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丈太郎
愛紗
愛紗
二年ぶりに再会した恭也さんから腕を掴まれ
愛紗
恭也
恭也さんは強引に私を抱き締めようとした
強い力で掴まれて
その瞬間は恐怖でしかなかった
三年前は結婚まで夢見ていた
あんなにも好きだと思っていた人が恐怖の対象となり
持っていた鞄で恭也さんの肩辺りを殴って逃げた
恭也
まさかその後、丈ちゃんに会えるなんて思ってなかったから
嬉しくて
嬉しくて嬉しくて嬉しすぎて
丈ちゃんの胸に飛び込んだ
一時間ほど車を走らせて
海岸、近くのコンビニの駐車場に車を止める
丈太郎
愛紗
丈ちゃんに抱き締められてまた涙が止まらなくなって
さっきまでのことを思い出すだけで全身が震えた
丈ちゃんが気づく前に追い付かれていたら……
そう思うと本当に怖くてたまらなかった
愛紗
丈太郎
丈太郎
愛紗
しばらくして少し涙が引いた頃
丈ちゃんにある疑問を投げ掛けた
愛紗
丈太郎
そう言って丈ちゃんがスマホの画面を見せる
愛紗
数週間前のデートの時
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
何気ない会話の流れから入れることになったアプリ
そんな何気なく入れていたアプリが
こんな風な役に立つなんて思わなかった
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
愛紗
丈太郎
その後、丈ちゃんの提案で
学校行事でよく訪れた思い出の温泉地へ向かうことに
トイレ休憩も兼ねてコンビニに寄り
おにぎりやサンドイッチを選んでレジへと向かう
丈太郎
そう言って丈ちゃんがコンビニを出て行く
愛紗
もう結構、離れた場所まで来たけど
不安な気持ちが完全になくなることはなく
会計中もそわそわしてしまった
車に戻ると丁度、電話を終えたところだったようで
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
コンビニを出発して約一時間半
目的の宿に到着
コンビニから宿までの道中
丈ちゃんはあそこで何があったかを聞かないでいてくれた
私が思い出して辛くならないように気遣ってくれて
車内ではずっと他愛ない話をして
一時間半かけてやっと私の心も落ち着いていった
高校時代、課外授業でよく訪れた温泉地
あの頃は遠くから見ているだけだったから
こんな風に二人でいられるだけで本当に幸せで
こんなにも近くで丈ちゃんの温もりを感じられる
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
丈太郎
大浴場でまったりして
部屋でちょっぴりお酒を飲んで
昔話にも花を咲かせつつ長い夜が更けていった
翌日の夕方
丈ちゃんは家の近くまで送ってくれて
優しく頭を撫でてくれた
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
そっとキスをして車を降りる
愛紗
愛紗
思い出すだけで顔がニヤける
丈太郎
三年前の夏に初めて明日夢がここに来て
七年後に私があの子を出産することがわかった
愛紗
愛紗
明日夢の笑った顔が頭に浮かんで
同時にあの言葉を思い出した
明日夢
明日夢
ずっと引っ掛かっていた
どうして明日夢は私に会いに来たんだろう?
明日夢
明日夢
不安そうに聞いてきたのも気になっていた
もしかして
未来の私と丈ちゃんは本当は仲が悪い?
本当はもう離婚しているとか?
明日夢はそれをハッキリと否定したが
この家のことを知らなかったし
丈ちゃんが話してくれないと悩んでいた
何か話せない理由があるの?
愛紗
愛紗
最悪なことを考えてしまって
ちょっとだけ落ち込んだ