で、こはねはオレを見つめた

やめろよ

そんな顔しないでくれ

こはね

私は…大好きなみんなと一緒に…!

彰人

うるせぇよ…!!

こはね

ひっ…

勢いで、こはねを押し倒してしまった

でも、まずいとは思っても、止まれない

こはね

…やっ、待って…いや

怯えた表情でオレに訴えかける

つくづく思う

なんでこいつは、こうもムカつくんだ

彰人

お前は…何をしたかわかってんのかよ!!

こはね

そんなの…わかって

彰人

わかってねぇから言ってんだよ!!

彰人

自分のこと好きな男の部屋にのうのうと入ってきて、何もないとでも思ったのか?

彰人

お前は…!

彰人

オレがどんだけお前に執着してるかわかってねぇんだよ!!

彰人

杏はお前の相棒だろ…、冬弥はお前の恋人だろ!!

彰人

オレは…お前の何にもならないんだよ…!

彰人

わかるかよ、お前にこの気持ちが…!!こんな惨めな気持ちなんか、わかんねぇだろ!!なぁ!!

彰人

子供みてぇだろ…

彰人

こうなってから、なんとなく孤独なんだよ

彰人

この気持ちを…どうしろって言うんだよ!!

こはね

ごめん…ッなさい…!

こはね

私が…悪かったんだよね

こはね

ごめんね、

ボロボロと涙を流す

オレの体にすっぽりおさまるような、小さな体

乱れた髪と服

何かを決意した顔

こはね

けじめつけないと、だめだよね

彰人

…は

こはね

好きにして…いいよ、東雲くん

彰人

っ…!

突然、オレに何か大きな重いものがのしかかった

これは、なんだ

彰人

そう言うとこ…だろ…ッ

目から涙が溢れた

彰人

お前は

彰人

『優しすぎるんだよ』

彰人

優しすぎるんだよ

こはね

…そんなこと、ないよ

彰人

覚えてねぇのかよ

彰人

オレとプール行った時、言ったろ

彰人

「優しすぎて自分が傷つくなよ」

こはね

自分からこうしておいて?

彰人

お前が許したのが悪りぃんだろ

彰人

なぁ…

彰人

嫌なら嫌って…言ってくれよ…!

なにかが、自分の中から溢れる感覚があった

こはねに対する想い、全てが流れ出ているような気がした

こはね

…ごめん、ごめんね…

こはね

私やっぱり、好きじゃない人と…こういうことしたくないよ…!

彰人

…あぁ、それでいいんだ

こはね

東雲くん、涙、拭いて

彰人

…ん

こはね

ねぇ東雲くん、帰ってきてくれる?

恐る恐る、こはねがオレに問いかけた

…オレは

彰人

…わーったよ

こはね

…!!

彰人

帰る、オレたち、4人の家に

こはね

東雲くん…!

彰人

ただ、オレが嫌だと思ったらすぐ出てかからな

こはね

…うん、東雲くんが出て行きたくないってなるように頑張るね

彰人

…冬弥と、上手くやれよ

こはね

えっ…

彰人

相棒の幸せを、素直に祝ってやらないとだろ、

正直、素直に喜ぶなんてできない

それでも、そうしてやらないといけない気がした

こはね

ありがとう、やっぱり優しいね、東雲くんは

彰人

んなわけねぇだろ

こはね

…ううん

こはね

東雲くんは、優しいよ

彰人

…そーかよ

こはね

…帰ろう、私たちの家に

彰人

そう、だな

彰人

絵名、オレ帰るわ

絵名

は?急すぎでしょ

絵名

不在着信

不在着信

絵名

不在着信

不在着信

絵名

せめて既読くらいつけなさいよ…

絵名

…まぁでも

絵名

上手く行ったってことか

絵名

絵名

「よく頑張ったわね」

…「送信したメッセージを削除しました」

絵名

頑張りなさいよ、彰人

彰人

ただい、ま

冬弥

!彰人、おかえり!

おかえりっ!

彰人

お前ら…

こはね

東雲くん

こはね

おかえり!

ふわりと笑うこはねを見て

やっぱり好きだなと思った

彰人

…あぁ

彰人

ただいま

君を誰にも譲れない!

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