テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【雪香 視点】
胸の奥がきゅうっと痛む
分かってる。琉依はもう、私のものじゃない
......いや、そもそも”私のもの”だった事なんて、一度もない
だけど___何で笑えるの
あんな顔、私には見せてくれなかった
同じ中学で、毎日隣にいたのに。私の事を見てるようで、どこか遠かった
...私が遠ざけたのかな。ちゃんと届かないままにしたのは、私?
気付かないふりをしてたけど。きっと、まだ終わってなかったんだ
『琉依への想いも、私の中で_』
夜の部屋で、私はまたオルゴールを開いた
蓋を開けても、音は鳴らない
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
幼なじみの蓮翔の声が、ふと浮かんだ
あの頃の私は、蓮翔が好きだった。ずっと一緒にいるって信じてた
風林 燐音(かざばやし りんね)
オルゴールは「過去の宝物」 町田くんは『今の私の気持ち』
風林 燐音(かざばやし りんね)
そっと蓋を閉じた
その音が、1つの区切りみたいに響いた
次の日の朝、登校中の交差点で偶然町田くんと会った
風林 燐音(かざばやし りんね)
私が声をかけると、町田くんは一瞬キョトンとして、照れたように小さく頷いた
町田 琉依(まちだ るい)
その声がやけに近くて。ほんの少しだけ、手を伸ばしたら届きそうで
風林 燐音(かざばやし りんね)
放課後。私はぼんやりと風を感じていた
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
振り返ると、そこにいたのは雪香さんだった
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
雪香さんの表情は柔らかいけど、どこか決意が宿っていた
風林 燐音(かざばやし りんね)
しばらく沈黙が続いた後、雪香さんがぽつりと口を開いた
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
その声は、思ったよりもずっと静かだった
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
雪香さんはゆっくり目を伏せた
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
私の言葉に、雪香さんは微かに笑った
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
その言葉が、胸に刺さった
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風が吹いて、雪香さんの長い黒髪が揺れる
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
雪香さんの瞳が、真っ直ぐに私を見た
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
その瞬間、雪香さんの表情がふっとほどけた
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
そう言って雪香さんは、空を見上げて呟いた
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
雪香さんの横顔は寂しそうだけど、前より少し軽くなってる気がした