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主
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とある日の放課後。
いつもなら、下駄箱の辺りで合流しているはずの冬弥の姿が見当たらなかった。
おかしいな…と思い、確か冬弥と同じクラスの近くに居た男子生徒に話しかけた。
彰人
生徒A
彰人
生徒A
彰人
生徒A
彰人
生徒A
珍しいこともあるものだ。 体調にはかなり気をつけている冬弥が早退するなんて。 ふと、何かあったかもしれない、と頭の中で考えが巡るが、まぁ冬弥は見た目の割に力は強いから大丈夫だろう。 そういう問題じゃないかもしれないが。
彰人
響き渡るのは雪を踏みしめる心地のよい音と、自分の呼吸だけ。
身の凍えるような寒さの中、1人静かな街中を歩く。
もう此処を去ってしまおうか、なんてことを考えていると、待ち望んでいた瞬間は突然に訪れる。
…1番最悪の状態で。
嬉しそうに目を閉じる彼女からは、もはやなんの音も聞こえない。
白い雪に際立って目立つ赤色に、あぁ、綺麗だ、なんて思ってしまった。
間に合わなかった。 …でも間に合ったところで、何か変わるとも思えなかった。 …否、思わなかった。 目からは自然と涙が溢れる。
もっと、分かってあげれたら。 理解出来たら。 話を聞いていたら。 自分の率直な心の内を話していたら。
この他に幸せな結末があったとしたら。 そこへ行けたら、どんなに嬉しいか…
神様。
もう二度と、こんな… 後悔しか残らないなんて嫌だ。
もし、もっと幸せになれる道があったなら、あるなら…
教えてくれないか、俺に。
冬弥
窓から夕日が差し込む中、勢いよく起き上がる。 先程までの映像が、風景が、頭に残っている。
冬弥
冬弥
ふと、自分が涙を流していることに気づく。 荒くなった息を整えつつ、涙を拭う。
冬弥
冬弥
しばらくぼーっと窓の外を見つめていると、不意に家のチャイムが鳴る。
冬弥
あいにく今は父が家にいない… 重い体を無理やり動かし、インターホンへ向かった。
カチ、と1回、冬弥の家のインターホンを押す。
彰人
冬弥
インターホンの画面越しに、冬弥の声が聞こえる。
彰人
ガチャガチャと鍵を外す音が聞こえ、すぐ後に玄関の扉が開かれた。
彰人
冬弥
一応… 珍しく歯切れの悪い返事に思わずムッとする。
彰人
冬弥
嘘はついてないが、なんだよ!! ううん…と唸りを上げ、曖昧な返事を続ける冬弥に少し腹が立ったが、今は怒っていても仕方がない。
彰人
冬弥
彰人
彰人
俺は、何をずっと迷っているんだろうか。
…何も言わないで、傷付けたのは誰だったか。
何も伝えず、結局自分に返ってきたのは、いつだったか。
それで後悔したのは、自分じゃないのか。
もう二度と、あんな事には…あんな光景は見たくないと、思ったのだろう。
それなら、今ここで、何も伝えなくて良いのか。
何も言われず一人残される悲しみは、誰よりも、自分が一番知っているはずだろう。
そんな事でいいのか。何も、伝えないままで。希望など無いと、思い込んだままで、それでいいのか。
そんなのはもう…懲り懲りだ。
愛しい貴方を、幸せに出来るなら。
死んでしまったとしても、貴方が幸せになるのなら。
本当の事を…話してみてもいいだろうか。
…そうだな。『もう残り少ない』んだから、悔いのないように生きよう。
冬弥
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主
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