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黄 side
目を閉じると
いつのまにか懐かしい日常が広がっている
従者用の学校の校舎に、沢山の木々に囲まれたお庭
そう、ここ最近になってよく見るようになった夢の中だ
ミコト
???
ミコト
???
ミコト
???
ミコト
ミコト
???
???
幼い私は、誰かの名前を呼んで
その誰かは決まって私をみことって呼び返す
頭を撫でられるのはくすぐったくて
でも、心地よくて優しくて
ずっとその場に留まっていたいと願えるような、そんな夢
ミコト
-くんって、誰のことだったっけ?
この夢が私の幼少期の記憶なのは…薄らとわかる
何度も名前を呼んだ相手
私はその誰かのことをよく慕っていて
それでいて大好きなようだった
ゆっくりと、そんな夢から遠ざかる感じがして
目を覚ますといつもの部屋だった
ミコト
ミコト
余韻が全く消えないまま起き上がるが
目に入った時計を見るとすぐに現実へと引き戻された
ミコト
急がなければ…
慣れた手つきでメイド服に着替えて、さっと身だしなみを整える
ミコト
そして今日もまた、従者としての職務に励むのだった
ミコト
コサメ
ミコト
ナツ
ミコト
現在シクスフォニアは、2ヶ月後にある国の祭事に向けて忙しなく動いている
1年に1度ある行事だが、今年はいつもとはまた違う形で開催されるようで
ナツ
ナツ
ミコト
専属騎士たちが総出で護衛を行うらしい
それはそうだ
国民なら知っている通り、今年は奏桜の寿命の年
楽しいお祭りの中でもやはり警戒は怠れないようだ
今日も洗濯物籠を持って歩く
いつもより量が少ないから、これならすぐに終わりそうだ
ミコト
こさめちゃんは今舞踏会のために稽古しているから
多分疲れてきている頃だろう
ミコト
そんなことを考えていたとき
スチ
ミコト
スチ
ミコト
スチ
スチ
ミコト
前から歩いてきたのはすちくんだった
時間的にもきっと一仕事終えてきた後なのだろう
ミコト
スチ
と、思いながら見上げると
見つけたのはすちくんのぴょこんと跳ねたさらさらの髪の毛
ミコト
いつもきちんと整えているから、なんか珍しくて可愛く思えてくる
ミコト
スチ
私は洗濯物籠を床に置いて
ミコト
スチ
そのさらさらの髪を触ってぴょこんを直そうとする
ミコト
スチ
ミコト
スチ
そして何度か撫でたところで
ぴょこんはやっとおさまってくれた
ミコト
スチ
ミコト
スチ
スチ
ミコト
スチ
そう言うと、すちくんは珍しい表情をする
何か考えているような、そんな表情
真っ直ぐと、紅い瞳に射抜かれた
ミコト
と、思い口を開こうとした瞬間
スチ
小さな声で紡がれたその言葉
聞こえるか聞こえないくらいの、その声を
私の耳はしっかりと、拾ってしまった
ミコト
スチ
ミコト
立ち去っていく背の高いその姿
後ろから見えた耳は、ほんのり赤く染まっているような気がした
ミコト
そんな表情知らないし
可愛いって…可愛いって、何!?
ミコト
ずるい
そんなん今まで言われたことなかった
きっと、私の顔はかつてないほど真っ赤に染まっているだろう
ミコト
初めてのその感覚に、私は驚きを隠せなかった
それを言ったのがすちくんだってことも
とりあえずその場にしゃがみこんで
しばらく動けなかったのであった
主(sea)