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主様お疲れ様です✨️💜🩷️尊すぎます✨️可愛いすぎます✨️続き楽しみです✨️無理しない程度に投稿頑張ってください
紫 side
ある晩
イルマ
スチ
らんが、帰ってくるはずの時間に帰ってこなかった
いつもなら心配させたくないと遅く帰ってくることはないのに
祭事で行う舞踏会のための稽古は…とっくに終わっているはずなんだけどな
イルマ
スチ
すちも同じことを考えていたのか、すぐに同意する
もう時刻は23時
何かあってからじゃ遅いから、と
すちと一緒に、らんの部屋を出ようとしたとき
バンッ
ラン
スチ
イルマ
勢いよくドアが開いて
やっと帰ってきたのかと思ったら
ラン
震えながらすちに抱きついたのだ
スチ
スチ
ラン
スチ
普段とは違う様子を一瞬で悟る
すちはいつもと呼び方を変えて
縋り付くらんを優しくなだめた
ラン
スチ
ラン
イルマ
らんが言った言葉が意味すること
それは他国との領地争いが、もうすぐ始まるということ
何年もの歴史の中
奏桜が寿命で他国との境界を絶ったときには、必ず争いが起こっていた
それが今回も、確実に起こるだろうと
そして同時に意味することは
らんが生贄になるまでのタイムリミットが、ほんの少しずつ近づいてきていること
ラン
スチ
ラン
普段から、知っていた
ここ数ヶ月で、痛いほど見てきていた
生贄になることへの恐怖心は
でも…きっと今らんが怖いのは自分が生贄になることじゃない
ラン
争いが始まって、周りの誰かが傷つくことだ
イルマ
ラン
スチ
お前にとっての唯一の縋れる相手が、すちだってことはわかる
幼いときからずっと一緒にいたんだろ?
依頼で調べ始めた、俺なんかより
イルマ
わかってる
わかってるんだよ
……けど、
ラン
スチ
イルマ
そう願ってしまうのだろうのは…どうしてだろう
ラン
イルマ
イルマ
スチ
気づけば俺はらんの手を引き、腕の中へと引き寄せていた
イルマ
ラン
イルマ
ラン
イルマ
そう言うとらんは、静かに涙を浮かべ始めた
イルマ
スチ
すちは、俺が名前を呼ぶだけで意図を汲み取ってくれた
ゆっくりとドアは閉まり、
らんと俺の、2人だけになる
ラン
ラン
イルマ
ラン
ラン
ラン
ラン
ラン
ラン
ラン
イルマ
ラン
ラン
ラン
ラン
静かに、本音を溢すらんを
俺はただ、優しく抱きしめていた
どれくらい時間が経っただろうか
しばらくして、落ち着いてきた頃
静まり返った部屋に、俺とらんの声だけが響く
イルマ
ラン
イルマ
ラン
その白い首元に見つけたのは、俺が数ヶ月前
忘れられないあの日にあげたネックレス
視覚で見えなかったが、ずっとつけてくれているようだった
イルマ
ラン
やば、嬉し
なんて、考えてしまって
俺は口元がにやけないようにすぐに隠す
イルマ
イルマ
あの日の夜と、今日の夜を越えて
イルマ
ラン
腕の中にいるらんを、もう一度だけ強く抱きしめる
自分の気持ちを確かめるように
らんはきょとんとするものの不思議そうにこちらを見つめてから、頭を預けてきた
イルマ
イルマ