智
優
智
ニノがバイトしてる店?
にしては…
怪しくない?
お店の中に入る人たちはみんな、20代の派手なお姉さんたちばっかり…
…なにココ。
智
優
お店の中に入ると
ガンガン鳴り響く音楽。
そして、若いイケメンの男の人たちがお姉さんたちと楽しそうに喋ったり、お酒を飲んだりしている。
…接客業?
にしては、お姉さんたちにベタベタしすぎじゃ…
男
優
男
優
隣を見ると、さっきまでいた智くんがいなかった。
どこにいるの?
そんなことを思っているうちに
薄暗い部屋に連れて来られていた。
男
優
男
そして
いつの間にか知らない男の人に
押し倒されてしまった。
優
男
そ…んな
智くん…智くん。
助けて
怖い、怖いよ…(涙)
男
優
男
知らない男の顔が近づいた瞬間に
男の人が、脇腹を押さえて倒れこんだ。
男
和也
ニノ…。
ニノの見たことない不気味な笑顔。
目が…笑ってない…
聴いたことない低い声
私も怖くなった。
男はニノの威圧感で、情けない声を出しながら急ぎ足で出て行った。
するとニノは
さっきとは別人みたいに、ニコッて笑った。
和也
優
和也
優
和也
優
和也
優
和也
ニノがスマホをタップしながら、私の方を見たとき。
私のスマホが
ブーブーと音をたてた。
優
智
優
智
優
智
通話
00:34
和也
途中取られたケータイをニノに返してもらったとき
勢いよくドアがバンって開いた。
智
優
智くんって最後まで言い終わらないうちに、智くんに抱きしめられた。
智くん
背中があつい…。
優
智
優
和也
優
和也
智
和也
智
智くんの怒った顔…
怖い…。
もしかして…
なにかする気?
智
和也
智
和也
智
智くんは私を見て
もう一度優しく抱きしめた。
智
優
智くんが私のために、そこまでしてくれようと
思っているキモチだけで、私は十分。
…だけど
今の智くんにそれを言っても聞いてはくれない。
智
優
智
智くんはそう言って
部屋を出て行った。
和也
ニノはそう言って、私の隣に座った。
和也
優
和也
優
和也
確かに…
自分で思うのもアレだけど、私は智くんからたくさんの愛をもらっている。
いつも私に優しくて
いつも私を1番に優先する。
和也
優
和也
優
和也
優
和也
ニノはそう言うと
悲しそうに笑った。
優しい笑顔をしているのに、目は悲しそう。
ううん
悲しいんだよね。
ここまで来たのに
何もできなかったなんて 、情けない。
…
ニノの恋
応援したい。
したい。
優
和也
優
和也
優
一気に喋りすぎて、言いたいことが伝わったかどうか
わからない。
けど…
少しスッキリした。
だってニノが
笑ったから。
和也
ニノがさっきの悲しい目なんてしていない。
少しは
変わったかな?
こんな私の言葉で、変わったかな?
でも
言いたいことは言えた。
私の役目は終わった。
だけど。
そんな中
私は凄く後悔もしてたよ。
智くん。
あのとき、智くんを強引にでも引き止めてたらって。