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大人達は顔の同じ少女二人を 強引に引き離そうとしている。
だが、色の眼の少女は もう片方の少女の しっかり握りしめている。
ドンッ
色の眼の少女は 女性の手を振り払い、 もう1人の少女に近づく。
彼女は 紫色の目の少女を 優しく抱きよせる。
第68話
『姉妹』
夜桜
夜桜は刀を地面に 刺し、身体を支える。
夜桜
夜桜
夜桜は背後から 名前を呼ばれ、振り返る。
そこには 起きて地面から立つ 朝花が映る。
夜桜
朝花
夜桜は刀を杖代わりにして 朝花にゆっくり近づいた。
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
朝花
朝花
朝花
夜桜
離れた場所から 緑髪の少女がこちらに ゆっくり近づいてくる。
シュルッ
壊れかけた白い板から 細い蔦がゆっくり3本出現し、 夜桜達に近づく。
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
グイッ
夜桜
朝花は夜桜の右腕を 首にかけ、支える。
夜桜
朝花
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
先程、近づいてきた 蔦がなぜか少女の後方の地面で 静止している。
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜は刀を持った手を 前に出し歩いてくる 少女に向ける。
だが、何もしてこず 少女は無言のまま 二人の1m前で止まった。
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
朝花
バコンッ!
朝花
2人は音の方へ同時にみる。
視界の先には 白い板が破損し、魔法陣が 消えていくのが映る。
夜桜
朝花
いつの間にか先程の少女は そこにはいなかった。
夜桜
夜桜
朝花
朝花が夜桜をその場で 地面へ降ろす。
すると、夜桜はそのまま 朝花の座る方に もたれかかった。
朝花
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
夜桜は渋々、 朝花の背中に覆い被さる。
朝花は背中に夜桜を乗せ、 彼女の両脚を持ったまま 立ち上がる。
そして、 朝花は夜桜を背負いながら 小走り気味で歩き始めた。
朝花
夜桜
夜桜
朝花
朝花は救急マークの ついた箱か机の上に あるのを見つけた。
彼女は夜桜を ゆっくり床に降ろし、 箱の中身を確認する。
朝花
朝花
夜桜
朝花
夜桜が座りながら、 何かを見つめている。
朝花も不思議に思い、 夜桜の目線の先の方へ 眼を向けた。
朝花
夜桜
朝花
2人の前には円柱の透明な カプセルが設置されていた。
カプセル内は赤黒い液で 満たされており、中には 小さな人らしきものが入っている。
さらにそれの頭には 複数のチューブの ようなものが刺さって 上に伸びている。
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
朝花
夜桜は刀を杖代わりに ゆっくり立ち近くの 机の上の紙を見る。
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
朝花は紙の束を手に持ち、 目を通す。
紙を黙読している中、 彼女の顔が少しずつ 暗くなっていく。
夜桜
朝花
朝花
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花はカプセルに目を向ける。
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
…シテ…
夜桜
朝花
夜桜
夜桜は声のした カプセルの正面に立つ。
中を覗くと、先程の少女が 遺体に重なるように 薄ら浮かび上がる。
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜は力を振り絞り、 刀を前に構える。
夜桜
夜桜
夜桜
ブンッ!
ズバッ!
夜桜
…ピシッ…
ピシピシッ!
ガシャンッ!
夜桜が後ろへ離れた瞬間 カプセルの硝子が壊れた。
そして、赤黒い液体が 勢いよく流れ出す。
カプセル内にあった液体が 外に流れ出た後、 中から透き通った少女が ゆっくりと出てきた。
背後には彼女の痛々しい 遺体がある。
少女は身体が白くなり、 元より一層透けていく。
朝花
夜桜
少女は二人の方を向き、 にっこりと微笑んだ。
そして、数秒後 霧のように少女は その場から消えるのだった。
朝花
夜桜
夜桜
…フラッ
バタンッ!
朝花
夜桜が糸が切れたように 地面に勢いよく倒れる。
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
夜桜
朝花
朝花
朝花
朝花
朝花
グウゥゥッ~~!
朝花
朝花は突然の音に 驚き、辺りを見回る。
朝花
夜桜
朝花
夜桜
グウゥゥ~~!
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
朝花
夜桜
夜桜の腰辺りを確認すると、 そこに小さな鞄が 巻ついている。
朝花
朝花は鞄に手を入れる。
そして、手に 当たったものを 丁寧に取り出した。
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
朝花
…10分後、
夜桜
夜桜は地面に正座し、 両手でおにぎりを持ち ゆっくり食べていた。
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
朝花
朝花は夜桜の頭に ガーゼを当て、白い テープで止める。
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
夜桜は小さい鞄から おにぎりを取り出し、 朝花の前に10個置く。
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
夜桜は驚き、 口の動きを止める。
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
朝花へ この前の発言、 申し訳なかった。 かなりきつく言ってしまった。
あれは朝花が嫌いだから 言ったわけではない。 俺は朝花の事は大事に思ってる。
だが、あそこまで 言わなければ、 お前はずっと俺と一緒に いるだろう。 家でも施設でだって そうだったからな。
あればお前が離れる為に と思った方法だ。 施設の時に冷たくしてたのも その一つだ。
朝花は、俺と いない方がいい。 姉として俺の面倒を 見てきて、そのせいで 散々な目に遭っただろう。
俺を庇う事をしなければ、 お前まであの場所で 酷い目にあうことは無かったはずだ。 今頃母親と一緒に不便なく 暮らせてただろう。
いや、そもそも 俺がいなければ 良かったんだろうと感じてる。 そうすれば母親もお前も 困らなかったはずだ。
だから、もう俺に関わるな。 朝花をこれ以上、 不幸な思いを遭わせたくない。 俺の存在を消して 生きればいい。
今までありがとう。 俺はお前の妹で良かった。 朝花の幸せを願ってる。
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
…ビリビリッ
夜桜は書いた手紙を 2つに破り、ゴミ箱に捨てた。
そして、 新しい便箋を取りだし、 書き始める。
夜桜
朝花へ この前の発言、 申し訳なかった。 かなり言いずきた。
あれは別に朝花が嫌いで 言ったわけではない。
だが、これ以上 俺に関わるな。 お前に妹はいなかったと 思って生きればいい。 今までありがとう。
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
朝花
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
朝花
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
夜桜
むぎゅっ…
夜桜
夜桜は朝花の腕で 彼女の方へと寄せられ 抱かれる。
朝花
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
朝花
朝花
朝花
夜桜
朝花
朝花
朝花
夜桜
夜桜は朝花の肩に 顔を隠すように押し当てる。
彼女の頬からは 涙が流れ落ちる。
夜桜
朝花
朝花
朝花
朝花は優しく微笑む。
そして、泣いている 夜桜の頭を優しく 撫でるのだった。